9月もまだまだ紫外線が強く、日焼け止めが手放せません。それに「白浮きしないように薄く伸ばして塗っている」「SPFの高いものだから1度塗れば問題なし!」など、マイルールで日焼け止めを塗っている方も多いはず。
でもその方法、本当に合っていますか?
自分なりにしっかり日焼け止めを塗っていたのに、「実はまったく効果が発揮されていなかった…」なんて最悪な事態に陥らないよう今回は、銀座S美容形成外科クリニックの美容皮膚科医・矢沢真子先生に、日焼け止めの効果が低くなる5つの行動とその対処法について伺いました。秋になるからといって油断している方は要注意です。
日焼け止めの効果が低くなる5つのNG行動
■1:昨年使い残した日焼け止めを使用するのはNG
昨年の使い残した日焼け止めの使用はNG。基本的に化粧品の消費期限は適切な環境で保存されていれば、未開封で3年、開封後1年ほど。しかし開封後は、中身が酸化し劣化するので、できるだけ3か月以内には使い切るようにしましょう。日焼け止めの効果も低下しています。
ワンシーズンで使い切れない場合は量が少ない、きちんと塗り直しをしていないサインかもしれません。
■2:少量を伸ばして塗るのはNG
日焼け止めを塗る際に一番重要なのはその量です。しかし、実はほとんどの方が推奨されている量の半分以下しかつけていません。日焼け止めに表記された紫外線防御効果を得るためには皮膚1㎠あたり2mgが必要(※1)といわれています。これは顔全体に塗るとすると500円玉くらいの量です。これは思っているよりかなり多い量なので、「塗りすぎかな」と思うくらいを意識しましょう。
また、日焼け止めを手で塗る場合も要注意。塗布量の半分以上は手に残っているというデータもあるので、今までの2倍の量を意識して塗ることを心掛けましょう。
■3:1か所から全体に塗り広げるのはNG
日焼け止めは、細かいパーツごとに分けて、何か所かに日焼け止めをのせてから塗りましょう。パーツごとに分けることで塗りムラや、塗り忘れを防げます。ポイントは、ムラにならないように伸ばし、塗り広げる際にあまりこすらないようにすることです。
特に頬の高い部分や鼻などは紫外線が当たりやすいので、塗りもれがないように2度塗りが必要です。また、首や手の甲、つむじや耳、上まぶたなどは塗り忘れがち! 唇も日焼けするので、UVカット機能のあるリップなども使いましょう。
■4:外出前に一度塗ったきりにするのはNG
日焼け止めは2〜3時間おきに塗り直すことが大切です。「SPFの効果が高いから」「ウォータープルーフだから」と気を抜いている方もいるかもしれませんが、塗り直しはマスト。出勤前とランチで外に出る前は日焼け止めを塗るようにしましょう。部屋の中にいても窓から日差しが入る場合は、その間も数時間おきに塗り直しが必要です。
その理由はふたつあります。ひとつは、汗や水、擦れで日焼け止めが落ちることもあるから。もうひとつは日焼け止めに含まれる紫外線吸収剤は、一定量の紫外線を吸収すると効果が弱まるものがあるからです。
メイクの上から塗り直す場合は、UVカット機能のあるパウダーファンデーションやフェイスパウダーを重ねるとベター。特にUVカットの表示がなくても、粉の成分が紫外線を跳ね返すため紫外線防止効果があるといわれています。肌への負担が気になる方には特にパウダー系がおすすめです。
■5:「飲む日焼け止め」だけを使うのはNG
最近メディアでよく取り上げられている「飲む日焼け止め」。これは、塗る日焼け止めの代わりにはなりません。なぜなら塗る日焼け止めのように肌の上で紫外線を遮断するわけではないからです。飲むタイプは日焼けした後に体内で発生した活性酸素を除去し、日焼け後のダメージを軽減する「抗酸化サプリメント」です。SPFでいうと、SPF2もありません。
あくまで、日焼け止めの基本は塗ること。物理的遮光が大切ですのでご注意ください!
【まとめ/日焼け止め効果が低くなる5つの行動】
1:昨年使い残した日焼け止めを使用する
2:少量を伸ばして塗る
3:1か所から全体に塗り広げる
4:外出前に一度塗ったきりにする
5:「飲む日焼け止め」だけ使う
日焼け防止対策は、遮光グッズも大切!
「肌の老化は、加齢による生理的なものが3割、日光による光老化が7割といわれています。しみ、くすみ、しわなどができてしまった後、美容クリニックで治そうとすると、お金も時間もかかりますし、完全には治らないこともあります。また、美容的な観点だけでなく、皮膚がんや免疫の低下、目の疾患の原因にもなりますので、老若男女問わず対策が必要です。
日焼け防止対策は、日焼け止めだけでなく、遮光グッズも同様に重要です。帽子、サングラス、日傘などを取り入れる場合はなるべく遮光機能がしっかりしたものを選ぶようにしましょう」(矢沢さん)
昨年の日焼け止めが残っているのは、塗る量が足りていないとは意外な盲点。たっぷりの量とこまめな塗り直しで、日焼け対策をしましょう。
銀座S美容形成外科クリニック
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 田代祐子
- EDIT :
- 高橋優海(東京通信社)