「仏教」というと、格式の高いイメージや、観光で訪れる場所といったイメージがあるかもしれませんが、大みそかの除夜の鐘や初詣、節分、お盆、お彼岸など、日本人の生活に自然と、無意識に根づいている部分もたくさんありますよね。
そこで今回は「もともとは仏教用語だった」言葉に着目。私たちが「知らず知らずのうちに使っている仏教用語」を紹介していきましょう。
日常に潜む仏教用語の数々
■「日常で使われている仏教用語ランキング」の結果は?
9月13日放送の『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)で、「意外と知られていない日常で使われている仏教用語ランキング」が発表され、その驚きのラインナップに、Twitterで非常に話題になっていました。
その結果を見てみると、9位「自由」、8位「大丈夫」、7位「玄関」、6位「未曾有」、5位「アバター」といった結果に。「四苦八苦」と「愚痴」が同率3位で、2位「安心」、1位「有頂天」となっていました。
どれも日常でよく使う言葉ですが、もともとは仏教の用語だったとは、驚きですよね。
例えば1位の「有頂天」は「天上界における最高峰」を指した、仏教の世界観を表す言葉です。5位「アバター」の語源は、古代インドの言葉「アバターラ」。これが仏教でも「化身」という意味で、使われるようになりました。ブログやSNS、スマートフォンゲームなどで使われるアバターもある意味「化身」なので、こちらは元の意味と近い使われ方をしているのかもしれません。
現代では「未曾有の惨事」など悪い意味で使われがちの6位「未曾有」ですが、こちらは本来「素晴らしいこと」や「神秘的なこと」を表す言葉。3位「四苦八苦」は、「“人生は苦”を受け入れることから始める」という仏教の教えだと言われています。
意外な仏教用語の数々に、Twitterでは「昼間っからめっちゃ勉強になります」「『自由』とか『玄関』も仏教用語だったんだ!」「『アバター』ってずっと英語だと思ってた」「『四苦八苦』の意味が想像以上に深い…」といった声が上がっていました。
「日常で使われている仏教用語」の意味まとめ
「有頂天」=「天上界における最高峰」を指した、仏教の世界観を表す言葉
「アバター」=「化身」
「未曾有」=「素晴らしいこと」「神秘的なこと」
「四苦八苦」=「“人生は苦”を受け入れることから始める」
■「退屈」の本来の意味とは?
番組で紹介された言葉以外にも、日常で使われている仏教用語は数多くあります。浄土真宗『真宗大谷派』の本山『東本願寺』の公式サイトによると、「退屈」も仏教用語のひとつ。こちらは「仏道修行の厳しさに屈し、退いてしまうこと」を指した言葉です。
「友人に迷惑をかけちゃった…」の「迷惑」も仏教用語。「迷」は本当の道に迷うことを指し、「惑」は途方にくれてとまどうことを意味します。これらの2つが合わさった「迷惑」の意味は、読んで字のごとく「迷い戸惑うこと」。また「大衆」も本来は仏教用語で、「仏法によって調和のとれた人々の集まり」という意味で使われていました。
現代社会の人々の生活に浸透している仏教用語の数々。本来の意味を知っていると、気のおけない友人たちとの集まりなどで、ちょっとした雑学として披露できるかもしれません。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 宇月明子