「食べるもので体はつくられる」とよくいわれますが、毎日の食事で健康を目指すのは至難の技ですよね。本連載では、美養フードクリエイターの岩田麻奈未さんに、食事で健康になる習慣をつくるべく、「腸活レシピ」を紹介していただきます。全身の健康を左右する腸内環境について研究し尽くしている岩田さんが、便秘や肌荒れ、基礎代謝や免疫力の低下を予防する食材として選ぶ食物とは?

旬がなく、いつでもおいしく食べられる「グレープフルーツ」

岩田さんに教わる「腸活レシピ」。第3回は、食物繊維やビタミンCが豊富な「グレープフルーツ」を使用したレシピです。

グレープフルーツ
グレープフルーツ

「グレープフルーツは、フロリダ、カリフォルニア、南アフリカと産地が異なるため、通年を通して手に入れることができます。フロリダ産は冬から春にかけて、カリフォルニア産は夏、南アフリカ産は秋が旬です。ホワイトは、柔らかな果肉で果汁も多く、爽やかな酸味が特長。ピンクは、果肉がしっかりとしていて、ホワイトより酸味が少なく食べやすいです。南アフリカ産は、赤色が濃く、酸味がまろやかなんですよ」

季節を問わず手に入れることができるグレープフルーツ。そのままで食べることが多いですが、料理に使用するとワンランク上級者の食卓に。女性の友人を招いたホームパーティーの前菜や〆にさっと出せると喜ばれます。

腸だけでなく肌もキレイになる「ピンクグレープフルーツとフェンネルのサラダ」

 
 

「グレープフルーツには、善玉菌やヤセ菌のエサとなる水溶性食物繊維が豊富に含まれています。ピンクグレープフルーツの赤は、リコピンの赤なのでポリフェノールを摂取することもできますよ。そのほかにも、美肌に欠かせない〝ビタミンC〟、交感神経を刺激して脂肪を燃焼させる働きのある香り成分〝リモネン〟、食欲を抑える働きがあると言われている苦み成分〝ナリンギン〟なども含まれています。健康、美容に効果的なフルーツなので、毎日の食事に積極的に取り入れるといいですよ」

材料(4名分)

グレープフルーツ(ピンク) 1/2個
フェンネル 1/3株
オリーブオイル 大さじ2
ハチミツ 小さじ1
粒マスタード 大さじ1
ホースラディッシュ 小さじ1
塩 適量

つくり方

1:フェンネルは、1本ずつ株からとり、繊維を断ち切るように5mm幅にスライスする。

5mm幅程度にスライス
5mm幅程度にスライス

2:グレープフルーツは、子房にわけて皮をむく。

3:オリーブオイル、粒マスタード、ハチミツ、ホースラディッシュをよく混ぜ合わせる。とろみが出るまで、しっかり乳化させるのがポイント。

4:フェンネルとドレッシングを和え、塩で味を調える。グレープフルーツを添えれば、できあがり。

お腹のガスを排出する「フェンネル」にも注目

フェンネル
フェンネル

「フェンネルは、セロリの根元のような食感と独特の香りが特長的な野菜です。種はスパイスとして料理の香りづけに使用されるなど、西洋ではハーブとして、東洋では生薬として古くから親しまれています。食べることで、腸の動きを刺激し、お腹に溜まったガスを排出する働きがあると言われているので、お腹が張る人はぜひ試してみてください」

「ヨーグルト編」「もち麦編」と3回に分けて紹介した「腸活レシピ」。どのレシピも、見た目が華やかで優雅なものばかり! あまりなじみのない食材をふんだんに使用しているのもポイントです。手軽に手に入る食材から高級なものまで、さまざま食材を使った料理が、いつもの食卓やホームパーティーをスペシャルな時間にしてくれます。見た目よし、味よし、腸にもよし! 健康に美しく年齢を重ねるための特別なレシピ。ぜひご自宅で取り入れてみてください。

【腸活レシピ1】もち麦のタブレ
【腸活レシピ2】野菜と3種のヨーグルトディップ

この記事の執筆者
中医薬膳師、健康リズムカウンセラー、味覚カウンセラー。パリの料理学校「Ecole Ritz Escoffier(エコール リッツ エスコフィエ)」でフランス料理を学んだ後、「本草薬膳学院」にて薬膳を学び、中医薬膳師の資格を取得。美肌・美腸レシピを得意とし、美味しく食べて心も身体もキレイになる食スタイルを提案。著書に『ヤセ菌が増えて太らない食べ方』(自由国民社)がある。 好きなもの:猫、料理、食べること。
公式サイト:Official Blog
クレジット :
撮影/岩田 麻奈未 構成・文/青木 笑