新しいつくり手たちの逸品「スパークリングワインの新名品」
さまざまな製造方法があり、世界各地でつくられているスパークリングワイン。
「従来の常識をくつがえす、『あらたな』つくり手たちの挑戦を楽しむおもしろさがある」という、ワインジャーナリスト・斉藤研一さんが厳選した、スパークリングワイン6本をご紹介します。
■1:今、世界中から最も注目を集めるカリフォルニアの逸品
マイケル・クルーズ「ウルトラマリン ブラン・ド・ノワール2014」
新潮流といわれる、カリフォルニアワインの最前線を行く「マイケル・クルーズ」。
「人気のウルトラマリンでも、こちらは黒ブドウのみを原料に使った、ブラン・ド・ノワールらしい厚みのある味わいです。
クリーンでフルーティ、香りにもニュアンスがあって、その複雑さが心地よい。どっしりしているけれど重くなく、アメリカのなかでも、突出したレベルのスパークリングワインだと思います。
セロスやプレヴォーのファンというだけあって、クルーズは伝統的な技術でのブドウづくりにこだわり、カリフォルニアのテロワールを表現しようとしています。そのアプローチが感じられる一本です」(斉藤さん)
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■2:新スペインらしいスタイリッシュなボトルが目を引く、洗練のカバ
アルタ・アレーリャ「ミルジン・エクセオ ブルット・ナトゥーレ・グラン・レセルバ」
スペインを代表する発泡性ワインのカバ。19世紀後半、醸造家ホセ・ラベントスがシャンパーニュ地方で学び、スペインでスパークリングワインをつくったのが始まり。
「シャンパンに比べて価格面は抑えられていますが、品質は非常に高い。こちらのスパークリングは、オーク罇で熟成させた原酒を使い、きめ細かい泡と、フレッシュな果実味、深い味わいのバランスが絶妙です。
バルセロナからほど近い海岸沿いにある、アレーリャのテロワールに根ざし、非常にていねいにつくられていることがわかります。
従来の、ある意味フレンドリーなカバのイメージを乗り越えようとする、つくり手の意志を感じる一本です」(斉藤さん)
問い合わせ先
- ラヴニール TEL:03-6457-5982
■3:精緻な加工技術を生かした甲州ワイナリーが手がける、初のスパークリングワイン
マグヴィス「POSH K538 2017年 GI Yamanashi」
2017年春、山梨県甲州市にオープンしたワイナリー。
「『マグヴィス』を手がける塩山製作所は、スマホなどに組み込む半導体加工メーカーです。そこで培われた精緻な技術や設備、体系化されたワインづくりがおもしろく、品質の高さに驚きます。
日本の固有品種『甲州』を使い、テロワールの個性を生かして、世界で勝負したいという気概が感じられます。
ワイナリー初のスパークリングワインは、2017年ヴィンテージを3年熟成。ほのかな酵母の香りと、シャープな酸のバランスがよく、スケール感のある仕上がりです」(斉藤さん)
問い合わせ先
- いまでや銀座 TEL:03-6264-5537
■4:ナチュールが盛んな、フランス・ロワール地方の辛口ペティアンのロゼ
レ・カプリアード「メトード・アンセストラル ペット・セック」
「シャンパンばかりが注目を集めますが、フランス各地でも多様なスパークリングワインがつくられています。
ロワール川流域で、自然をリスペクトするビオロジック農法でブドウを育て、醸造も限りなくナチュラルに、というつくり手によるこちらは、体にしみ込むような優しい泡立ちのペティアン(弱発泡酒)。
ペティアンといえば甘口が多いなか、キリリとした辛口で、アペリティフや、食中酒、デザート時までカバーできる万能さがあります。爽やかでありながら、プラムやイチゴのほのかに甘ずっぱい味わいも楽しめ、特に女性におすすめです」(斉藤さん)
問い合わせ先
- ヴァンクゥール TEL:03-5280-3001
■5:フランチャコルタ最高峰ワイナリーのトップ・キュヴェ
ベラヴィスタ「フランチャコルタ・リゼルヴァ ヴィットリオ・モレッティ」
イタリア・ミラノの北東に位置するフランチャコルタきっての名門ワイナリー、「ベラヴィスタ」。ミラノ・スカラ座のオフィシャルサプライヤーにも選ばれています。
「自社畑で栽培されたブドウのみを使用し、収穫や熟成期間の動瓶など、すべて手作業で行っています。特に優れた年にしか生産されない、貴重なプレステージ・キュベがこちら。
設立から40年の間で、まだ9回しかつくられていません。シャンパン特有の余韻の長さに対し、スッキリとしてキレがあり、それでいて熟した果実のジャムのようなアロマがなんともエレガント」(斉藤さん)
問い合わせ先
- エノテカ TEL:0120-81-3634
■6:高品質のシャンパンに匹敵、ドイツ・ゼクト専門醸造所のエレガントな名品
ラウムラント「プレステージ ブラン・ド・ノワール」
ドイツのスパークリングワイン消費量は世界一。他国からの輸入もありますが、自国のスパークリング「ゼクト」の品質向上には目を見はるものがあります。
「ワインの銘醸地、ダルスハイム村にある『ラウムラント』は、ゼクト専門醸造所。1990年に創業、当主のフォルカー・ラウムラントはゼクト界の第一人者です。
ピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネというシャンパーニュ品種を栽培、すべて自家栽培・自家醸造。ピノ・ノワール100%、瓶熟7年のこちらは、しっかりとした骨格と厚みがありながら、繊細さとエレガントさも兼ね備えた一本」(斉藤さん)
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※掲載した商品は、すべて税抜です。
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- PHOTO :
- 川上輝明
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、佐藤友貴絵(Precious)