ハイヤーといえば高級タクシー。一度は、大切なお客様の送迎で手配した経験があったり、パーティーなどで乗車したりしたことのある方もいるのではないでしょうか。

今、ハイヤーはアプリで簡単に呼ぶことができるなど、身近になってきているところもあり、今後、ハイヤーに関わる機会も増えるかもしれません。

そこでハイヤーはどのようなときに利用すべきかということや、心付けは必要なのか、乗車マナーなどの気になる素朴な疑問を、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに教わります。

ハイヤーを利用するシーンとは?

停車している黒い車
ハイヤーを利用するシーンとは?

ハイヤーは、一般的にどのようなシーンで利用されているものなのでしょうか。西出さんは次のように話します。

「ハイヤーは、企業の役員の方の専属の社用車として、海外からのVIPなお客様の空港へのお迎え、お得意様のゴルフ送迎として、記念日・パーティー後のお送り、法事・お通夜の移動手段、観光時に貸切する場合などによく利用されています。また国内でも出張した際に、空港などからハイヤーを1日貸し切ることもあります」

ハイヤーは、大事な移動に際して重宝されていますが、実際にさまざまな安心が得られるのだそうです。

「ハイヤーは、予約時にあらかじめ行き先を伝えているので、乗車後、スムーズに行き先まで連れていってもらえるため、安心です。また、料金も前もって分かるので、その点も安心です。さらに、予約時に希望する車種の指定やドライバーの条件や指名なども可能であることも安心の要素です」

ハイヤーの基本的な乗車手順は?

車に乗っている女性
ハイヤーの基本的な乗車手順は?

そんな、移動を安心するものにしてくれるハイヤー。乗車する場合、きちんとしたマナーを心得ておきたいものです。そこで西出さんに、ハイヤーの基本的な乗車手順を教えていただきました。

予約時

1:乗車する人の名前や担当者の連絡先など、必要事項を偽りなく伝える。

2:利用する日時と迎え場所を正確に伝える。

乗車時

1:乗車には、名を名乗り「よろしくお願いします」ときちんと挨拶を。

2:ドアの開閉時には「ありがとうございます」とお礼を。

3:万が一、遅刻しそうな場合も「急いで行って」など、安全に関わる無謀な要求はしない。

料金の支払い方法と心付けの必要性

料金の支払い方法と心付けの必要性
料金の支払い方法と心付けの必要性

続いて、ハイヤーの支払い方法と心づけの必要性について教えていただきました。

支払いマナー

「事前振込の会社もあれば、当日払いや請求書発行の後払い対応の会社もあります。各ハイヤー会社によって、それぞれの規定がありますので、希望の支払い方法と異なっていたとしても、その会社の規定に従いましょう。くれぐれも事前振込の会社に対して『A社(他のハイヤー会社)は、後払いにしてくれるのに』などは言わないようにご注意を。あなたの品位を落としてしまいます」

日本での心付け

「基本的に、日本では心付けはなくても良いと思います。支払う料金の中に、サービス料も含まれているからです。ただし、長時間利用する場合、途中で写真を撮ってもらったり、事前に伝えている以外の場所に急遽行ってもらったりなど、ドライバーの方にお世話になることもあるかもしれません。また、単に目的地に行ってくれるだけでなく、観光案内の話などを自分の期待以上にしてくれた場合など、それに対して感謝の意を表したいと思えば、気持ち分をお渡ししてもいいでしょう。そのときは、ポチ袋に新券をいれると良いですね。ですから念のため、事前にポチ袋と新券を用意しておくと良いです。

ただし、会社によっては、現金での心付けをいただくことを禁止しているかもしれません。ドライバーからそのように言われたときは、『失礼しました』と言って自分のバッグにおさめます。無理に渡すことはNGです。どうしても感謝の意を伝えたいときには、例えば、観光先で、ちょっとした飲み物や食べ物をお渡しするとか、もともとドライバー用に、ちょっとしたお土産を持参しておくなどの配慮があっても良いでしょう」

海外での心付け

「海外では、チップ制ですので渡しても良いです。しかし、近年は、昔のようにチップは絶対的ではなくなっている傾向にあります。チップを渡す場合は、日本と同様に、必要以上のサービスをしてくれたときなど、感謝の気持ち程度をお渡しします。海外でのチップの渡し方は、握手をする右手にお札を持っておき、最後に『サンキュー』と御礼を言って握手するときに、それを渡すと周囲に気づかれることなくスマートです」

いかがでしたか?ハイヤーを利用する際には、きちんとしたマナーが必要であることが分かりました。次に利用する際には、ぜひマナー意識したいですね。

西出ひろ子氏
西出ひろ子さん
マナー講師・マナーコンサルタント
(にしで ひろこ)マナーは相手の立場にたつ『相手ファースト』という真心マナー®とおもてなし礼法®を伝える第一人者。和食、洋食などの食べ方のマナーの書籍やテレビ出演など多数。企業での人財育成やコンサルティングをはじめ、NHK大河ドラマや映画などで、多くの俳優や女優たちにマナー指導もおこなうマナー界のカリスマ。海外でも、プロトコル、エチケット、日本のマナーなどを指導している。その教えを学びにすでにマナー講師として活躍している人々などが世界中から訪れ、マナー講師の育成指導もおこなっている。近年は、マナー評論家・マナー解説者としてのメディア取材や出演依頼も多数。近著に『運を味方につけるプリンセスマナー』(河出書房新社)など、著書・監修本は国内外で80冊以上。
http://www.hirokomanner-group.com

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この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利
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