リビングのソファに身体を預けてまどろみ、午後の香りを胸いっぱいに吸い込んで読書に耽る……。家族や友人と語らいながら、紅茶やワインを味わう……。くつろぎの空間は窓や間取りなど建築はもちろん、空間を飾るインテリアとのハーモニーで生まれます。なかでも、ソファやテーブルは、人との距離が近く居心地そのものを生み出すインテリアです。

「インテリアは建築を完成させる一部」と捉え、建築家でありながら家具デザインも手がけるが巨匠・隈 研吾氏。

数々の美術館や博物館などの建築デザインを手がけ、世界で評価されている隈氏。その建築は「建物と家具の境界線が存在しない」といいます。建築とインテリアを一体として考え、全体につながりのある空間を生み出しているのです。

そんな隈氏率いる隈 研吾建築都市設計事務所がデザインする家具が、個人でも購入できるそう。日本の美意識や伝統文化を取り入れたオリジナルの家具を製造・販売しているインテリアブランドTIME & STYLEが「KENGO KUMA × TIME & STYLE」としてコラボし、複数のラインナップを設けています。

そこで、TIME & STYLEの桑原さんに、デザインのこだわりや、実際に自宅に導入する際に必要なことを伺いました。

「KENGO KUMA × TIME & STYLE」は美術館からはじまった

最初に隈 研吾建築都市設計事務所とTIME & STYLEがコラボしたのは、2011年。隈氏が設計した根津美術館内のNEZU CAFEに置く椅子を手がけたのがはじまりです。

「隈氏がデザインする家具は、無駄を極力削ぎ落として線を細くし、シンプルを極めています。ただシンプルなだけでなく、その角度や曲線など計算された細やかなディテールによりスタイリッシュな美しさが生まれています。そのため、どんな環境でも空間に溶け込み、建築と調和するのだと思います」(桑原さん)

どこにでも上品に馴染むモデルは、歌舞伎座などほかにも多くの施設でも取り入れられるようになりました。そこで、もとは建築に合わせ都度デザイン・生産していたものを、一般にも販売するようになったのだそう。

販売にあたって難しかったのは、デザインと実用性を両立する技術力だったといいます。

「家具は生活の中で人が身体をあずけるものですから、しっかりとした耐久性がなくてはなりません。極力線を細くすると同時に、しっかり強度を保つ。両者を実現するため、弊社と協力する日本の職人たちと共に、さまざまな工夫を凝らしています」(桑原さん)

例えばローテーブルならば、天板の側面は薄くし、中央に向かって厚みを持たせているそう。こうすることで、シャープな印象を与えつつ全体の強度を保っています。

自宅や別荘に置きたいソファとおすすめのローテーブル

「KENGO KUMA × TIME & STYLE」ではソファ3シリーズ、ローテーブル4シリーズ、チェア2シリーズとテーブル1シリーズを展開しています。桑原さんによると、個人の購入はソファが多いそう。そこで、ソファ3シリーズとそれぞれに合うローテーブルを教えていただきました。

■1:布を巻いたやわらかいフォルムのソファ「MA」

大きな布を巻き上げて背もたれをつくったようなデザイン。厚みのあるシートで、シンプルながらやわらかい印象です。丸みを持たせたステンレスの脚でスタイリッシュさと空間のゆとりを生み出しています。横からみると、背もたれの真ん中に三角形の空間ができているのも特徴。シリーズ名「MA」は「マキマキ」と「間」を掛けてつけられたのだとか。

「やわらかなフォルムと印象は、リビングのようなくつろぎの空間にピッタリです。シート部分の奥が深く、背もたれは緩やかな角度が付いているので、寝そべるようにゆったりと腰掛けていただけます」(桑原さん)

「MA」と合わせるのにおすすめのテーブルは「FL」。薄い板がただ浮かんでいるような印象のデザインです。

「布を巻いたデザインで丸みのあるソファ『MA』は、天板が浮いているようなローテーブル『FL』を合わせると、独特の浮遊感と空間のゆとりが生まれます」(桑原さん)

脚の部分は「MA」「FL」共にモダンな印象のステンレスとシックな印象のスチールの黒革仕上げから選べるそう。また、木工の温かみがあるローテーブル「CO」も、「MA」のやわらかみがあるフォルムと融合するのでおすすめとのこと。

■2:フカフカした座布団をイメージしたソファ「FU」

座布団をそのままソファにしたようなイメージのデザイン。大きな一枚の背もたれで、存在感も抜群。シートの中央は厚みがあってフカフカですが、布の端部分が非常に薄くなっているところが特徴です。シリーズ名「FU」は「フカフカ」の「フ」からつけられたそう。

「シンプルでシャープなデザインが、空間をキュッと引き締めます。座り心地も『フカフカ』なのでいいですよ。スタイリッシュさと座り心地を兼ね備えた『FU』は、応接間にもおすすめです」(桑原さん)

「FU」と合わせるのにおすすめのローテーブルは同じく「FL」なのだそう。

「『FU』のシートの端の薄さと、『FL』の天板の薄さがマッチします。さらに、脚の細さ・形・角度も『FU』と『FL』はそろっているので、合わせると統一感が生まれます」(桑原さん)

■3:三角形を組み合わせたデザインのソファ「KA」

カクカクした三角形を組み合わせてできたデザイン。正面から見ると、台形がふたつ折り重なった形になっています。三角形の角で全体を支えているような姿は近未来的な印象です。シリーズ名「KA」は「カクカク」の「カ」からつけられています。

「エッジがシャープで整った形状を組み合わせたデザインは、落ち着いたモダンさを演出します。『カクカク』した見た目とは異なり、シート部分はやわらかく座り心地もいい一台です。応接間に置けば、近代的でクリーンな雰囲気になりますよ」(桑原さん)

「KA」に合わせるのにおすすめのローテーブルは「TS」と「DI」。

「『TS』も『DI』も、『KA』のシルエットからインスピレーションを受けたデザインです。『KA』とそろえて置くと、ソファとローテーブルの一体感が生まれます。台形をモチーフに木材のみでつくられた『DI』はより落ち着いた雰囲気に、鋭い三角形の『TS』はより近代的な洗練された雰囲気になります」(桑原さん)

家具選びはライフスタイルに合わせて。導入はサイズに注意

ソファ「MA」「FU」は、1シーター(1人掛け)から3シーター(3人掛け)の3サイズから、「KA」は2シーター(2人掛け)と3シーターの2サイズから選択できます。桑原さんから、購入時の注意を伺いました。

「『KENGO KUMA × TIME & STYLE』のラインナップはかなりゆとりを持ったデザインになっています。同じ1シーターでも、他のソファに比べると大き目です。サイズを測らずに購入してしまうと、部屋に配置できなかったり、動線が狭く動きにくかったりしてしまう可能性もあります」(桑原さん)

また、設置する部屋に合わせて家具の材質にも注目しましょう。

「お部屋の日当たりや湿気などの環境、どの程度の頻度で手入れができるかによって、適した材質は異なります。例えば、木は家具となった後も呼吸していますから、温度変化の大きいお部屋ですと木材が反ったり割れたりする可能性も否めません。

ゆったりとした家具なので別荘やパブリックスペースなどに置かれるケースが多いです。その場合、ご不在の期間の手入れが難しいようでしたら温度変化に左右されにくい材質のものなど、お客様のライフスタイルに合わせてご提案いたします」(桑原さん)

また、ほかのインテリアや過ごしたい生活のイメージを伝えれば、その空間をつくり出すのにふさわしいシリーズや材質をTIME & STYLEのスタッフが一緒に考えてくれるそう。材質や生活スタイルに合わせたお手入れ方法も教えてもらえます。

「KENGO KUMA × TIME & STYLE」はTIME & STYLEの各店舗で購入できます。まずは、どんな時間を過ごす場をつくりたいのか、夢を膨らませて相談に行ってみましょう。

部屋の環境やライフスタイルに合わせてインテリアを選んで、理想の空間へ

TIME & STYLEは「KENGO KUMA × TIME & STYLE」を紹介するパンフレットの中で、隈氏の家具をこう語っています。

「隈 研吾氏の家具は建築の一部であり、また、完結した小さな建築である。」

シンプルを極めた繊細さと実用性まで考え抜かれた設計、それを実現する高い技術力に支えられている「KENGO KUMA × TIME & STYLE」。届けるのは家具ではなく、家具と共に過ごす時間と空間の居心地です。

その洗練された家具でくつろぎの空間を完成させれば、余裕のある満たされた時間を過ごせそう。リビングを変えることで、より心豊かな生活が生まれるかもしれません。

※価格は選ぶ材質やサイズにより異なります。本記事内ではすべて税抜、シリーズの最低価格を記載しています。

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廣瀬 翼(東京通信社)
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