キャリアを積めば積むほど、おしゃれ悩みも切実になるもの。そこで、各界で活躍するエグゼクティブ女性から絶大に支持されているスタイリストの犬走比佐乃さんが、トップキャリアと呼ばれる女性リーダーたちの仕事服悩みを一気に解決!
実は、トップキャリアのスタイルも不動ではありません。時代の流れで、常識もアップデートされているのです。ただ、誰かに教えてもらう機会はなかなかありません。そこで、今知っておくべきエグゼクティブのルールをQ&A方式でマダム犬走にお答えいただきました!
スタイリストの犬走比佐乃さんが教える「仕事服の今どきルール」6選
■Q1:古くさく見えないジャケットのインナーは何ですか?
ジャケットのインナーにTシャツを着るのは、今やあたりまえですが、オフィシャルな場では当然ながらNG。とはいえ、あの快適さや今どき感を残しつつ、仕事シーンで通用するインナーはないものか? とマダム犬走が行き着いたのがクルーネックのシンプルなブラウス。やわらかな素材感で、艶や透け感があるものなら、大人のエレガンスもしっかりキープ。ストレッチのきいた生地だから、着心地のよいフィット感もお墨付きです。
■Q2:春夏のナチュラルストッキングに代わる、冬バージョンはありますか?
オフィシャルな場でタイツNGは不動のルール。とはいえ、冬場は見た目も体感も寒いので、例外的に認められるのが、30デニールの透け感のあるタイツ。色はナチュラルでも黒でもなくあか抜け度No.1のグレー! 微妙な色合いを使い分けて。
■Q3:ジャケットの袖丈の正しい長さがわかりません!
ジャケットの着こなしに一家言あるマダム犬走。曰く、「最近、みなさんのジャケットの袖丈が長めですが、本来きれいなのは、手首の骨がギリギリ見えるか見えないかの位置。ジャストサイズでないからと、腕まくりしてごまかすのもダメですよ! いちばんのおしゃれはトレンドに合わせることではなく、自分サイズに直すこと。そのひと手間に尽きます!」
■Q4:好感度の高い名刺入れは?
初対面の方とお会いしたとき、最初にするのが名刺交換。第一印象でどれだけ好感度をアップできるかは、腕の見せどころ。ダークカラーだと男性っぽくてシャープすぎるし、赤やピンクなどの鮮やか色だと甘すぎる。自ら愛用するマダム犬走も「よく誉められます」と実証済み。ノーブルな白が知的な印象を演出してくれます。
ケースを開けると、名刺がキリッと顔を出し、交換する相手にも好印象を残してくれるはず。白は汚れが目立つのが難点ですが、マダム犬走から「マメに拭いていればずっときれいに使えますよ」とのアドバイスをいただきました。
■Q5:荷物が多い日にスマートに持つ方法を教えてください。
今回取材したみなさんが口をそろえておっしゃったのが荷物問題。書類のほか、一日のうちに会議、移動、会食など、いくつもアポイントが入っているため、バッグひとつでは対応できないことも。書類が多い日は2個持ちで、パーティーや会食用のミニバッグを入れるなら大きめトートと合わせるなど、用途に合わせて選びましょう。
2個持ちの場合、エレガントな持ち方の決め手となるのはサブバッグの薄さ。ハンドバッグと重ねてもかさばらずスマートです。華奢なハンドルも素敵。
一方、バッグインバッグのシンプルなサテンの黒いクラッチは、3種類の替え留め金が付いた優れもの。簡単にチェンジできるので使い勝手も抜群です。
■Q6:スーツに似合う歩きやすいパンプスは?
過度なハイヒールは、派手すぎるし、ローヒールではカジュアルすぎる。3~6センチがトップキャリアにおすすめしたいヒールの高さ。トレンドのチャンキーヒールは、合わせる服もトレンド感があって成立すること。お堅めのスーツに合わせると、かえって老け感が出てしまう結果に。オーセンティックな艶レザーのハイヒールこそ、永遠の鉄板です!
左のパンプスは後ろ姿も美しい華奢なヒールなので、女性のバックスタイルをかっこよく見せてくれます。右のパンプスのようなポインテッドトウなら、ローヒールでもオフィシャルな場で悪目立ちしません!
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意外と、ジャケット袖丈の正しい長さや荷物が多めなときのスマートな持ち方は知る機会が少ないもの。時代遅れな女性だと思われないために、ぜひ犬走さんの回答を今後おしゃれの参考にしてみてください!
- PHOTO :
- 佐藤 彩(静物)、篠原宏明(取材)
- STYLIST :
- 犬走比佐乃
- EDIT :
- 土橋育子、喜多容子(Precious)