今、女性たちの間で注目を集めている「スワッグ」。花を使った趣味といえば生け花やフラワーアレンジメント、ドライフラワーなどがありますが、最近では生花からドライフラワーまでをもっと手軽に楽しめ、器も要らない上に、インテリアにもなるこのドイツ発祥の「スワッグ」が流行中。秋からはじめる大人の趣味として楽しんでみませんか?

今回は2018年8月29日に行われたオーガニックコットン普及プロジェクト「オーガビッツ」を展開する豊島株式会社主催のイベントで、季節を彩るコットンを使用したスワッグ作りや、装飾のコツ・ポイントを紹介するセミナーに登壇した花生師の岡本典子さんに、スワッグ作りの始め方やラグジュアリーなスワッグをつくるワザなどを教わります。

花生師の岡本典子さん

スワッグの起源とトレンド

シックな色合いのスワッグ

岡本さんによると、スワッグの起源は次のことにあるといいます。

「スワッグはドイツ語からきていて、元々クリスマススワッグから始まったそうです。魔除けという意味があるので、日本でいうと節分みたいな感じかな? と思っています」(岡本さん)

最近は、なぜ日本でスワッグが人気を集めているのでしょうか。

「日本人のライフスタイルに合ってるのかと思います。とくに最近の夏は暑くて花も持ちません。せっかく自分のためにお花を買っても、日中は仕事で自宅に不在、帰ったらお花が枯れていた、なんてことになってしまいますよね。スワッグはドライになる経過を楽しめるし、自分のためにお花を買って自宅に飾るという人にもニーズがマッチしたのだと思います」(岡本さん)

スワッグの始め方

スワッグを作る様子

まさに、忙しい中でも花と暮らしたい私たちに合っているスワッグ。始めるのも手軽だそうですよ。

必要な道具

ハサミ、輪ゴム、紐かリボン、花材

花や枝の手軽な入手方法

スワッグの花材

「スワッグにする花材は、ドライに向いている花材を集める必要があります。水分を感じないお花のほうがスワッグには向いています。ただ、初心者の方には判断がつきにくいと思うので、ユーカリなどを使うといいでしょう。ユーカリであれば、たくさん種類もありますし実つきのものもあります。ユーカリは消臭効果もあり、お部屋に飾るのには適しています。またグリーンだけで仕上げるとハードルが低く、初心者でも楽しめるかと思います。あとはドライフラワーでよく見かけるお花を選んでみると良いと思いますよ」(岡本さん)

スワッグの基本の作り方

「机の上に置いて、花を乗せていくとつくりやすいです。先端は長くて動きがあるものにし、上の方に乗せていくものはコットンやお花などボリュームのあるものにするとバランスが良くなります。スワッグは目線の高い場所に飾ることが多いと思うので、下から見た姿を意識してつくるとよいでしょう」(岡本さん)

スワッグの基本の作り方
スワッグの基本の作り方
下から見た姿を意識
下から見た姿を意識

ラグジュアリー感を出すためのスワッグのワザ!

エレガントなスワッグ

そこで今回は特別に、ラグジュアリー感を出すためのスワッグのワザを岡本さんに教えていただきました!

ユーカリのシルバーグレーを活かす

「スワッグは飾っている間に色が暗くなるので、ユーカリのシルバーグレーを活かすこと。その上で、色がある花材を取り入れると良いです」(岡本さん)

岡本さんの著書『花生活のたね 四季を愉しむ花と緑のある暮らし』(エクスナレッジ)の表紙にあるような、小さな実がたくさんついたペッパーベリー、花びらの先がとがっていて白とピンクが可愛らしいセルリアなどがおすすめだそうですよ。

岡本典子著「花生活のたね 四季を愉しむ花と緑のある暮らし」表紙
岡本典子著『花生活のたね 四季を愉しむ花と緑のある暮らし』(エクスナレッジ)

コットンを活用する

「コットンは、ただ横たわらせて飾るだけでも雰囲気が出ますし、ガラスのキャニスターの中に無造作に入れて飾っても良いですね。あとは、ジュエリーとか小物をお友達にプレゼントするときに、コットンを敷き詰めてその上にジュエリーとか小物をちょこんとのせてみても、オリジナリティーがあっておすすめです。お友達のお家にお呼ばれしたときなどにワインを手土産で持参するときにコットンをボトルの口の部分に添えたりするのもいいですよ」(岡本さん)

日本で約100のアパレルブランドが参加するオーガニックコットン普及プロジェクト「オーガビッツ」を展開している豊島株式会社の担当者さんによると、オーガニックコットンとそうでないコットンは、見た目では違いはわからないのだそう。

でも、オーガニックコットンの使用が広がることで、農薬の大量使用と土壌汚染、農家の健康被害などの環境・社会問題が課題となっている従来の綿花栽培方法が減少して、世界の生産地における問題が改善されていくことが期待されるといいます。

オーガニックコットンを活用することで、環境問題にも貢献しながら、毎日の暮らしをスワッグで彩るというのも素敵ですね。

スワッグ作りは、私たちのライフスタイルに合った趣味といえそうです。ぜひシンプルなものからラグジュアリー感のあるものまで、トライしてみてはいかがでしょうか。

岡本典子さん
花生師 Tiny N 主宰
(おかもと のりこ)恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒業後、渡英。英国で数々の花コンペティションで優勝や入賞を果たす。TV・雑誌・広告などの撮影関係を中心に、展示会・店舗ディスプレイ、婚礼、講師、講演、イベント出店、子育て支援、芸術など多方面の活動に積極的に取り組んでいる。
オーガビッツ

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この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利