人間誰しも失敗するもの。ひと通り反省したら、なるべく早めに気持ちを切り替えることが重要ですよね! 習慣化コンサルタントの古川武士さんによると、失敗をひきずってなかなか前向きになれない人は、毎日の何気ない行動や発言に特徴があると言います。

負の感情がいつまでも胸の中にたまっていると、幸せが遠ざかってしまいます。何度くじけても、そこから立ち上がって挑戦し続けることで人は成長させるもの。そこで古川さんに、気持ちの切り替えが下手な人が無意識にやっている習慣を断ち切る方法と一緒に教えていただきました。この機会に見直し、ネガティブ思考にとらわれないようにしていきましょう!

うまく気持ちを切り替えられない人が無意識にやっている「5つの悪習慣」

■1:自分と相手が一緒だと思っている

自分と同じものを相手に求める癖は絶対にダメ!
自分と同じものを相手に求める癖は絶対にダメ!

「人間関係ほど、ストレスが溜まるものはありません」と古川さんは断言します。実際、厄介な人がいて毎日疲れるとか、何かとトラブルになりがちな人がいて困っている、など、職場や取引先との人間関係に苦労している人は多いのではないでしょうか?

「そんなとき、なんであの人の言い方は思いやりがないんだろう、あの人はなぜ主体性がないんだろう、あの人はどうして細かいことばかりにこだわるんだろう、と批判しがち。でも、それは自分とは違うものの考え方、価値観、性格タイプがあるということに思いが寄らないからなのです。男女のすれ違いも同じで、男性と女性は考え方、感じ方が違います。違いを尊重する、違いを認識して多様性を理解できるだけで楽になります」(古川さん)

自分の考え方だけにとらわれず、少し周りを俯瞰して、他人への想像力を働かせることが大事のようですね。仕事だけでなく、プライベートの人間関係においても覚えておきたいものです。

■2:自分を0点か100点で判断している

白黒つけたがる癖も絶対にダメ!
白黒つけたがる癖も絶対にダメ!

プレゼンがうまくいかなかった。取引先との交渉で失敗してしまった。毎日の仕事の中で、思い通りにならないことは少なくないですよね。でも、古川さんによると、とにかく物事がうまくいったか、ダメだったかと、白か黒かで考える人は、落ち込みから立ち直りが遅いそうです。

「どんなに頑張っても100点はありません。NLP(神経言語プログラミング)では『失敗はない、ただ経験があるだけ』という言い方をしますが、まさにその通りなのです。よかったことを続けて、ダメだったことを改善していくのです。そうやって経験を仕分けして、上手に振り返ることができる人が気持ちを立て直しやすいです」(古川さん)

確かに、失敗ではなく経験として、冷静かつ客観的に見ることを意識すれば、ダメだったことにこだわらなくて済むかもしれません。

■3:終わったことへのダメ出しを続けている

自分と同じものを相手に求める癖は絶対にダメ!
自分と同じものを相手に求める癖は絶対にダメ!

終わったことに対して、いつまでも「ああすればよかった」「こうすればよかった」とダメ出しを続けるのもNG。古川さん曰く、未来のために思考を使うかどうかが重要とのこと。

「頭のエネルギーは限られています。それを未来の計画やアイディアのために思考を使うのか、ダメだった後悔に使うのかで気持ちの切り替えは変わります。『他人と過去は変えられない、自分と未来は変えられる』という格言がありますが、まさに『終わったことは仕方がない』と受け入れることができる人は気持ちが切り替えやすいのです」(古川さん)

「仕方がない」というと、諦めたとか、ネガティブなことのように感じるかもしれませんが、変えられないものにいつまでもエネルギーを使うことのほうが、無駄でもったいないことですよね。限られたエネルギーをこれからのことに使うほうが、毎日は確実に楽しくなるはずです。

■4:ひとりで考えてばかりで人に相談しない

ひとりで悶々とする癖も絶対にダメ!
ひとりで悶々とする癖も絶対にダメ!

人に自分の失敗や弱みを知られるのは恥ずかしい。でも、「ひとりで考えていると考えが堂々巡りするもの」と古川さんは言います。

「他人の視点や発想をもらうと、落ち込みパターンから抜け出しやすいものです。ずっと落ち込み、固定したパターンで考える人は、なるべく人に相談したほうが気持ちが晴れます」(古川さん)

話を聞いてもらうと、それだけで、気が重かったのが少し軽くなることがありますよね。思い切って誰かに打ち明けてみたら、自分では見えなかった解決の糸口が見えてくるかもしれません。

■5:自分の人格的失敗だと思っている

自分と同じものを相手に求める癖は絶対にダメ!
自分と同じものを相手に求める癖は絶対にダメ!

ただひとつの失敗を、「私はダメ人間だ」と自分自身の人格による失敗だと判断するのもNGです。

「ひとつの失敗へのダメージは、行動レベルの失敗と考えるか、考え方や人格の失敗と捉えるかで随分と違います。例えば、プレゼンで緊張して声が震え、所々詰まったとします。この経験で『私はなんてダメなんだ、私は小心者だ』と自分を責める人はダメージが大きいのです」(古川さん)

さらに、「プレゼンはあくまでスキルだ」という古川さん。

「次は台本をもう少しつくっていこうとか、台本を手放して何回か練習しようとか、声は震えてもいいから大きな声を出そうとか、行動レベルの改善や修正を少しずつ積み重ねる人、そこにフォーカスできる人は前に進むことができます」(古川さん)

具体的に何が足りなかったのかを見つめ直し、それをどうやって改善につなげるかという方法を考えることが必要のようですね。

5つの悪習慣の中に、少なからず思い当たるところがあったのでは? 思い込みや全否定は禁物! 周囲を見る目や具体的に考える習慣を身につけ、なるべく早く気持ちを切り替えて、向上していきましょう。

古川武士さん
習慣化コンサルタント
(ふるかわ たけし)習慣化コンサルティング株式会社代表取締役。米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー。関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。約3万人のビジネスパーソンの育成と1000人以上の個人コンサルティングの現場から「続ける習慣」が最も重要なテーマと考え、日本で唯一の習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。 オリジナルの習慣化理論・技術を基に、個人向けコンサルティング、習慣化講座、企業への行動定着支援を行っている。主な著書に『30日で人生を変える「続ける」習慣』、『新しい自分に生まれ変わる「やめる」習慣』(以上、日本実業出版社)、『7つの心のブレーキを外せばうまくいく「すぐやる習慣」』(朝日新聞出版)、『マイナス思考からすぐに抜け出す9つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。
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この記事の執筆者
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WRITING :
あわいこゆき
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