お風呂上がりに鏡を見たときやタイトなボトムスをはいたとき、自分のおしりが思っていたよりたれていてビックリ……なんて経験はありませんか? おしりは自分では見にくい場所だけに、ついケアを怠ってしまう人が多いかもしれません。しかし、おしりのエイジングは「一度進んだら元には戻りません」とワコール広報・宣伝部 宣伝・PR課の上沼孝子さんは言います。

タイトなボトムスを理想の引き締まったおしりではくためにも、エイジングが進む前からのケアが大切
タイトなボトムスを理想の引き締まったおしりではくためにも、エイジングが進む前からのケアが大切

放っておくわけにはいかないおしりのエイジング。その進み方やNG行動、からだに合ったショーツ選びのポイントを上沼さんに伺いました。

一度進んだら戻れない!おしりのエイジングの進み方と理由は?

30代が大きなスパイラルポイント!おしりのエイジングの進み方

女性の加齢による体型変化には、らせん(スパイラル)を描くような一定の法則があり、ワコールでは、これを「スパイラルエイジング」と呼んでいるそう。

「16~46歳までに 『3度の曲がり角=スパイラルポイント』があります。10代(16歳〜18歳)、20代(24歳〜26歳)、30代(37歳〜39歳)の3度のポイントを契機に、体型が大きく変化します」(上沼さん)

それまで「大丈夫」と思っていても、スパイラルポイントで大きく体型が変化する可能性も/画像提供:ワコール
それまで「大丈夫」と思っていても、スパイラルポイントで大きく体型が変化する可能性も/画像提供:ワコール

成人後、最大の体型変化が起こるのが、30代のスパイラルポイント。年齢だけでなく出産経験でも、からだは大きく変貌しますが、それよりもさらに大きな変化が、この時期に一気に現れるといいます。「今、大丈夫だから」ではなく、このポイントを迎える前からのケアが重要です。

また、おしりの加齢による変化には3つのステップがあり、進み方に個人差はありますが、年齢を重ねるとともにステップはひとつずつ進みます。一度エイジングが進んでしまったら前のステップへは戻りません。

3つのステップで進むおしりのエイジング。脂肪が下がってたれていき、一度ステップが進むと戻りません/画像提供:ワコール
3つのステップで進むおしりのエイジング。脂肪が下がってたれていき、一度ステップが進むと戻りません/画像提供:ワコール

おしりがたれる原因は、筋力の衰えによる内部の“ゆるみ”

おしりが加齢により変化する原因には、おしりの構造が大きく関係していると上沼さんはいいます。

「おしりは、『筋肉』と『脂肪』の間に『筋膜』があり、そこから伸びる『結合組織』が脂肪を支えています。筋力が衰えると、これらの組織同士の結合が弱まる内部の"ゆるみ"が生じます。この“ゆるみ”により脂肪がずれ下がることが、おしりが変形する要因と考えられます」(上沼さん)

結合組織の“ゆるみ”があると、例えば小走りのような日常生活でついやってしまう動きでもおしり全体が大きく揺れるようになります。この揺れがさらに結合組織をゆるませる可能性があるのです。

歩き方ひとつで違いが!日ごろからの心掛けで美尻をキープ

動くたびにおしりがゆるむなんて、一体どうすれば……。そこで、日ごろの対策を伺いました。

「美しいおしりを目指すには、筋肉をしっかり使いましょう。特別な運動より、毎日気軽にできるウォーキングが最適です」(上沼さん)

激しい運動よりも、ウォーキングがおすすめ。歩き方を意識するだけでも筋肉の使い方が異なります
激しい運動よりも、ウォーキングがおすすめ。歩き方を意識するだけでも筋肉の使い方が異なります

上沼さんによると、美しい体型を維持している人の多くに共通する、歩き方のポイントが3つあるそうです。

■1:歩幅が広い
■2:歩く速度が速い
■3:背筋を伸ばし、胸を張った姿勢で歩く

ただ歩くのではなく、歩き方を意識することで、よりしっかりと筋肉を使えます。

さらに、歩きをしっかりサポートする『機能性ボトム(ガードルなど)』をつけると、より体型維持に効果的だそう。おしりを美しく整えるのはもちろん、おしり全体を包んで揺れを小さくしてくれます。

「機能性ボトムには、丈の長さや着圧パワーにさまざまなタイプがあります。大切なのは自分のからだに合ったボトムを選ぶこと。キュッと締めつけて苦しいものという印象もあるかもしれませんが、からだに合ったボトムは苦しいこともなく、むしろ快適ですよ」(上沼さん)

ゴムのくいこみに要注意!サイズの合ったショーツで、おしりのエイジングケアを

「ショーツを脱いだらくっきりゴムの跡がついていた」なんて経験はありませんか? それは明らかにサイズ違い。ショーツがウエストやヒップにくいこむと、ピッタリした服を着たときにウエストやおしりにくいこみによる段差ができてしまいうこともあります。また、サイズの合わないショーツを着用し続けると、はきごこちが悪く、からだやメンタル面に少なからずマイナスな影響を与える可能性も。そこで、ショーツの正しいサイズの選び方を伺いました。

正しいショーツの選び方は、フィット感とはきごこちのよさがポイント

ショーツのサイズを測る場所は、ウエストとヒップの2か所。ウエストはリラックスした自然な状態で、ウエストの一番細い部分を水平に測ります。ヒップはおしりのふくらみの一番高い部分を水平に測りましょう。測るときに力を入れておなかを引っ込めたり、メジャーをギュッと絞ったりするのはNGです。

ウエストは一番細い「1」の部分を、ヒップはおしりの一番高い「2」の部分を水平に測ります
ウエストは一番細い「1」の部分を、ヒップはおしりの一番高い「2」の部分を水平に測ります

また、上沼さんによると、ショーツがからだ合っているか見極めるには、サイズだけでなくはきごこちの確認も大切だそう。下記5つのポイントをチェックしましょう。

・正しい位置で前後水平になっているか
・ウエストがゆるすぎたり、くいこんで段になったりしていないか
・ヒップ部分が余ってしまったり、たるんだりしていないか
・ずり上がってヒップ下部分が出ていないか
・クロッチ(股布)がくいこんでいないか

表示のサイズが合っていても、デザインによって自身の体型に合わなかったり、はいているうちにゴムや布が伸びて緩くなったりします。定期的に5つのポイントを確認し、少しでもからだに合っていないと感じたら早めに新しいショーツに変えましょう。

時間を巻き戻すのが難しいおしりのエイジング。自信のもてるおしりでこれからやってくる薄着の季節を迎えるためにも、気づいた今からウォーキングを始めたり、機能性ボトムを使ったり、持っているショーツのサイズを確認したりとおしりのエイジングケアに取り組んでみませんか?

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WRITING :
田代祐子
EDIT :
廣瀬 翼(東京通信社)