デザインも美しく、足のラインをスッキリ見せてくれるヒール。気に入ったヒールがあればついつい購入してしまう人も少なくないのではないでしょうか。しかし、実際にそのヒールを履いて出かけてみたら…1時間後、「足が痛くてもう脱ぎ捨てたい!」といった失敗を経験することも多いですよね。「おしゃれは我慢」と言いますが自分の足にフィットしたずっと歩けるヒールが欲しいはず。

実はあなたのヒール選び、根本から間違っているかもしれません。

今回は足の治療と靴の製作を手がける「馬喰快歩(ばくろかいほ)堂 」所長で、足専門の理学療法士である三浦賢一さんにヒールの選び方を伝授していただきました。

■あなたの足の形で選ぶトウの形が変わってきます!

ヒール靴でよくある失敗のひとつに、

・足の指がすぐに痛くなってしまう

ことが挙げられます。三浦さんは、「女性の方で自分のつま先に合っているトウを知っている方はほとんどいないのではないでしょうか」と言います。

つま先に合っていないトウを選ぶと小指が当たって痛くなるほか、将来的に巻き爪や魚の目を発症してしまう可能性が非常に高くなるので要注意が必要です。

人間のつま先は大まかに「スクエア型」「ギリシャ型」「エジプト型」の3つのタイプに分けられ、そのタイプごとに合うトウがあるそう。まずは自分の足がどんなタイプなのか、どんなトウが合うのかをチェックしましょう。

左から「スクエア型」「ギリシャ型」「エジプト型」のつま先

指の長さが横にまっすぐなスクエア型の場合

「足の指の長さが一直線の方、この方はトウの形選びにすごく苦労します。ラウンドしているトウを選んでしまうと親指と小指が巻き込まれて指と指の間に負担がかかってしまい、魚の目ができてしまいがちなんです。足の指が綺麗にトウの中に納まるスクエアトウの靴がオススメです」(三浦さん)

スクエアトウの靴

人差し指が長いギリシャ型の場合

「人差し指が親指より長い方、この方はつま先が尖っているトウを選ばないと人差し指がトウに当たってしまいます。ラウンドトウやポインテッドトウなど、つま先が長いトウの靴を選んであげましょう」(三浦さん)

ポインテッドトウの靴

親指が一番長いエジプト型の場合

「親指が一番長く、小指に向かって短くなっている方、この方は足の形とトウが平行になっているものを選んであげるといいですね。オブリークトウというエジプト型の足と同じような形のトウが一番足を痛めづらいと思います。もしくはラウンドトウでもOKです(三浦さん)

オブリークトウの靴

あなたのつま先はどのタイプに当てはまりましたか?

次に、足が痛くならないもうひとつの計測方法もチェックしていきましょう。

■あなたの親指の厚さは何cm?指の厚みで履けるトウが違う!

ヒールを履いているとき、

・親指が痛くなってしまう

人も多いですよね。もしかするとあなたの指の厚みとパンプスの厚みがあっていないのかもしれません。

厚みの測り方は、床に定規を当ててそれをスマートフォンで撮影したのち、撮影した画面で厚みが何センチかを見ます。

親指の厚みは自宅で簡単にチェックできます

女性は足の親指の平均は25〜6mm。この平均をもとにパンプスの厚さはおおよそ27mmでつくられているんだとか。

しかし、親指が痛くなってしまう人は35mm程度の厚さがある人が多いそう。そうすると平均的27mmの厚さでつくられているパンプスに対して、35mmの厚さのある親指を無理やりねじ込んでいることになるので、痛くなってしまうのは至極当然ですよね。

お店でつま先の厚みを定規で測るのは難しいですが、他の靴と見比べてみて、薄いものは避けた方がベターかもしれません。

少し厚みのあるタイプが履きやすくなります

自分のつま先タイプ、親指の厚さが分かったところで、次はヒール靴を買うときの選び方をチェックしていきましょう。

■ヒールを買うときのチェックポイント!

「価格の安い・高いや生産国に関係なくお店に並んでいる靴で完璧につくられているものは少ないんです」と、衝撃の事実が。

「きちんとつくられていない靴を履いていると指が痛くなったり、歩く向きを自然と誘導され、正しい歩き方ができなくなります。3つのポイントをチェックしてから購入して欲しいですね」(三浦さん)

このチェックポイントはローヒール、ハイヒール問わずどんな靴でも共通のチェック方法なんだとか。三浦さんにお店でヒールを買うときにチェックすべき3つの項目を教えていただきました。

チェック1:かかとのセンターシーム

かかとのセンターシームという縫い目が直線のものを選んでください。かなり多くの数の曲がったセンターシームの靴が流通しているんですよ。曲がっているとヒールがまっすぐ付いていないので、きちんとした姿勢で歩けなかったり、足がすぐ痛くなってしまいます」(三浦さん)

左はセンターシームが曲がっているもの、右はまっすぐなもの(筆者私物)

こちら、筆者の私物ヒールをチェックしてみたところ、センターシームが湾曲している靴(左)を発見。こういったものは選ばないよう、まっすぐの靴(右)を選ぶように注意をしましょう。

チェック2:トップリフトがまっすぐつま先を向いているか

「ヒールを買う前に、靴を裏返してみましょう。ヒールの先端に付いているトップリフトがきちんとつま先に向かってまっすぐ向いているものを選んでください。少し斜めについているものは、トップリフトの向きに自然と誘導されて、正しく歩けなくなり、足が痛くなりがちです」(三浦さん)

かかとのトップリフトが曲がっているヒール靴(筆者私物)

こちらはトップリフトが曲がっている筆者私物。本来ならばトップリフトが青線の方向に向いているべき箇所なんです。買う前にくるっと裏返し確認してみてくださいね。

チェック3:靴に隙間があればアウト! かかとをつけて確認

ヒール靴をまっすぐ両足つき合わしたときに、靴底が開いてしまうものはNG。きちんと作られるものは両足がペタッとくっつきます。数mmの誤差でも歩くときに足へダメージを与えてしまい、歩きやすさが全く変わります。家にある靴で試して開いてしまうものがあれば、お直し屋さんに誤差分の厚さの裏貼りをしてもらうだけでも変わりますよ!」(三浦さん)

靴底が合わないヒール靴の例(筆者私物)

このように開いてしまう場合は土台からいい作りの靴ではないそうです。買うときに片足だけで判断してしまう人も多いですが、必ず両足出してもらいましょう。

【まとめ】

自分にあった靴を選ぶための第一条件は、

自分のつま先にあったトウの形を知ること

ヒールに慣れていない人も慣れている人もまずは自分のつま先にあったトウ選びから始めましょう。

そして靴を買うときにチェックすべきポイントをまとめると

1.かかとのセンターシームがまっすぐかどうか

2.ヒール先端のトップリフトの向きがつま先に向かってまっすぐ向いているか 

3.ヒールの突き合わせたときに、靴底がぴったりと接地するか 

知っているようで知らないことが多かった靴の選び方。

まずあなたの靴箱に眠っているヒールをチェックしてみてください。もしすべてに当てはまっていなければ、勇気を出して断捨離するのもいいかもしれません。そしてあなたにぴったりのシンデレラシューズを探してみてはいかがでしょうか。

三浦賢一さん
足と靴専門の理学療法士
(みうら けんいち)高校時代に足やひざの慢性的な障害に苦しみ、「足から全身の健康を見直す」ことを提唱するために医療の道へ。足の治療と靴の製作の馬喰快歩堂所長。足靴総合研究所所長。NPO法人オーソティックスソサエティー理事。一般社団法人日本ソーシャルウォーク協会理事。

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WRITING :
高橋優璃
EDIT :
高橋優海(東京通信社)