イタリアの人気ブランド「カッシーナ」の高級ソファをはじめ、世界中のセレブに愛されるラグジュアリーなソファのなかから、「ひとり用のソファ」をまとめてみました。どれもインテリアエディター・土橋陽子さんのお墨付きのソファです。
身長156cmの土橋さんが実際にソファに座っている写真も掲載していますので、ソファに座ってくつろぐ素敵な日常を思い浮かべながら、インテリア選びの参考にしていただければ幸いです。
【目次】
おすすめの人気高級ソファ
ハーマンミラーの「イームズラウンジチェア&オットマン」
\イギリスのクラブソファーをモダンにアレンジ/
こちらのソファー、みなさんも雑誌や映画で一度は目にしたことがあるのではないでしょうか? フカフカの革張りクッションを、やわらかなカーブを描いた木部が支えるユニークな形状のデザインは、1956年に発表された後すぐにアメリカンデザインの象徴になりました。
アメリカのデザイナー・イームズ、正確には「チャールズ&レイ」のイームズ夫妻が設計したもので、チャールズは、イギリスのクラブチェアにインスピレーションを得てモダンな暮らしに合うよう、設計されています。
\仕様を変えて、軽やかなインテリアにも/
黒革張りとダークな色合いの木部に、冷たいシルバーの質感の取り合わせですと、男性の書斎にある家具のようなイメージが強いかもしれません。ですが、下の写真の「ホワイトバージョン」は、北欧スタイルやシャビーシックなインテリアにも合わせやすい軽やかさと、名作特有の存在感があります。
\ハーマンミラー は、時代の革新をもたらし続けるブランド/
Herman Miller(ハーマンミラー) は、1905年にアメリカで創業されました。「デザインとは人びとのために問題を解決するための方法」という考えの下、ジョージ・ネルソンやチャールズ&レイ・イームズという伝説的なデザイナー達と共に、のちにインダストリアルデザインのクラシックとなる製品群を世に送り出し続けているブランドです。
現在では、クラシック製品と暮らしのための新しいデザインに加え、働く環境、ヘルスケア施設の環境、それらの関連するテクノロジーやサービスにおいても、革新をもたらすイノベーターとして評価されています。
\「ラウンジチェア」も当時の最先端技術が叶えたデザイン/
当時は革新的な技術だった「成形合板(蒸気で薄い板を圧着しながら板を曲げる製法)」で、互いに置き換え可能なクッションを包み込んでいるパーツを、アルミダイキャスト製の背もたれが支えています。
傾斜した座面が脊椎下部にかかる圧力を背もたれに分散させ、腰部もクッションで支えられています。胸部を支える背もたれの角度は、座ったままの状態で快適に身体を動かせるように設計され、チェアの脚部には回転機構が付いています。
張り地には「MCLレザー」という最高品質の天然皮革を使用。ドイツでなめしたセミアニリンの「フルグレインレザー」(革の一番外側の部分で体毛を取り除いただけの天然皮革)で、天然革本来の美しくやわらかな質感が特徴です。
【身長156cmのインテリア】イームズの「ラウンジチェア」で美しくリラックス
フリッツ・ハンセンの「ロオチェア」
アートのような形状で、カラーリングの美しいロオチェアが日常の風景にあったら、朝起きるのも、帰宅するのもうれしくなるのではないでしょうか? 座った姿も、独特のくびれで姿勢良く見えます。しかも座ると静寂に包まれるような、おこもり感があります。
\ロオチェアの魅力を味わうなら、機能的でセンシュアルな5色展開のデザイナーセレクトカラーがおすすめ/
ロオチェアは、ファッションコーディネートのように、テクスチャーの異なる2種のファブリックで張り分けられています。ヨーロッパ有数のデザイン・テキスタイル・メーカー、クヴァドラ社のファブリックから、ハイメ・アジョン自身が選んだ組み合わせ。ロオチェアをきっかけに、お部屋に上品なカラーを取り入れられたら素敵ですよね。
\北欧デンマーク家具の代名詞、フリッツ・ハンセン は、タイムレスなデザインを生み出す高級ブランド/
1872年に、家具職人のフリッツ・ハンセンによってデンマークで創業。それ以来、有名デザイナーや建築家と共に、セブンチェアやスワンチェア、エッグチェアなどの数多くの名作を生み出しているブランドです。
才能あふれる各時代の気鋭デザイナーと協働し、その高い要望に応えるクラフトマンシップが新たな名作を生み出し続けています。2018年ミラノサローネでは、世界的に人気のある日本のデザインオフィス「 nendo(ネンド)」の新作も話題になりました。
【身長156cmのインテリア】リビングの主役になる、フリッツ・ハンセンの「ロオチェア」でリラックス!
ノルスタジオの「ウームチェア」
\どんな体勢をとっても優しく包み込んでくれる「ウームチェア」/
名作家具の写真集で見ていたよりもずっと大きく、これがあの「踏ん張っている細いスチール脚に支えられて、キュッとした座面が浮いている、サーリネンのひとりがけソファ」と同じ椅子とは、思いもしませんでした。
ウーム(Womb)=子宮を思わせる、有機的な形状と、さまざまな姿勢をとっても包み込まれるような感覚からその名が付けられたとか。それならば、名作家具だからと言って他人行儀ではなく、お近づきになろうかと、いろんな体勢で座ってみました。
\MoMA所蔵作品でもあるミッドセンチュリーを代表する椅子「ウームチェア」/
ノル社の創業者ハンス・ノルの妻でありデザイナーであった、フローレンス・ノルからの「たくさんのクッションの中で丸くなれる、バスケットのようなチェア」というリクエストから生み出されたウームチェア。エーロ・サーリネンによってデザインされた、ミッドセンチュリーを代表する名作ソファです。
スチールパイプで軽やかに浮遊させたバスケットのような有機的なシェルは、デザインされた1948年当時の新素材・新技術だったFRPを張りぐるみにすることで実現しました。置くだけで空間が決まる、70年たっても色褪せない、完成度の高いデザインです。
\誰もが知っている名作家具をたくさん生み出したノル スタジオ (Knoll Studio) /
ノル スタジオは、世界的に知られている20 世紀モダンデザインを体現する家具メーカーです。1938 年にニューヨークで、ドイツ生まれの家具商の息子ハンス G・ノル(当時24 歳)によって設立されました。ドイツの美術学校「バウハウス」と、アメリカの美術大学院「クランブルック」双方のデザイン思想と関係を経て発展したのです。
ハンスのビジネスパートナーであり妻である、フローレンス・ノルとふたりで続けてきたビジネスモデルは、現代でもなお脈々と受け継がれています。彼らの親交から、ミース・ファン・デル・ローエやエーロ・サーリネン、ハリー・ベルトイアなど、当時の時代の先端を行く建築家やデザイナーとの画期的なコラボレーションが生まれ、20世紀のデザインに多大な影響を与えることとなります。
【身長156cmのインテリア】包み込まれてリラックス!名作「ノルスタジオのウームチェア」
リーン・ロゼの「アメデー」
姿勢よく、くつろげるようにエスコートしてくれる「アメデー」
キルティングステッチを施されたコロンとしたシルエット、それに対して背からアームにかけてのシャープなラインは軽快でスポーティーな印象。異なるふたつの魅力を併せもつソファ、というのがアメデーの第一印象でした。
座ってみると、座面自体は思いのほかゆったりしていて、腰回りを支えてもらえることで「きちんとした姿勢が楽にできる」ようにエスコートされます。例えて言うなら、高級車の座席に座っているような感覚。のんびり読書をしていて、うっかり長い時間座っていても疲れにくいサイズ感が心地よいのです。
アームチェアにはオプションで回転式ベースを付けることが可能。おそろいのオットマンに足を載せると、より快適にくつろげました。
リーン・ロゼ銀座店は、アメデーのデザイナー、マリー・クリスティーヌ・ドルネル自らが監修した内装で、家具から小物までが選定されています。
そんななか、新作のアメデーのために選ばれた張地、「HARALD(ハラルド)」という、毛足の短いベルベット生地が存在感を放ちます。ベルベット特有のカーブした面がうっすらと白く見える素材の表情が、ソファの美しいラインを際立たせていてファミニンな印象を空間に添えているのです。
実は、ソファの名前の由来は、「日本から一番近いフランス」と呼ばれるフランス領ニューカレドニアのアメデ島なんだそう。デザイナーが、ヴァカンスを過ごしていたときに生まれたとか。そう聞くと、海岸沿いを走るオープンカーのシートのような気がしてきませんか?
リーン・ロゼは、フランスらしいカラフルでモダンなライフスタイルブランド
リーン・ロゼは、日本でも昔から人気のあるブランドのひとつです。その歴史は古く、1860年にフランス、リヨン郊外のブリオードが発祥の地です。傘とステッキのメーカーとしてロゼ家によって創業されました。
コンテンポラリーなライフスタイルを総合的に提案できるよう、照明、カーペットや気の効いたインテリア小物まで、古くはピエール・ポランや、近年ではブルレック兄弟等多くのデザイナーとコラボレーションし、オリジナルアイテムを提案しています。
テキスタイルも非常に繊細なカラー展開をしており、同じベルベットでも風合いの異なる3種類を用意するほどのこだわりが魅力です。日本では、ドリームベッド株式会社が1981年からライセンス契約を結び製造しています。張替え、修理等が国内で対応してもらえるのは助かりますよね。
【身長156cmのインテリア】高級車のような座り心地のソファ!「リーン・ロゼのアメデー」でリラックス
人気ブランド「カッシーナ」の高級ソファ
寝椅子の代名詞にもなっている20世紀を代表する「LC4」
\足をあげてくつろいでも優美に見える曲線美/
こちらのソファー、みなさんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか? ル・コルビュジエの寝椅子とも呼ばれる『LC4』というものです。体の線に合わせて綿密にデザインされた背座のカーブや、弓形のパイプをずらすことによって寝る角度を自由に変えられる点で、早くも人間工学的なアプローチが試されています。
\過去のアーカイブから、現代にも合うカラースキームをピックアップした、チャーチ邸仕様の「LC4」/
こちらの仕様は、2012年に復刻されたカラースキーム。薄いブルーのベースにグレーの毛皮というとても上品な組み合わせが、女性らしくてシックです。1928年、ル・コルビュジエとシャルロット・ペリアンが手掛けたチャーチ邸のインテリア用にデザインされました。このモデルが原型となり、翌年サロン・ドートンヌで『LC4』が発表されます。
\カッシーナ は、歴史上の過去と現在の名作を更新し続けるブランド/
カッシーナ家は17世紀から続く木工職人の家系で、チェザーレ・カッシーナが1927年に会社として起こしたブランドです。カッシーナでは主にふたつのコレクションが展開されています。20世紀初頭の巨匠建築家たちの作品を復刻したシリーズ「I Maestri(巨匠たち」の意)」。そしてもうひとつは現代を代表する建築家やデザイナーとのコラボレーションによる「Contemporary(コンテンポラリー)」。2015年秋にデザイナーのパトリシア・ウルキオラをアートディレクターに起用し、カラースキームやディスプレイ方針の変更により、シックな女性らしいエッセンスを楽しめるショールームとなっています。
\真正品の「ル・コルビュジエ/ピエール・ジャンヌレ/シャルロット・ペリアン」コレクションの家具を製造しているのはカッシーナだけ/
\巨匠ル・コルビュジエの元で家具を担当したのは、実は女性建築家、シャルロット・ペリアンだった/
現代建築の父とも言われる、ル・コルビュジエは家具デザインには手をつける気はあまりなく、トーネットの曲木の椅子などを好んで用いていました。そのころ、マルセル・ブロイヤーや、アイリーン・グレイが金属の椅子をデザインしたことに刺激を受け、ペリアンをアトリエに入れ、家具のデザインを担当させることになります。スケッチも、ペリアンのものが残っており、つまりル・コルビュジエのデザインとされている椅子は、実のところ女性建築家・デザイナーのシャルロット・ペリアンによるものだったと言えるのです。
【身長156cmのインテリア】ル・コルビュジエとジャンヌレとペリアンの名作「LC4」で足をあげてリラックス
人気イタリアブランドの高級ソファ
モルテーニの「D.156.3」
\編集者の目で観察し、空間を一枚のキャンバスに見立てて風景を構成するジオ・ポンティ/
上の写真。まるで家具をモチーフにした、グラフィック作品のような写真ですよね?
キルティングされたクッションが、優美ながらもどことなくシャープな木製フレームに収まっている、モダンともクラッシックとも表現しきれない椅子。
デザインしたのは、「イタリア建築・デザインの父」として高く評価されている巨匠、ジオ・ポンティ。1928年に建築雑誌の先駆けである『ドムス』誌を創刊したことでも有名です。建築家、デザイナーという範疇を超えた仕事を残した彼は、装飾を愛したモダニストとも表現されます。写真で観察したうえで家具を配置しなおし、余分な壁の余白を埋めることもありました。
\「自分の生活をつくることは、地上で最上の幸福」/
「D.156.3」の洗練された優美なフレームワークは、平日の帰宅してから寝るまでの時間を、胸踊るものに演出してくれます。自邸で家族と過ごしたり、友人たちを招くことを愛した彼は、家具に座ってくつろぐ皆の姿を眺めて楽しんでいたのではないでしょうか? 休日の昼下がりにうたた寝をしてしまっても、きっと素敵な日常の風景の中にいられるはず。
\モルテーニは、世界最高峰の技術をベースに、先進性にあふれたデザインを発表し続けるブランド/
Molteni&C(モルテーニ)は、1934年にイタリアで創業された総合家具ブランドです。システム収納やキッチン・オフィス家具で培った世界最高峰の技術をベースに、先進性にあふれたデザイン、ダイナミックさと精巧さを兼ね備えたハイエンドなインテリアを提案しています。
モルテーニは毎年売上の5%を開発費にあて、常に技術革新を続ける企業である一方で、80年を超えるリーディングカンパニーの使命として、未来に繋ぐべき過去の名作を自社の技術を駆使して蘇らせる「ヘリテージコレクション」にも力を入れています。EU諸国でも最大規模の生産量を誇り、世界80か国に輸出、主要都市40店舗のフラッグショップをもつため、市場での適正価格を実現し、アフターケアも国を超えて対応できるメリットがあります。
\モルテーニによる、原作の緻密な調査・分析に基づいて復刻された「D.156.3」/
80周年記念として2015年に「80! Molteni&C」と題した展覧会をミラノ近代美術館で開催。時期を同じくして過去の名作を次世代に繋ぐための活動を開始し、2012年からは、ジオポンティアーカイブと契約し、ジオ・ポンティが'20年代~'70年代までにデザインした家具の復刻をしてきました。本社にモルテーニミュージアムを開設し、常設展示が行われています。
1956年にニューヨークにある家具店のショールーム展示用に製作された「D.156.3」。その普遍的なデザインは色あせることなく、今日の私たちにも豊かさを感じさせてくれます。
フレームは艶やかなブラックグロッシー仕上げ、またはアメリカンウォールナット無垢材から、ベルトはグリーンとブラックからセレクトできます。
【身長156cmのインテリア】ジオ・ポンティの名作ソファー「D156.3」でお昼寝を
バクスターの「マニラ アームチェア」
ポンと置かれているだけでそのコーナーに独特の雰囲気をつくり出してしまう、フォトジェニックな『マニラ』。エッチングされた銅のベースにラタンの有機的なフレーム、幾何学的にピンと張られたマットなグリーンのロープは、実は特殊コーティングされたレザーで覆われたロープなんです。
風景に溶け込むような風合いで、ラグジュアリーなリゾート施設の中庭や、眺めのいい半屋外の空間によく合います。自宅に置けば、その独特な佇まいが、旅先で感じられるような自由な気持ちを思い出せてくれて、忙しい毎日からふんわり解き放ってくれるかもしれませんね。
レザーロープで「初めての座り心地」を体験できる
少し低めのマニラに座ると、太めのレザーで覆われたロープが優しく体を受け止めてくれます。かなりしっかりと編まれており、大きなメッシュの素材の座面はたわむこともなく安定して座ることができます。腕に直接当たるドライカシミヤのような触感が、誰かの腕に抱きしめられているような少し官能的な座り心地の椅子です。レザー製品は長く愛用するほど、馴染んでくるといいますが、試したくなりますよね。
\ハイエンド層にもトレンドセッターにも選ばれるイタリアの高級ソファーブランド「バクスター」/
バクスターの歴史は比較的新しく、1989年にイタリアで創業されました。2014年に、日本上陸。
バクスターといえば、表情豊かなレザー。厳選された地域で育った牡牛のものしか使わないとか。プロの職人が一点一点を見極め、伝統の技法によってなめす事で皮革が本来持っている自然な風合いを見事に引き出し、バクスターの誇るクラフトマンシップが凝縮された仕上がりになっています。 ブランドそのものを象徴しているともいえる、その上質なレザーでソファーブランドとしての地位を確立してきました。
しっとりとしたカシミヤのような手触り、マットでベルベットのような質感、ニュアンスカラーや深い色合いのレザーは、真鍮や銅、大理石などの素材と上品に馴染み、インテリアの満足度を上げてくれます。
バクスターの家具はヨーロッパの高級ホテルでも採用されており、世界中のセレブに愛用されています。ハイエンドで普遍的な感性にも、トレンドに敏感な感性にも訴える唯一無二の魅力があります。
そして、バクスターではすべての製品に、真製品である証として取り扱い説明書を付けています。これは、真製品の証であると供に、修理等で正しい情報をもって対応できる仕組みづくりでもあります。
【身長156cmのインテリア】リゾート気分を味わえる、夏にぴったりのソファー!バクスターの「マニラ」
ミノッティの「アストン アームチェア」
なんとなく全体的にずんぐりむっくりした感じ、というのがアストン アームチェアの第一印象でした。ところが、何気なくアストン アームチェアに座った瞬間、そのモチッとした座面の沈む感じ、腰回りから背中にかけての感触に驚きました。例えて言うなら、ふくよかな女性の腕から肩にかけての触り心地に似た気持ち良さです。
その感触を知ってからもう一度見ると、なんとも魅力的に見えるから不思議です。実は、アストン アームチェアのシートクッションとシートバックにはやわらかい詰め物があり、熟練職人の技を表現した頑強な構造で実現されています。ピューターカラーのほっそりしたアルミ脚の効果で、グラマーな本体が空間に浮遊しているような軽やかさを感じられ、その対比が実に美しいひとり掛けソファなのです。
\単体で主張せず、毎年「空間提案」されるミノッティの家具/
ミノッティの最大の特徴は、毎年更新される「空間提案」と「オリジナルファブリック」。デザイナーのロドルフォ・ドルドーニは、建築家であることもあり、「今年のリビング」「今年のベッドルーム」といったテーマ性をもってコレクションを発表しています。
それ故に、家具単体で主張するわけではなく、空間に馴染むようなデザインが多く、アイテムひとつを取り上げると比較的オーソドックスな印象を受けます。
すべての張地がオリジナルで、しかも毎年新作が開発されることも大きなポイント。毎年アイテムは更新されますが、手持ちのアイテムも布地を変えることでインテリアを更新できます。
ファブリック張りのアストン アームチェアは着脱可能なので、本体を送らなくとも張り替え(カバーの注文)ができるのはうれしいですよね。設置は営業担当の方が1脚から来てくださるとのこと。「ミノッティの家具は、各ご家庭に入ってからお付き合いが始まる」という企業姿勢からは、一流ブランドの誇りが感じられます。
【身長156cmのインテリア】極上の座り心地と美しいデザイン!ミノッティの「アストン アームチェア」
バクスターの「ソレント」
\回転台のついた極上の巣「ソレント」/
バクスターのパオラ・ナヴォーネがデザインしたアイテムは大体都市の名前が付いていることが多いとか。旅の中で得たインスピレーションを元に名付けられた「ソレント」は、南イタリアにある美しいナポリ湾とティレニア海を眼下に臨む高級リゾート地です。
「ソレント」は、ブカブカした大きな雲のような革のソファ。フレームのパイピングと、バッククッションにステッチされた小さなフリンジがちょっぴりユーモラスです。クッタリとした枕は片側にだけ縫い付けられていて、普通に座ると大きすぎるように感じました。回転台がついているので軽く方向を変えられるのはいいな、程度に思っていたときのことです。
おもむろにバクスターの広報の方が、「これが正しい座り方なんですよ」と、足を投げ出して横になりました。案内されるまま、私もおそるおそる同じように横たわってみました。初めて座るのに、まるで「巣に戻った」ようなかつてないリラックス感!
一生を過ごすパートナーとしてのソファ選びだとしたら、どんな過ごし方をしたいか?を考えさせてくれる「ソレント」
ソレントは、家具に求める機能としての「効率のよい生活動線」や「姿や形の美しさ」、「インテリアや手持ちのアイテムに合うサイズ感」が最優先、という思い込みを一度捨てようと思わせてくれました。特に、ひとりがけソファはもっとパーソナルなフィーリングで選んでもいいのではないか、「巣のような心地よさ」からインテリアを再構築するタイミングが人生にはあるのではないかと考えました。自宅にソレントがあれば早く帰りたくなる、そんなパートナーのような家具選びができたら素敵ですよね。
【身長156cmのインテリア】お姫様抱っこされている気分!バクスターのソファー「ソレント」
デパドヴァの「トンド」
\シャープな輪郭と、ふっくらしたパディングのバランスが絶妙な「トンド」/
背の高いスレンダーな女性のように、どこから見てもエレガントな印象のトンド。これまでのひとりがけソファのなかで、最も床占有面積がコンパクトながらも、おおらかなカーブが優美で、空間に置いた存在感は抜群です。
「美人は3日で飽きる」とか思いながら座ってみました。ところが、これがまた良いのです。シェルターのように控えめに包んでくれるおこもり感のあるハイバック、そこからなだらかに繋がるふっくらとしたアームが美しいだけでなく、ちょうどいい加減に囲われて落ち着きます。
割とむっちり感のあるクッションも固すぎずやわらかすぎず、沈むことなく優しく受け止めてくれる感触が絶妙でした。ヘッドレストのクッションも、背の低い私には高さが合うか心配したのも束の間、首元の欲しい位置でこれまたいい仕事してくれます。姿勢良く座ってリラックスでき、立ち上がりもとてもスムーズです。
真に美しい椅子は、座る人も美しく見せてくれるのですね。巨匠、ヴィコ・マジストレッティのデザインと、デパドヴァのものづくりの精度の掛け合わせ、さすが育ちが違います。
\北欧家具のような温かみとシンプルさを兼ね備えたイタリアンブランド「デパドヴァ」/
デパドヴァは1956年に設立されたイタリアの家具ブランド。温もりのある北欧家具に魅せられたデパドヴァ夫妻が、当時モダンデザインが流行していたイタリアに初めて北欧家具を紹介し、セレクトショップを立ち上げて販売したことから始まりました。デパドヴァのイメージをリードし、クオリティーを維持し続けてきたマッダレーナ婦人は、ミラネーゼマダムの代表格のひとりとして知られ伝記が出るほどの人物。数々の著名デザイナーと共に、クラシカルなテイストをバランスよく取り入れたモダン過ぎないオリジナル家具を世に多数送り出します。
デパドヴァは、2017年にイタリア屈指のキッチンブランド「ボッフィ」傘下にはいり、ピエロ・リッソーニが両ブランドのアート・ディレクターとして、一層ミニマルで素材感の際立つ上質な空間を提案しています。
【身長156cmのインテリア】コンパクトなのに包まれてる感がスゴイ!ひとりがけソファ「デパドヴァのトンド」でリラックス