最新豆知識で最愛「ニット」をよりおしゃれに!

糸の製法、編み地から、リメイクまで、奥深いニットの世界を深く知るために…

ニットでおしゃれを目指すならば、より深い専門知識を得たいもの。着たときの印象を左右する表情の違いや贅沢素材の最新情報、美しさを保つためのお直しまで、わかりやすく解説します。

■1:表情豊かなニットに仕上げる最新フィニッシュ加工にうっとり…

左「圧縮加工」/キュッと目が詰まったニットは保温性が高く、季節の変わりめに重宝。参考商品・右「ファー加工」/ファー加工が施せるのはカシミヤのみ。ふっくらと暖かな空気に包まれているような幸福感が味わえる。“糸衣”のニット¥41,000(東洋紡糸工業)

ニットの素材感をアレンジする方法は、新しい技法が続々と誕生しています。例えば、編み上げたニットを高速水流の中で撹拌(かくはん)し、表面の毛足を浮き上がらせるファー加工や、メルトン生地のような目の詰まった風合いに仕上げる圧縮加工など、同じニットでも加工しだいで変幻自在! デザインはシンプル、素材はリッチ…凝ったフィニッシュ加工で贅沢さが加速します。

■2:まるで布帛のようなハイゲージを生み出す、最新編み機が登場!

細く長い繊維にこだわって編み上げたニットは、素肌に着ても心地よく上質なリラックス感が漂う。撮影協力/東洋紡糸工業

ゲージとは1インチ(約2.5cm)四方あたりのニットの目数と段数を示したもの。数値が高く目が詰まったものがハイゲージで、ファインゲージともいいます。最近では「ウルトラファインゲージ」と呼ばれる世界で最も細かい21ゲージのニットを編み上げる機械が登場。極細糸で編み上げたニットは驚くほどなめらかで、まるでシルクのような風合い。

■3:ミンクやフォックスが加わった、ハイブリッドな糸で極上の肌触りを

左のガラスの容器の中のものは、糸のベースとなる原毛。動物の種類が違えば特性もさまざま。ニット生地(ハイブリッド地除く)、左から/生後12か月未満の一頭の子山羊からとれるのは80gほどの希少なベビーカシミヤ。内モンゴルで採取されるアラシャンカシミヤ。毛が細く、高い密度をもちながら軽く暖か。ラクダ科のキャメルはたっぷりと空気を含んでいるので保温力抜群です。ブルーフェースとはイギリス原産の羊毛。弾力性があり肌触り抜群。撮影協力/東洋紡糸工業

混紡素材というと、コストダウンのために用いられ、なんとなく安価なイメージをもったりしませんか? でも今は、ファッション的な観点からも混紡素材=糸が研究され、見直されています。なかでも注目は、カシミヤ×ファーのハイブリッド糸。カシミヤだけでも極上の着心地を堪能できるのに、そこに極上毛皮が加わるとカシミヤがもっていないファーの特性が加わって、ニットの質感は驚くほどリッチになります。

例えば、カシミヤ×ミンクは、ふっくらとしたボリューム感が! カシミヤ×ブルーフォックスは、エアリーな毛足で保温力アップ! ラグジュアリーなハイブリッド糸で編み上げられたニットは冬のおしゃれに欠かせない贅沢素材になること間違いなしです。

■4:ニットもお直しができることを知っていますか?

サイズが大きすぎた本企画担当スタッフKの愛用ニットで、「プチレーヌ」のお直しを体験。1~2サイズ小さくするので、裾は5cm短く、両脇は20cm詰めることに。ほどき→はぎ→リンキング→ミシンの流れ作業で自分サイズに修正。料金の目安は¥35,000

ジャケットの袖丈やパンツの裾のお直しは一般的ですが、ニットはお直しできない…なんて思っていませんか? そんな人にぜひ知ってもらいたいのが「プチレーヌ」です。実はここ、有名ブランドのお直しを多数引き受けている知る人ぞ知るニットのお直しの名店なのです。

修正は、作業工程ごとに専門の職人が手作業で行い、どこを直したかわからないほど美しい糸始末で、満足の仕上がり。袖が太すぎて…、裾が伸びてしまった…など着られなくなったお気に入りを復活させるチャンスです。

  • 短くしたい寸法の編み目をほどいていく。
  • ほどいた編み地からお直し用の糸を作り出し、裾のリブと身ごろの編み地をひと針ひと針つなぎ合わせていく。

HOW TO ORDER

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■5:大人好みのニュアンスカラーは5色に染めた「原毛」から生まれる

奥行きのある色を生み出すには、グリーンだけではなく、そこにイエロー、ネイビー、グレー、ブルーの4色をミックス。専門の調合師により色と分量が綿密に計算され配合されます。撮影協力/東洋紡糸工業

糸を染める方法は3種類あります。①原毛(わた)を染めてから糸にする「トップ染め」②糸を染料に浸す「糸染め」③製品が完成してから染める「製品染め」それぞれ目的によって染め方は異なりますが、なかでも「トップ染め」は、複数の色の原毛を混ぜ合わせ、糸を紡ぐことで「色」をつくるので、絶妙なニュアンスが生まれるのです。ほかにはない“大人色”を堪能してください。

※掲載した商品はすべて税抜です。

PHOTO :
小池紀行・ 池田 敦(パイルドライバー)
EDIT&WRITING :
岡本治子、小林 綾、喜多容子(Precious)