日本人にとって欠かせないご飯。毎日食卓に上るものだから、何気なく炊いていますが、実はこだわればもっともっとおいしく、贅沢にいただくことができるのです。
そこで今回は、東京は銀座にある「米料亭 八代目儀兵衛(はちだいめ ぎへい)」の総料理長であり、五ツ星お米マイスターでもある橋本晃治さんに、ご飯のおいしさの決め手や、ご飯をおいしく炊くコツなどをお聞きしました。
イベント会場に潜入! 橋本総料理長に突撃インタビュー
2018年6月までの期間限定で、「米料亭 八代目儀兵衛」において富士山の天然水で炊いた銀シャリを提供する「薫亭(かおりてい)」が登場。
これは富士山の銘水株式会社が提供する「フレシャス」というウォーターサーバーとのコラボレーション企画。橋本総料理長による厳しい食味官能検査を経て開発された「薫(かおり)」というお米が、富士山の天然水によって土鍋で炊き上げられ、提供されました。
そこで編集部は本イベントに潜入し、橋本総料理長に突撃インタビュー。ご飯のおいしさの決め手やおいしい炊き方を伝授してもらいました!
ご飯の味を決めるのは「水」にあり!
——天然水でご飯を炊くことは、水道水で炊くのと比べてどのような違いがあるのでしょうか?
「おいしいご飯には、お水とお米が重要です。炊飯後のお米は90%が水分であるため、お水は味の決め手になるのです。お米をはじめ日本の料理には、軟水が適しています。日本の水道水は軟水であるといっても、地域によって硬度が異なります。ご飯のおいしさを引き出すには、なるべく硬度の低い天然水を選ぶこと。またカルシウムやマグネシウムの成分量が低いと、お米がふっくらおいしく炊けるということも判明しています。
今回の薫亭で使用している富士山の天然水『フレシャス』は、東京の水道水の硬度が71mg/lであるのに対し、21mg/lと断然低く、かつカルシウムやマグネシウムも少ないため、お米との相性が非常によく、香りや甘さを引き出してくれます」(橋本晃治さん)
土鍋で炊くとなぜご飯はおいしくなるの?
——ご飯のおいしさの決め手は「水」だったとは驚きました。また炊き方として、一般的には、土鍋で炊くとおいしいといわれますが本当ですか?
「土鍋にもさまざまな特徴があり、一概に『土鍋で炊く=おいしい』となるわけではないと思います。ただ、『火力で炊飯する』ことはおいしく炊けるひとつの要因です。電気ではなく、火力で調理すると、火入れが必要な状態になったときにお米に対して芯の部分まで火が通り、ふっくらご飯が炊き上がります」(橋本晃治さん)
——天然水を使用する場合も、土鍋で炊くとよりおいしくなるのでしょうか?
「お水を選ぶことは、お米をおいしく炊き上げるときのひとつの重要な要素です。よいお水を選べば、土鍋でも炊飯器でも、よりおいしく炊き上がるでしょう」(橋本晃治さん)
ここまでをまとめると、土鍋でも炊飯器でも、「米」「水」「火力」が、おいしいご飯を炊きあげる要因のようですね。
それでは、五ツ星お米マイスターにとって最高に贅沢な「極うまご飯」とは?
——ずばり、橋本総料理長にとっての最高に贅沢で「極うま」と感じられるご飯は、どのようなご飯ですか?
「外硬内軟の食感。粒が立つしゃっきりした食感で、ひとくち噛めば、甘さが溶け出すご飯。一粒ひと粒、食感があり、程よく水分膜でご飯がコーティングされていている状態です」(橋本晃治さん)
さすが、ご飯を炊く達人ならではの表現です。甘さが溶け出すとは驚きですね。いったい、どうすればそのようなご飯が炊けるのでしょうか?
極上のご飯を自宅で炊くコツ
——「極うま」ご飯を炊くには、米や水選びのほか、火入れも重要になるのですよね。自宅でおいしくご飯を炊くコツを教えてください。
「土鍋を使われるなら、火入れと蒸らし時間が重要です。炊飯器はすべて自動で計算されていますが、土鍋は一般的に沸騰に10分で、長くても早くてもNG。これがおいしく炊ける火入れです。弱火終了後、蒸らしも5~8分とることがポイントです」(橋本晃治さん)
おいしいご飯の条件は、米、水、火入れ。沸騰10分、蒸らしは5~8分と覚えておき、ぜひ自分の「極うま」ご飯を見つけてみてください。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利