【目次】
正しい洗顔「4つの心得」
【1】「洗顔」=肌に不要なものを優しく落とすこと

洗顔のアドバイスを。排気ガスや花粉、たばこの煙などに加わり、近年、PM2.5や黄砂など微細な汚れが空中に漂っているため、肌を取り巻く環境は負担が増すばかり。これらの不要な物質が肌上に残っていると、肌内部に炎症性の物質を放出させ、肌トラブルの引き金になってしまう危険をはらんでいるのです。しかも、肌トラブルだけでなく、老化を引き起こす要因とも。毎日のクレンジングや洗顔で必要となってきているのは、メイクや皮脂汚れを落とすだけでなく、これらの不要な物質までもきちんと落としてくれる高性能なアイテムです。肌に優しい優秀な高機能クレンジングと先進の洗顔料で、ぜひケアをしていってくださいね。
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【2】洗顔は皮脂の多い「Tゾーン」から洗う
CMの影響からか、頬から洗うのがクセになっているという方が多いよう。「洗顔は、皮脂分泌の多いTゾーンから洗うのが鉄則です。なぜなら、脂分を落とすのがいちばん大変なので、ほかの部位が洗い終わるまで泡をのせておいても肌への負担が少なくてすみます。皮脂腺のほとんどない頬は乾燥しやすいので、なるべくササッと洗いたいもの。泡のクッションの上から優しく洗って、こすらないようにだけ注意してください」(友利さん)。
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【3】大人の洗顔は「角質ケア」を意識する

Tゾーン(写真の青線部分)をしっかり洗うクセはついていても、ほかは適当、という人が少なくないのでは? しかし、大人肌は、角質が全体に溜まりがち。それだけでは不十分なんです。ゴシゴシと擦る必要はありませんが、頬やUゾーンもきちんと意識して洗いましょう。たるみ始めた大人の毛穴は、額は下へ、それ以外の場所は斜め下に向いているので、たっぷりの泡を下から上へ行き渡らせることがポイントです。
【4】手で触れない、こすらない。泡を肌と手でサンドして転がす
指先でこするのは刺激になるので、人差し指、中指、薬指の第三関節まで使うこと。さらに1mm程度浮かして泡を転がすのが正解で、肌に指が触れなければ、スピーディに手を動かしてもOK。手早く汚れを引き出しましょう。
そして洗い流しは32〜36℃のぬるま湯が正解で、このときも手でこするのは厳禁だし、シャワーを直接顔に当てるのもNGです。正しい洗顔をすれば、つっぱることなく肌はふかふかに整い、保水力もアップします。
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正しいクレンジング「アイテム別3つのメソッド」
【1】「クレンジングバーム」で負担をかけずにクレンジング
スキンケアのなかで、最も肌の負担となるのが、クレンジングと洗顔です。特にクレンジングは、落とし方によって、肌へのダメージが変わってくるもの。なので、正しい落とし方を今一度、ここでしっかり確認しておきましょう。落とし方の基本は、メイクをしっかり浮き上がらせることです。ゴシゴシするのではなく、桃の表面をなでるかのように優しく、肌に触れるか触れないかくらいの力加減で行います。ここでもうひとつポイントとなるのが、なじませる時間です。短すぎてもメイクがきちんと浮き上がらないですし、長すぎてもメイク汚れがずっと肌上にあることになり、どちらも肌にとっては負担に。時間は1分くらいが目安です。
そのほか、洗い流すタイプは、しっかりと乳化させてから流すと、ベタつきがなく、すっきりと落とすことができます。拭き取りタイプは、こすらないように、優しく拭き取るように心がけましょう。上手にメイクが落とせると、それだけで透明感がアップしてきます。
肌がしっとり、くすみも解消する「クレンジング」【10STEP】
\はじめに「アイメイクをオフ」/
<STEP.1>アイメイクをオフするためにパールひと粒分を手にとる

<STEP.2>指の第2関節までにのばし広げる


<STEP.3>目元にのせて優しくクルクルとなじませる

<STEP.4>濡れコットンでいったん、優しく拭き取る


\次に「顔全体をオフ」/
<STEP.5>全顔用にさくらんぼ大を手にとる


<STEP.6>目元以外の顔全体にのせる

<STEP.7>小さくクルクルさせながらメイクとよくなじませる

<STEP.8>小鼻は上下に小さくスライドさせる


<STEP.9>フェースラインも忘れずにのばしてなじませて

\最後は「クレンジングバームをオフ」/
<STEP.10a>[洗い流すタイプ]よく乳化させてから十分に洗い流して


<STEP.10b>[拭き取りタイプ]ホットタオルでこすらないように優しく拭き取る



肌がしっとり、くすみも解消!クレンジングバームの使いこなし術10ステップ
【2】「クリームクレンジング」で行う、拭き取りクレンジング
ひたすら美容成分を送り続けながら、肌をクリーンナップすることができる。それが、クリームタイプのクレンジングの魅力! 実は、そのメリットを生かしながら、冬の肌を一気に回復へと導く秘策があるのです。それは、あえて洗い流さずに「拭き取る」、メイクオフをしながらの「マッサージ」という、ふたつの技ありクレンジング術。乾燥により機能が鈍ってしまった肌を、代謝を上げて一気に蘇らせる秘策をご紹介します。
自ら潤う肌に鍛える「拭き取りクレンジング」【4STEP】
ひとつ目の秘策は、クレンジングの際の仕上げの「拭き取り」。汚れとともにクリームを一気に洗い流すほうが簡単ではあるけれど、ぬるま湯を含ませたコットンで拭き取る方法を選ぶのは、肌に美容成分と潤いを押し込めるのが狙いです。拭くことで余分な角質も取り去ることができ、温感作用により肌は見違えるほどふっくらと復活。このクレンジング法は、いうなれば代謝を促すための「フィットネス」のようなもの。動きだした肌は自ら潤う力を獲得し、冬に負けない肌へと育っていくのです。
<STEP.1>リムーバーなしでメイクを絡め取る、綿棒を使ったプロの技!
・クリームタイプは、クレンジング力が高いためポイントメイクを落とすことも可能。
・肌当たりの優しい太めの綿棒にとり、ラインやマスカラを絡め取るよう落とすという、プロの技を拝借しましょう。

<STEP.2>摩擦で肌が荒れないよう、使う量は適量よりも少し多めに
・例えば、適量がアーモンド大だとしたら、その1.5倍は使いたいもの。
・マッサージを兼ねたクレンジング法だからこそ、手と肌の間でクッションとなる少し多めの量が必要なのです。

<STEP.3>落とし忘れやすい小鼻や生え際は、クリームを継ぎ足してたっぷりと
・肌が乾ききっていると、マッサージの間にクリームが吸収されてしまうことも。
・そこで必要となるのは、途中でのクリームの補給です。
・特に、汚れが残りやすい小鼻や生え際は、重点的に継ぎ足していきましょう。

<STEP.4>両手を使って、ぬるま湯を含ませたコットンで優しく拭き取る
・大判のコットン2枚にぬるま湯を含ませたら、それを両手に持ち、左右同時に拭き取っていきます。
・圧をかけすぎて、肌を引っ張らないように注意して。
・目周りのデリケートなゾーンは、片方のコットンで肌を軽く押さえながら、もう片方でそっと拭き取りましょう

クリームタイプの特質を生かした「メイクオフ&マッサージ」【4STEP】
ふたつ目は、クレンジングの際に「マッサージ」を行うこと。何しろ、上質のクレンジングクリームは肌に摩擦を与えない配慮から、なめらかなテクスチャーを採用しています。それがクッションの役目を果たしてくれるので、マッサージにも適役なのです! 代謝がアップして肌が温まると汚れが奥から浮き上がり、美容成分の浸透はよりスムーズになる、という好循環も生まれます。

<STEP.1>
小鼻脇からこめかみに向かって小さな円を描きながらマッサージ。口角からこめかみにかけても同様に。
<STEP.2>
あごの中心からフェースラインを通り、耳の下へ、クルクルと小さな円を描きながら上昇。ファンデーションが残りやすい、あご下、首との境目も忘れずに。
<STEP.3>
眉間から髪の生え際へ向かってすり上げるようにマッサージしたら、次に額の中心からこめかみへと小さな円を描く。
<STEP.4>
耳下から鎖骨へ、すり下ろすように手を動かす。マッサージで動いた老廃物を、鎖骨のリンパへと流してフィニッシュ!
メイクオフとともに、美容成分によるスキンケアもかなうクリームタイプのクレンジング。その一石二鳥の特性を生かしたふたつのクレンジング術で、乾燥に負けない「潤い美肌」が手に入るのです。
【3】「ポイントメイクリムーバー」でいっさい触れずにアイメイクを落とす
アイメイクはリムーバーを含ませたコットンで“こすり落とす”と思っていませんか? それがシワのもと。対策はコットンの持ち方の見直しを。人差し指と中指、薬指と小指でコットンの端を挟み、中指と薬指を開くのが基本。そして指がまぶたに触れないように当てるのがコツで、のせて3秒おくだけでスルッと落とせます。残ったマスカラは綿棒で除去を。
【プロに習うメイクの落とし方の極意】スキンケアの成果は落とし方で9割決まる?乾燥を招くのは方法を間違えていたから?
クレンジング&洗顔の「5つの落とし穴」
スキンケアを始めたころから、なかなかアップデートされないのがお手入れ法。しっかりスキンケアをしているのに、なかなか肌がきれいにならない…という場合、もしかしたら「落とし穴」にハマっているかもしれません。間違ったお手入れをしていると老化を進めてしまうので、今すぐチェックを!
【落とし穴1】お風呂で温まりながら、クレンジングするとよく落ちる
Answer:せっかくのクレンジング力が、落ちてしまう可能性が!
「お風呂というと、スチーマーと同様に毛穴を開いて奥の汚れまで落とせるというメリットを感じられているのかもしれません。ですが、クレンジングの中には水分に弱い成分があり、お風呂の中で使うとクレンジング力が落ちてしまうことがあります。そのため、お風呂での使用は、残念ながらおすすめできません。お風呂で温まりながらではなく、冬などはクレンジング剤を手のひらで温めてからなじませるほうが効果的でおすすめですよ」(山川さん)。
【落とし穴2】クレンジングついでに、マッサージで一石二鳥
Answer:かえって乾燥などの肌ダメージが起こります(山川さん)
「落とすケアと与えるケアは別物と考えるのがスキンケアのセオリーです。なので、クレンジングとマッサージを同時に行うことは本当におすすめできません。なぜなら、マッサージを同時に行ってしまうと、こすりすぎなどの刺激を与えてしまううえ、肌の中の潤い成分など、必要なものまで落としてしまうため、かえって肌を乾燥させ、ダメージに。マッサージはエイジングケアとして、とても有効なので、クレンジング後のきれいな肌で行って」(山川さん)。
「え、間違いなの?」クレンジングの落とし穴と正しいケア方法4選
■摩擦を最小限に抑えるクレンジングの姿勢
クレンジングクリームやバームは厚みのあるなめらかな質感なので、つい力を入れてマッサージしたくなりますが、その刺激がたるみの原因に。力が入らないようにするためには、手先だけを動かすのではなく、肘を動かすのがポイント。さらに手は肌から1mm浮かすつもりで、クレンジング剤を揺らすようにメイク汚れをなじませればスッキリと落とせる。
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【落とし穴3】クレンジングオイルは、肌に負担だから使わない
Answer:オイルタイプは摩擦が少なく、実は肌に優しいんです(友利さん)
「クレンジングオイルは肌に負担だと思われている方が多いのですが、実はそんなことないんです。肌にとって摩擦刺激がいちばんよくないのですが、オイルは滑りがよく、摩擦が起きにくいという特徴があります。メイクを取り去るという意味では、オイルでもミルクでもクリームでも一緒です。しかも、メイク汚れは油性のものがほとんどなので、フルメイクをされる方にとっては、オイルタイプだとスピーディに汚れが落ち、よいと思います」(友利さん)。
【落とし穴4】ノーメイクの日は、クレンジングの必要なし
Answer:下地やUVカット剤を塗っていたら、クレンジングは必須(山川さん)
「ご自身の皮脂のみならば、洗顔料だけで十分に落ちますが、下地やUVカット剤、朝用クリームなどを塗っている場合は、ノーメイクであってもクレンジングが必須となります。目安としては、お使いのアイテムにSPFやPA値が表示されているかどうか。これらの値がある場合はクレンジングが必須と覚えておいて」(山川さん)。部屋にいても窓を通過する紫外線の影響もあり、ノーメイクといえどUVカット効果のあるアイテムを使う人が多いのでご注意を。
「え、間違いなの?」クレンジングの落とし穴と正しいケア方法4選
【落とし穴5】朝の洗顔は、ぬるま湯のみ
Answer:寝ている間の皮脂やスキンケアの油分は、ぬるま湯だけでは落ちません(友利さん)
「年齢とともに皮脂の分泌量は減ってくるものですが、それでも寝ている間に皮脂は少なからず分泌されているもの。さらに、夜に塗ったクリームなどの油分が、時間の経過とともに酸化した状態で朝の肌の上には残っています。これらの油分はぬるま湯だけでは落ちません。そのため、朝は洗顔料を使って洗うことが必要に」(友利さん)。乾燥が気になる場合は、保湿成分が配合された洗顔料を使うのも一案です。
朝洗顔や順番の見直しを! 意外と知らない正しい洗い方と、おすすめ洗顔料2選
- TEXT :
- Precious.jp編集部