今回、オートクチュールのパリコレおよびハイジュエリー発表会で最も話題だったのが、GUCCI(グッチ)によるハイジュエリーのファースト コレクション発表と、初のファインジュエリーおよびハイジュエリーのショップがヴァンドーム広場にオープンしたことです。

デザインを手がけたのはアレッサンドロ・ミケーレ。祖母がジュエリーのコレクターだったために影響を受け、ジュエリーへの情熱とポエティックなビジョンをもつアレッサンドロは、12世紀の百科事典から命名されたグッチ初となるハイジュエリーコレクション「ホルトゥス デリキアルム(悦楽の園の意味)」をパリ7区にある貴族の邸宅だった由緒ある建物内で披露しました。

神話のなかの庭園をイメージした、グッチ初のハイジュエリーコレクション

200点以上のジュエリーからなるこのファースト コレクションは、ハニーインペリアルトパーズ、ブラッシュローズトパーズ、ベルベットグリーントルマリンといった色とりどりのジェムストーンが彩り、神秘的な庭園のようです。

折衷的で幻想的なアレッサンドロのビジョンと響き合い、彼が愛してやまないモチーフやグッチというブランドを物語るコードやシンボルを用いてデザインされています。

宗教的なモチーフでもあるハート型のジェムがついたリング。
宗教的なモチーフでもあるハート型のジェムがついたリング。
動物も重要なモチーフ。
動物も重要なモチーフ。
ライオンがオパールをくわえた見事なブレスレットやライオンモチーフのリング。
ライオンがオパールをくわえた見事なブレスレットやライオンモチーフのリング。
草木をモチーフとし、3つのオパールを効果的に使った壮麗なネックレス。
草木をモチーフとし、3つのオパールを効果的に使った壮麗なネックレス。

ほとんどが1点もので、神話の中の庭園をイメージした3つのチャプターで構成されています。

ひとつ目のチャプターは、ハートなど永遠の愛を表す古典的なシンボルにオマージュを捧げています。ふたつ目は、ライオンなど威厳にあふれた動物の王国への讃歌で、神話に登場する霊獣や古代の動物相を描き出しています。最後のチャプターでは、ひと粒の魅力を最大限に引き出し再定義したソリテール ジュエリーを中心に展開されています。

グリーンアクアに包まれた、宝石箱のようなショップがヴァンドーム広場に誕生

また、ファースト コレクション発表と同時に、ヴァンドーム広場16番地に新しくハイジュエリーのショップをオープン。決して大きくはないのですが、グリーンアクアのサテンやアンティークミラーに包まれ、まるで宝石箱のように秘密めいています。

店内の手前にはジュエリーが陳列してあり、奥が接客ルームです。
店内の手前にはジュエリーが陳列してあり、奥が接客ルームです。
通路を通ってグリーンアクアのカーテンがかかる奥の接客ルームへ。オリエントエキスプレスのコンパートメントのようです。
通路を通ってグリーンアクアのカーテンがかかる奥の接客ルームへ。オリエントエキスプレスのコンパートメントのようです。
店内の壁に組み込まれたディスプレー。
店内の壁に組み込まれたディスプレー。
ディスプレー内で、美しく輝くハイジュエリー。
ディスプレー内で、美しく輝くハイジュエリー。

ハイジュエリーの場合、素材の供給源や流通過程が気になりますが、環境と人に配慮したビジネスを推進する世界屈指のケリング グループのプロダクトは安心です。

コンプライアンスを遵守し、グッチがジュエリーのために購入するすべてのゴールドは、RJC:Responsible Jewellery Council(責任ある宝飾品業のための協議会)からのCOC(加工・流通過程の管理)認定を得ており、産地を特定し責任ある供給源であることが保証されています。また、フェアトレードも推進しています。

他メゾンのジュエリーにはあまり見ないカラーリングを提案している、グッチのハイジュエリー。ファッションとのリンクも楽しみですね。

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この記事の執筆者
某女性誌編集者を経て2003年に渡仏。東京とパリを行き来しながら、食、旅、デザイン、モード、ビューティなどの広い分野を手掛ける。趣味は“料理”と“健康”と“ワイン”。2013年南仏プロヴァンスのシャンブル・ドットのインテリアと暮らし方を取り上げた『憧れのプロヴァンス流インテリアスタイル』(講談社刊)の著者として、2016年から年1回、英語版東京シティガイドブック『Tokyo Now』(igrecca inc.刊)を主幹として上梓。