サボテンやエアープランツ、苔、多肉植物などの観葉植物を生活空間に取り入れる人が増えています。なかでも「珍奇」な形をした珍奇植物の注目度が上昇中。

そこで今回は、グリーンショップ「プロトリーフガーデンアイランド二子玉川」取材しました。珍奇植物とは何なのか、どんな形のものなのか。園芸業界歴30年のグリーンアドバイザー高橋竜次さんにユニークな形をした植物や、多肉植物の魅力、そして特に人気な植物「ハオルチア」について教えていただきました。ちょっとお値段が高くても、そのエキセントリックな見た目に、きっと欲しくなってしまうのではないでしょうか?

高級多肉植物の代表「ハオルチア」。希少なものは安くても2万円以上?

高額な多肉植物の代表として知られる「ハオルチア」

高級多肉植物の代表といえば「ハオルチア」。ネットオークションなどでも高値がつく多肉植物のひとつです。なぜハオルチアが高騰したのか。それは生育が難しいからではなく、バイヤーの取引額が変わったからだと高橋さんは言います。

「多くのメディアで言われていますが、高騰の理由は海外、特に中国でハオルチアがとても流行ったからです。中国の園芸趣味家の多くは、所得が高い方たち。中国にない植物を買い付けに日本へきて、富裕層の園芸趣味家へ販売しています。それが、だんだんと従来の国内業者同士が取引していた値段より高い値段で取引されるようになり、以前よりも価格が高騰しました」

実際にどのくらいの価格で取引されているのか伺うと「価格はピンからキリまで」だそう。

「珍しいものでいうと2、3万円は安いほうです。高いものは30万円から50万円。5、6年前までは5千円から1万円ほどだった品種が、海外から注目され値段が10万円になったものもあります。先日珍しいハオルチアを購入したスタッフがいたのですが、価格は5万5千円したそうです」

高価格帯の2大品種「玉扇」と「万象」。マニアを惹きつける所以とは?

中央と右がハオルチア。放射状に広がる葉はハオルチアの特徴のひとつだそう。

そんなハオルチアのなかで、特にマニアに人気で、高額なものがある品種が「玉扇(ぎょくせん)」と「万象(まんぞう)」。珍しい品種ではないそうですが、なぜ高額になるのでしょうか。

「このふたつの種類は、株ひとつひとつに優劣があるんです。ここでいう優劣とは、人間の鑑賞上の価値観のこと。例えば、葉っぱの上部の平らなの部分。ここに不規則な曲線や、複雑な紋様がある個体は非常に珍しいため、高値が付けられます。

また、葉がとても肉厚だったり色が濃かったり、一方で透明感がある個体も。そういった特徴やわずかな個性の違いに優劣をつけ、楽しむのがマニアのなかのマニアたる所以なんです」

右が「玉扇」左が「万象」。高橋さん私物

ただし、ハオルチアといってもすべての種類が高価格なわけではありません。プロトリーフガーデンアイランド二子玉川で販売されているハオルチアは、1,944円ほどの価格で手軽に楽しめます。ぷっくり肉厚な葉が透けた可愛らしい見た目のものや、もちろん万象や玉泉なども置かれています。

「珍奇」であることに定義はない。だから楽しい

葉の茶色い部分は脱皮により古い葉が剥がれた「コノフィツム」¥1,404(税込)

多肉植物コーナーをぐるっと見ていると、特に目を引いたのが「コノフィツム」。茶色い薄い皮が葉に被さっている部分は葉が脱皮しているのだそうです。植物の脱皮とは、どのような仕組みなのでしょうか。

「水分を失って葉がパリパリになると、次の葉っぱが中にできていて、脱皮するのを待っているんです。そして中の新しい葉っぱが水を吸って膨らんでくると、この古い葉っぱが剥がれます。

このユニークな形と頂面の紋様がとても個性的なリトープスも脱皮しますよ。茶色い線は紋様で、この模様もさまざま。マニアはこの模様を鑑賞して楽しむんです」

極端に肉厚で肥大な葉が2枚左右対称になっている「リトープス」

また、高橋さんによる珍奇植物の定義とは「我々が見慣れて珍しくないと思っても、その植物が見た方の琴線に触れ、珍奇だと思えば、珍奇植物」とのことです。

ユニーク植物3点!見え方は想像力をかき立てる!

次に、ユニークな形をした植物たちを高橋さんにご紹介いただきます。変わった形の植物は、見え方もさまざまです。さて、みなさんの目にはどんな姿に映るのでしょうか?

■1:マニアに好まれる奇形サボテン「竜神木」/¥21,600〜

中央右の大きな鉢に入ったサボテンが「竜神木」¥21,600(税込)

「サボテンが突然変異し変えた『竜神木綴化(りゅうじんぼくてっか)』。左右不対象の独特な形は、バランスをとるためではないでしょうか。断定的に言えないのですが、こういった植物は自分たちが生きていく上で生きやすいように都度形を形成しているのだと思います」

■2:ムーミン谷に生息する植物のような「レカノプテルス」/¥5,400〜

鉢の端に見える茶色い茎や生い茂る葉が個性的な「レカノプテルス」¥5,400(税込)

「シダ植物の『レカノプテルス』といいます。うちのスタッフにも人気で、入荷した際はとても喜んでいましたね。『ムーミン谷に住んでいる生き物みたい』だって。茎の部分が出ていて、鉢の中から小動物が覗いているように見えるんです。太い茎は貯水機関の役割を果たし、長期間、雨が降らないときはこの水を活用するんです」

■3:成長した姿がリクガメに見える「亀甲竜」/¥7,560〜

成長するとリクガメの甲羅のような見た目になる「亀甲竜」¥7,560(税込)

「手前の植物は、亀の甲羅の竜と書いて『亀甲竜(きっこうりゅう)』と読みます。これはヤマイモ科の植物。販売しているものは小さいサイズですが、成長するとまさにリクガメの甲羅のようになるんです。僕は今まで60㎝のものを見たことがあります。10年以上育ち大きくなると、5万〜10万円ほどの値がつくのではないでしょうか」

感性と趣味を好きなように。多肉植物を選ぶ理由とは?

ガーデンアイランド二子玉川では、324円と手頃な価格の多肉植物も販売されています。

最後に、なぜマニアが存在するほど多肉植物は人々を惹きつけるのか伺いました。

「あえて多肉植物を選ぶのは、やっぱり見た目の個性的なフォルムに惹かれるからだと思うんです。

同じ植物を見ても受け止め方はそれぞれ。ある人には禍々しく見えたり、ある人にはかわいく見えたりもする。その方の感性や、今までどういうものに興味をもってきたのかなどで植物の印象は変わるものです。自分なりの視点で自由な捉え方ができることが多肉植物の魅力。

だから、美しい花とはちょっと違う視点で楽しめるんですよね」

今回インタビューにお答えいただいた高橋さん。ハオルチアをご自宅で育てているそう。

まるでアート作品のように自分なりに解釈し、愛でることができる多肉植物。知れば知るほど、はまってしまいそうです。そして、インテイリアに取り入れれば、かなりのインパクトになるはず。

高橋さん曰く、生き物である植物を消耗品として終わらせないためにはまず購入を検討している植物の栽培環境を調べることが必要だそうです。もしわからないことがあれば、スタッフさんに聞いてみましょう。

ぜひ一度足を運び、あなただけの「珍奇植物」を見つけてみてはいかがでしょうか?

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高橋優海(東京通信社)