顔に動物? と思った人も多いかもしれません。ですが、カバのように顔がだんだんと四角く大きくなり、ブルドッグのようにほうれい線ができる…そんな動物化のサインはたるみの仕業なのです。

顔にひそむ動物についてお届けした前回に引き続き、今回はどうして顔が動物化するのか?まだまだ知られていない「たるみの真実」についてご紹介します。

まだまだ知られていない「たるみの真実」

顔が四角くなる「カバ輪郭」、上まぶたが年々重たくかぶさってくる「ラクダまぶた」、頬から口元にかけて厚みのあるシワが寄ってくる「ブルドッグほっぺ」、あご下のたるみが気になる「ペリカンあご」。

たとえば、ほうれい線やゴルゴラインは、シワだと思っている女性がまだまだ多いけれど、実はコレ、たるみです。そのほかにも、たるみがどう起こっているのか、どうケアすればいいのかなど、まだ知られていないことが。そこで今回、しっかりと解説していきます。

■1: 年齢をいちばん感じさせる変化は、シミではなく、「顔のフォルム」です!

もしひとつ、「肌悩みをなくすことができます」と提示されたら、多くの女性は目立つシミをキレイに消し去りたいと思うことでしょう。でも、実はシミなどの色ムラよりもたるみなどの形状変化のほうが目立つのです。なぜなら、シミはコンシーラーなどでカバーすることができますが、たるみはカバーしきれません。

しかも、シミなどは自分が気にしているほど他人には見えていないことも。顔のフォルムがたるむと、否が応でも年齢を感じさせるもの。こちらのほうが、本当は重大な問題なのです。

■2: たるみは、真皮の老朽化と「脂肪なだれ」が要因!

たるみは、知らず知らずの間に進行しているものなので、気づいたときには大ごとに! なぜなら、最初の変化が微差だからです。初めは、ハリと弾力を司る真皮のコラーゲンやエラスチンが脆くなったり、産生量が減ってきたりすることから、たるみが少しずつ進行。

一気にくるのは、脂肪がついてきて支えきれなくなり、肌内でなだれが起きてから。真皮のコラーゲンやエラスチンの生成力を高め、脂肪をためないことが、たるみの悪化を防ぐ最大のコツに。

■3: たるみにも2タイプあり!「 もっさりたるむ派」と削げてたるむ派

たるみといっても、すべての女性にブルドッグのようなほうれい線やゴルゴラインができるわけではありません。脂肪が徐々に増え、もっさりとたるんでいくタイプのほかに、やせていき、頬がこけてシワっぽくなって、削げてたるむタイプもいます。

こちらのタイプは、目鼻立ちがクッキリしていて、彫りの深い人に多いのが特徴です。太ってもやせても、どちらにせよ、顔はカバのように四角く大顔になっていくのは同じ。年齢とともに、たるみケアは平等に必須なのです。

■4: 「表情筋」を鍛えても、たるみ改善への効果は少しだけ

筋肉の衰えに、年齢はあまり関係ありません。筋肉はいくつになっても鍛えられるもの、というのが定説。では、なぜ衰えてしまうのかというと、筋肉を使っていないから。筋肉を動かさないと血流が悪くなり、肌に栄養分が巡らなくなるので、老化の要因に。

ですが、表情筋を鍛えたからといって、劇的にたるみが改善するとは限りません。筋肉の上に乗っている脂肪なだれや真皮の老朽化が立て直せていなければ、たるみの改善分も少ないということに。

■5: 実は、シワも「たるみの一種」です

ほうれい線やゴルゴラインなどは、「線」や「ライン」という言葉が入っているからか、シワだと思われているようですが、これは歴としたたるみなのです。重力に従い、下に脂肪が落ちてきたことで皮膚がヨレ、その部分がシワとなって現れているもの。

つまり、たるみによるシワなのです。浅いほうれい線であれば、シワケアのコスメでもケアできますが、根本改善にはたるみコスメでのケアが必須に。一緒に使うと、解消への近道といえるかもしれません。

■6:「 他人目線」のほうが10歳老けて見られています!

自分で鏡を見るとき、自然と「いちばんキレイに見える角度」で見ていることをご存じですか? 決まった位置しか見ていないことが多く、自分ではたるんでいる部分を見過ごしている可能性があるのです。

たとえば、不意に撮られた写真やビデオを見て愕然とした経験はありませんか?他人からはあらゆる角度から見られているもの。よくよく確認しておかないと、ペリカンあごになっていたり、ブルドッグほっぺになっていたりすることが。今の状態をしっかり把握することもケアのひとつです。

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いかがでしたでしょうか? 次回は、「ブルドッグほっぺ」撃退コスメをお届けします。お楽しみに!

ILLUSTRATION :
石田敦子
EDIT&WRITING :
長田和歌子、佐藤友貴絵(Precious)