温泉やプール、スポーツジムの更衣室では、人前で着替えることになりますよね。着替えはごくプライベートな行為なので、自分の振る舞いがおかしいかどうか、あまり気にしたことのないという方がほとんどでしょうが、日ごろ、家で当たり前にやっていることが、他人からは「まあ、はしたない!」と思われている…なんてことがあるかもしれません。

そこで、今回は、エレガントマナー講師の髙田将代さんから、知らずにやっていると下品に見える、着替え中の所作について教えていただきました。

見た目に下品な所作4つと、周囲への配慮を欠いて下品な所作3つの合計7つをご紹介します。

下品な人だと思われる「着替え中のNG所作」7選

着替え中にやると下品に見えてしまう4つの所作

■1:背中を丸めて服を脱ぐ

着替え中の姿勢も美しく

着替え中に限ったことではありませんが、姿勢は所作の見栄えを決める基本。猫背だったり、立ち姿がだらしなかったりすると、どんな所作も美しく見えません。

「姿勢を美しく保つには、おへその少し下の丹田に力を入れるようにしましょう。人前だけで姿勢をよくしようとしても、いつのまにか、ひとりで着替えをしているときの癖が出てしまうもの。常日ごろから誰もいないところでも意識することが大切です。

脱いだものを脱衣カゴに入れたり、カゴにある衣類を手に取ったりする際にも、かがみこむのではなく、背筋は伸ばしたまますっと膝を落とすようにするほうが美しく見えるでしょう。

また、真っ直ぐ立つことは大事なのですが、安定感を保つために足を開く場合、仁王立ちにならないように要注意です。両足の幅は開くとしても、肩幅程度にとどめましょう」(髙田さん)

街中やオフィスでは颯爽と歩いている人でも、着替え中の姿勢にまで神経が行き届いている人は少ないのでは? ワンランク上のエレガントな女性を目指すには、ぜひ着替え中にも美しい姿勢を保つようにしましょう。

■2:腕を振りかぶって服を脱ぐ

立ったままより座ったほうがきれいに見えることも

年齢やシチュエーションを問わず、女性として常に忘れないでいたいのは恥じらいの心。この点、着替え中に恥じらいがないように見えてしまう一因は、動きの大きさにあるようです。

「例えば腕を振りかぶるようにしてジャケットを脱ぐのは男性らしい所作で、女性がやると少し粗雑に見えてしまうかもしれません。動きはなるべくコンパクトにしたほうが、女性らしくエレガントに見えるでしょう」(髙田さん)

着替え姿を想像してみると、たしかに、動きが大きいと雄々しく、コンパクトだと楚々とした印象ですよね。ジャケットの着脱以外では、例えば、ボトムスやストッキングを脱ぎ着する際に、足を大きく上げすぎないようにしましょう。

ストッキングの着脱は姿勢よく、コンパクトな動きで行うのは難しいので、もし椅子があれば座って行うほうが美しく見えるとのことです。

■3:スカートとストッキングを同時に脱ぐ

丁寧に1枚ずつ脱ごう

動きの大きさと並んで気をつけたいのはスピード。慌てて着替えをしようとすると、スカートとストッキング、ショーツを同時に脱いだり、脱いだものをカゴに放り込むように入れたりなど、動きが雑になりがちです。

焦ると衣類が裏返しになることもあり、さらに、急いでいるからといって裏返しをそのまま放置すると、ますますお行儀がよくありません。どんなに急いでも着替え時間はさほど短縮できないので、心を落ち着けて丁寧な動きをキープしましょう。

■4:脱いだ服を床に散乱させる

前項の「時短で着替えようとする」とも関連していますが、着替え中の衣類の扱い方には、その人の日ごろの生活態度がにじみ出てしまうもの。

脱いだ衣類を床に散乱させたり、床や脱衣カゴの衣類を手ではなく足の指でつまんだり、衣類をたたまないでロッカーや鞄につっこんだりする姿からは、普段の生活もだらしないことが連想されます。

「自分の衣類なんだからどう扱おうと誰にも迷惑をかけない」という考え方もあるかもしれませんが、周囲から品格ある大人の女性として見られたいなら、脱いだ衣類は丁寧にたたむようにしましょう。

着替え中に周囲への配慮を欠いて下品に思われる3つの所作

■5:更衣室のドアをいきなり全開にする

更衣室やロッカールームに入室する際、無遠慮にドアを一気に全開にしていないでしょうか?

「更衣室などは、ドアを開けても室内がまる見えにならないような構造になっていることも多いですが、それでも室内の人を驚かせないためには、ドアはゆっくりと控えめに開けるようにしましょう」(髙田さん)

入室時にドアの向こうにいる人に配慮することは、更衣室に限らずどの部屋でも共通するマナーですが、とりわけ更衣室のような場所では、中で着替えている人たちに対し、よりきめ細やかな気配りを欠かさないようにしましょう。

■6:周りの人をジロジロ見る

着替え中にまわりをジロジロ見ない

別に女同士なんだから、そんなに恥ずかしがらなくても…というあけすけな態度は、その人自身を下品に見せるだけでなく、周りで着替えている人に不快な思いをさせる恐れがあります。

「自分が見られて恥ずかしいという恥じらいがあればこそ、自然と周りの方の着替えている姿が視界に入らないように視線をはずすのではないでしょうか。他方、本人に見られて恥ずかしいという意識がなければ、どうしても視線に遠慮がなくなりがち。無遠慮な視線は、悪気はなくてもまわりをジロジロと観察しているように周囲から受け取られてしまうかもしれません」(髙田さん)

意識的に他人の裸を品定めするように凝視するのが失礼なのはもちろんですが、本人にそのつもりがなくても「この人、いやらしい目で見てくる!」と周囲に思われてしまう恐れもあるのですね。

着替え中は、壁やロッカーの側を向くなどして、不用意に周囲に視線を送らないようにしましょう。それ以前に、同性間であっても恥じらいの心を失わないのも大事! 裸やそれに近い姿で更衣室内を歩き回るなど、周りの人が目のやり場に困るような振る舞いも慎みましょう。

■7:着替える場所を独占する

みんなで譲り合って使用しよう

更衣室やロッカールームでは、「共同で利用している」という意識を常に念頭におきましょう。例えば、椅子に荷物を置いたままにするなど、共有スペースを独占するのはNG! また、混み合った状況において、ロッカーの扉を全開にすると、隣の人に迷惑をかける恐れがあります。

「すぐ右隣でロッカーを利用中の方がいる場合は、自分のロッカーの扉を開ける際に、『よろしいでしょうか?』などひと声を。もし、声をかけにくい場合は、会釈するだけでも構いませんので、相手への気遣いが伝わるように心がけましょう」(髙田さん)

同じ扉を開ける行為でも、周囲を気遣ってコミュニケーションを取るのと取らないのとでは印象が大きく異なりますね。一期一会の精神で、快適に更衣室、ロッカールームを利用できるように、その場に居合わせた人と互いに配慮し合いましょう。

着替え中に何気なくやっている所作のなかで、自分に思い当たるものもあったのでは? 本文でも述べたように、人前でだけ気をつけようとしても、日ごろの癖は出てしまうものです。自宅で着替えるときからぜひエレガントな所作を心がけましょう。

髙田将代さん
エレガントマナー講師
(たかだ まさよ)小学1年生から茶道・華道を習い、着物着付け講師の資格も持つ。大学卒業後、伊藤忠商事に勤務。結婚出産を経て、女性としてのよりよい生き方を求め、グレース・ケリーやジャクリーン・オナシス等が卒業生である、NYに拠点をおく名門フィニッシングスクールにて学ぶ。現在は企業にて接遇マナー等の研修に携わりつつ、輝く女性をもっと増やしたいとの想いから、マナースクールL’embellir(ランベリー)を主宰。
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この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2018.10.23 更新
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
中田綾美