仕事や食事をするとき、きちんとした場面には必ずヒールを合わせる方が多いのではないでしょうか。しかし、ヒールを履いているとき、ふとショーウインドーに映る自分の姿を見てびっくり。「立ち姿や歩き方が自信なさそう…」なんて思った経験ありませんか? 

実はヒール着用時の立ち姿、歩く姿勢はちょっとしたコツで劇的に変化できるんです。

今回は現役モデルでありながら、モデル&ビューティースクール「sen-se(センス)」 代表である、歩き方のプロ・豊川月乃さんに美しく歩くコツをお伺いしました。

■ヒールを履くほとんどの人が「キレイに歩けていない」事実! 

基本的な知識があっても実はできていないのかも

「ヒールを履いている方は、膝で歩いてしまい、ひょこひょことした歩き方をしている人がほとんどと言ってもいいですね。猫背で肩が内側に入ってしまっている人もとても多いです」と豊川さん。

ヒール着用時の基本のひとつは、膝を伸ばして歩くこと。しかし年齢を重ねるごとに脚力の低下で重心がどんどん下がってしまうのを理由に、膝を曲げながら歩いてしまう癖がついている人が多いのだとか。

また、そのような歩き方は膝・腰が疲れやすくなってしまい、痛めてしまう原因にも。

「姿勢、歩き方の意識を変えるだけで、お腹のインナーマッスルやきれいな脚のラインをつくる内転筋が鍛えられて、どんどん姿勢が変わってきますよ」(豊川さん)

そこで、豊川さんに

・ローヒール(0〜5cm)のときの歩き方
・ハイヒール(8〜10cm)のときの歩き方

このふたつヒールでのきれいな歩き方をお伺いしました。

■腹筋に力が入っていますか?まずは姿勢からチェック!

美しく歩くにはまずは正しい姿勢から。あなたの姿勢をチェックしましょう。

撮影は豊川月乃さんのアシスタントで、ウォーキングインストラクターの資格もお持ちの方にご協力いただきました。

まずは壁に、
・頭
・肩
・腰
・かかと

の4点をぴったりくっつけて、まっすぐ前を見て立ってみましょう。

この基本の正しい姿勢をしてみて、腰と壁の隙間が5cm以内だったらOK。
拳が入るほど隙間ができている場合は、腹筋が弱まっている証拠なのだそう。

左が悪い姿勢、右が正しい姿勢です
左の背中に拳が入るほど隙間があいていると、腹筋が弱まっているかも。お腹の出っ張り方も違います。

もし背中の隙間に拳が入ってしまったら、腹部にグッと力を入れ、お腹を奥へしまうように意識しましょう。

まずはこのお腹の位置を覚えるのがポイントです。そして、お腹をへこませたあと、上へグッと持ち上げます。これがお腹の奥の筋肉、腹直筋を使っている事になります。

この上へ持ち上げた位置が、正しいお腹の位置になります。

正しい姿勢、お腹の位置がわかったところで、今度はローヒール(0〜5cm)の美しい歩き方を教えていただきました(分かりやすくするために写真のモデルはシューズなしで撮影しています)。

ローヒールは歩きやすさを重視して、姿勢や歩き方の意識を忘れがち。カジュアルな靴でも美しく見せるノウハウがあるのです。

■ローヒールのコツ1:かかとから歩くことを意識!

まずは足の開き方。日本人女性は知らずに知らずのうちに内股になっている人が多く、内股も姿勢を悪く見せている要因のひとつ。つま先の向きを意識することが重要です。

上が意識しないで歩いてるときの足元、下が正しい歩き方をしているときの足元です。

上は内股気味でべたっと床に足がついています。こうなるとペタペタ歩いている印象になってしまうそう。

下の画像のようにつま先を外側へ向けて歩きます。ただし、外側に向けすぎないように注意。そして、ローヒールのときは、かかとから地面に接地させることが重要です。

次に正しい姿勢と足元の立ち姿を見ていきましょう。

■ローヒールのコツ2:首の位置、肩の位置に注意。姿勢は基本をおさえて!

最初に確認した姿勢、「頭・肩・腰・かかと」の4点がまっすぐになっているか思い出しましょう。
背中が丸まっていないか、肩の位置が内側になっていないか。基本的なことこそ美しく見せる鍵です。

左は何も意識していないときの姿勢。右が正しい姿勢。

まず目に入るのは、胸の位置と腰の位置が高くなっている点。
また、左の写真と比較すると右はつま先がきちんと外を向いていて、スラッとスマートな立ち姿になっています。

横からも見てみましょう。

左は何も意識していないときの姿勢。右が正しい姿勢。

左は顎がつきだし、背中が丸くなっています。肩も内側に入ってしまい、自信がなさそうな印象に。

右は首の位置、肩の位置が正しい位置に収まっています。胸の位置が高く、よく見るとお尻の位置も上がっていますね。

ローヒールだから正しく歩けていると侮ってはいけません。歩き方ひとつでこんなにも印象が変わるなんて驚きです。

次にハイヒールで美しく歩くポイントをご紹介します。

■ハイヒールのコツ1:かかとから歩くのはNG! 

ハイヒール(8〜10cm)を履いているときの正しい歩き方を聞いてみると、実はかかとから歩くのではないそう。

つま先を下に向け、つま先とかかとを同時に着地させるのが美しく見える歩き方なんだとか。

かかとは床にほとんど接地させないような意識で、つま先を上に向けないのがポイントです。

ハイヒールはつま先とかかとを同時に地面へ着地させます。

上の画像がかかとからつけた歩き方。下がつま先が下を向いている美しい歩き方です。

ローヒールのときのようにかかとから着地をすると、ハイヒールではバタバタした、せわしない歩き方に見えてしまいます。しかし、このつま先からの歩き方、腹筋、背筋が足りていないと5分とモタないほどキツいんです。

「最初は横断歩道を美しく歩くことから始めてみるのもいいと思います。慣れてきたら最寄りの駅まで頑張ってみる。とにかく毎日どこかで意識して歩くこと。それが美しく歩けるようになるコツです」(豊川さん)

最初は難しくても日々意識することで、身についていくのだそう。

今まではかかとから地面へ着地し、カツカツ鳴らすのがかっこいい歩き方だと思っていたのに目から鱗。

かかとからではなくつま先から地面へ接地する意識で歩くことがローヒールとの大きな違いなのです。

■ハイヒールのコツ2:足元のポジションをより意識して!

ハイヒールでもつま先の向きは外側へ向けるよう意識しましょう。

つま先・足元のポジションを意識しましょう。

上がよく見かける内股の足元。下が正しいポジションの足元です。

立ち止まったとき、このつま先のポジションになるとキレイな立ち姿でいられます。

ハイヒール着用時、疲れてくるとやってしまいがちな内股。ローヒール着用時より顕著に姿勢が悪く見えてしまうので、しっかりと意識しましょう。

■ハイヒールのコツ3:お腹で身体全体を引き上げるようにしましょう

左は何も意識していないときの姿勢。右が正しい姿勢。

次に身体全体の立ち姿を見てみましょう。

こちらも肩の位置、胸の位置、腰の位置ともに上がっていて、同じ人だとは思えないほどシルエットが細く見えますね。

しっかりとお腹の引き上げを意識することがハイヒールでは特に重要です。

お腹を引き上げ、高い腰の位置で体重を支えるような意識をすると、脚にかかる負担が減り、疲れやすいハイヒールでも綺麗に歩くことができるそう。

ハイヒールで脚がすぐに疲れてしまう方は、基本姿勢のお腹の位置を保てていない場合が多いのです。

■ハイヒールのコツ4: 膝がカクカクしないよう注意

膝が前に出てしまうと、だらしない印象になってしまいます。横から見るとその差は歴然です。

左は何も意識していないときの姿勢。右が正しい姿勢。

左の写真のように膝がカクカク歩いている人、よく見かけますよね。写真を見比べると、胸元のニットの持ち上がり方も違います。

膝がカクカクしないように歩くには、

・頭から上に引っ張られるように意識する
・胸から下がすぐ脚だと思って、そこから前に出して歩くように意識する

この2点を意識するだけで、膝が自然と伸びやすくなるんだとか。1分だけでも意識をしてみましょう。

【まとめ】

ローヒール、ハイヒールの姿勢、歩き方いかがでしたか?

姿勢・歩き方のポイントを復習しましょう。

簡単にまとめると

1:基本姿勢を押さえ、かつ腹筋が上に引き上げられているかチェック
2:内股はNG、つま先は外側に向けるよう意識する
3:ローヒールの場合はかかとから地面に着地する
4:ハイヒールの場合はつま先を下げて、つま先とかかとが同時に地面へ着地する
5:ハイヒールもローヒールも膝を曲げず上に引き上げられているように意識する

となります。

ファッション、メイクがどんなに素敵でも、歩き方が残念だと見た目全体の印象も変わってしまいます。

「お洋服やコスメは買い変えるのが一般的ですが、美しい姿勢やウォーキングは一生モノ。姿勢が良くなり目線が上がると自然とポジティブな気持ちになって、自信に満ちあふれた印象にもなります」と豊川さん。

美しい姿勢は体も心もキレイに見せてくれます。早速、横断歩道を美しく歩くことからはじめてみませんか?

 
PROFILE
豊川月乃(とよかわつきの)さん
京都府出身。立命館大学卒業。モデル育成&女性のためのモデル&ビューティースクール「sen-se」(センス) 代表。現役モデル。メンタルコーチ。有名女優・トップモデルから、小学生や70代の女性まで、のべ2万人を指導する実績をもつ。その経験から美と健康の土台はココロにある事を実感し、コーチング・メンタルマネージメントを指導法に入れ始めた結果、『キレイになるだけで なく、人生が変わる学校』と評判。
https://sen-se.com/
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
高橋優璃
EDIT :
高橋優海(東京通信社)