この夏、最高峰のシャンパーニュメゾン「クリュッグ」が西麻布の人気フレンチ「マルゴット エ バッチャーレ」を舞台に、4日間限りのイベントを開催しました。今年「クリュッグ」が展開しているプログラム「ワールド・オブ・クラフト」を体感する場として実現した、スペシャルなコラボレーションディナーです。
「クリュッグ」が展開する美食プログラム「ワールド・オブ・クラフト」から目が離せない!
「ワールド・オブ・クラフト」は、「クリュッグ」が2015年から開催してきた「単一食材をテーマとするプログラム」の集大成といえる企画。1年にひとつの食材をテーマに据え、各国のシェフが「クリュッグ」とマリアージュする料理を披露してきましたが、「ワールド・オブ・クラフト」ではこれまでに登場した食材すべてがテーマ。各国の「クリュッグ」アンバサダーシェフが5つのなかから好きな食材を使い、SNSを通して「おいしい」トピックスを発信しています。
今回のスペシャルイベントでは、5つの食材×5種類のシャンパーニュのマリアージュを提案。日本未発売の希少なキュヴェも登場し、「クリュッグ」ラバーにはたまらないイベントとなりました。ここでは、イベントの様子と「マルゴット エ バッチャーレ」の加山賢太シェフが考案した「おうちで簡単にできる」レシピをご紹介します。
日本未発売の「クリュッグ」とパプリカの甘美なマリアージュ
イベントでは、これまでにテーマとなった5つの単一食材(ポテト、卵、きのこ、魚、ペッパー)を使った料理をコース仕立てで提供。「マルゴット エ バッチャーレ」が得意とするトリュフを使ったポーチドエッグや、マドンナも大好きだという「クリュッグ」のロゼ×フレンチフライを美食に昇華した一品などが登場しました。詳しくは、前菜からメイン料理までのマリアージュをご紹介した記事をご覧ください。
>【関連記事:「クリュッグ」ファン垂涎のマリアージュをご紹介!】
ここでは、前回の記事で詳細をお伝えできなかったデザートにフォーカスします。デザート用に加山シェフが選んだ食材は、昨年のテーマだった「ペッパー」(パプリカ)。「5つの食材のなかで、デザートに合うと直感的に閃いたのがパプリカです。ペアリングしたのは『クリュッグ グランド・キュヴェ エディション164』。2008年に収穫した葡萄が主体の熟成感があるシャンパーニュですが、僕はフレッシュな印象も受けました。そこで、パプリカを前面に出しすぎず、『クリュッグ』と調和させようと考えました」(加山シェフ)
そうして完成したデザートが、「林檎とパプリカのタルトタタン 蜂蜜のアイスクリーム添え」。イノベーティブなフレンチが台頭するなか、今回はコース全体を通して、原点回帰の意味も込めてクラシックを意識したという加山シェフ。フランスの伝統菓子であるタルトタタンを選んだところにも、その考え方が反映されています。
とはいっても、クラシック一辺倒にはならないのが加山シェフ。「クリュッグ」のブランドアンバサダーを務めるティモシー・ベック氏が「パプリカが林檎の甘みや酸味と絶妙にマッチ。昔ながらのタルトタタンがモダンに再解釈されています」と絶賛する通り、クラシックなデザートを軽やかにアップデートした仕上がりです。
「タルトタタンがずっしりしたお菓子なので、重くなりすぎないよう、ひとつひとつのパーツを解体して軽やかな食後感を目指しました。例えば、通常ならフィユタージュ(折りパイ)を使うところを、薄いパートブリック(今回のタルトタタンの両サイドにあしらわれた薄い皮)に。パプリカはコンポートにして、あえて香りを抑えています。『164』がもつ凝縮感に、林檎と蜂蜜の蜜感やコクを合わせ、後口にパプリカのやわらかな香りと微かな苦味が感じられるよう仕上げました」(加山シェフ)
複雑味と凝縮感があるシャンパーニュにタルトタタンの要素を調和させ、後口にふわっとパプリカをきかせてデザートに奥行きを出す……。コース全体に美しい余韻をもたらす、イベントの終幕にふさわしいマリアージュです。
今回参加したゲストは、筋金入りの「クリュッグ」ラバー揃い。「クリュッグ」から受けた衝撃やメゾンを訪問した時のエピソードなど、「クリュッグ愛」を熱く語り合う、華やかながらアットホームなイベントとなりました。
4日を通して、加山シェフもゲストの満足度を実感したそう。「これまで6年間、当店でもさまざまなイベントを開催してきましたが、いちばんというくらい自分も楽しかったです。会期中メニューは変わらないのですが、日々改善点が見つかり、学びのあるイベントでした」
「コースの構成や料理の完成度など生みの苦しみも大きかった一方で、『クリュッグ』と料理に集中して向き合うことができる貴重な時間でしたね。温度によってシャンパーニュの表情が変わっていく点もおもしろかったです。供出温度など細かい部分にも徹底的にこだわったことが、お客様の満足感に繋がったのではないかと思います」(加山シェフ)
加山シェフが指南! 「おうちで簡単にできる」とっておきのレシピ
各国のシェフが5つの食材を使い、「クリュッグ」の公式インスタグラムでレシピを発信している「ワールド・オブ・クラフト」。最後に、加山シェフのレシピを特別に記事で公開します! こちらで使ったテーマ食材は卵。
「卵や食パンなどおなじみの食材で、特別な器具も不要。簡単におうちでできるものを、と考えました。うちの名物ということでトリュフを使っていますが、オイルでも充分に代用できます。『贅沢な朝食』が裏テーマですね(笑)」(加山シェフ)
「マルゴット エ バッチャーレ」特製目玉焼きトースト
●材料(4名分)
・食パン(6枚切り) 4枚
・卵黄 4個
・ベーコン 4枚
・ルッコラとアンディーヴ(チコリー) 40g
・黒トリュフ 12g(黒トリュフオイルで代用可)
・ノワゼットオイル 大さじ3強
・バルサミコ酢 小さじ2
・パルミジャーノ レッジャーノ 適量
・バター 適量
・塩、黒こしょう 適量
●作り方
1. 食パンのまんなかを直径4㎝の抜き型で型抜きし、両面をトースターでこんがりと焼く。
2. ルッコラ、アンディーブを一口大に切る。ルッコラは冷水につけてしゃきっとさせておく。
3. ベーコンを食べやすい大きさに切ってソテーしておく。
4. よく水切りしたルッコラとアンディーブをノワゼットオイルとバルサミコ酢、塩、黒こしょうで味付けする。
5. レンジや湯煎でバターを溶かす。フライパンに溶かしバター、こんがり焼いた食パンを入れる。食パンの型抜きした穴に卵黄1個を落とし、フライパン側を焼く。
6. お皿にトーストをのせ、ベーコン、ルッコラ、アンディーブを盛り付け、パルミジャーノ レッジャーノを上から擦りおろす。仕上げに薄くスライスした黒トリュフを飾って完成。トリュフオイルを使用する場合は上から回しかける。
「ポイントは食パンをしっかりトースターで焼いておくこと、上質なバターと卵を使うこと。これ、実は僕がホームパーティでよく作るメニューなんです。前菜の後など、少しお酒が入って楽しい雰囲気になってきた頃に出すととても喜ばれますね。もちろん、シャンパーニュとの相性もばっちり。トーストの香ばしさ、トリュフやバターの豊かな香り……『クリュッグ』と合わない要素がないです(笑)」(加山シェフ)。
「ワールド・オブ・クラフト」では、このほか各国のシェフが「クリュッグ」にマッチするレシピを随時インスタグラムで発信。最高峰のシャンパーニュと才能あふれるシェフたちのレシピが、よりおうち時間を「おいしく」豊かなものにしてくれるはずです。また、来年は再び単一食材を使ったプログラムがスタート。どんな食材や企画が登場するか、ぜひお楽しみに!
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店舗情報
- マルゴット エ バッチャーレ TEL:03-3406-8776
-
定休日/第1土曜、日曜、祝日
住所/東京都港区西麻布4-2-6 菱和パレス西麻布 1F
※上記は取材時の内容です。最新の情報についてはお店にお問い合わせください。
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- TEXT :
- 門前直子さん エディター・ライター
- EDIT :
- 安念美和子
- EDIT&WRITING :
- 門前直子