新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年4月7日に政府より緊急事態宣言が発令されるなど、日本はもちろんのこと世界中がかつてない危機に直面し、予断を許さない日々を過ごしています。

このような状況下で、外出自粛の要請やテレワークの促進といった新型コロナウイルスの感染拡大防止策によるライフスタイルの変化は、人々の身体状態にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。

AI管理栄養士が食事・運動・睡眠などの生活習慣をサポートしてくれるアプリ「カラダかわるNavi」を提供するリンクアンドコミュニケーションは、アプリのユーザーを対象に、体重・歩数・運動の項目ごとに身体状況および健康行動の変化を分析し、調査結果をまとめました。本記事ではその内容をご紹介します。

新型コロナウイルス感染拡大による「コロナ太り」の実態とは?

■1:○○をしていない人は「コロナ太り」しやすい!?ダイエットの成果が現れにくいワケ

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【図1】体重の変動の比較(n=2020年 16,857人、2019年 11,552人)

こちらは、1月の4週目を基準として、2月以降の体重の増減を調査し、2019年と2020年のデータを比較したグラフです。

ユーザーの約75%は、アプリを使用する目的にダイエットやメタボ改善を挙げていますが、2019年は2~3月の8週間で0.6kg減少していたのに対し、2020年ではほとんど減少が見られていません。

2019年は正月の後に順調に減量できていたのが、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大による生活変化の影響を受けているためか、ダイエットの成果が現れにくくなっている現状が明らかに。ダイエット中の方には見過ごせない状況です。

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【図2】体重の入力頻度と体重の変動 2020年(n=16,857人。このうち体重入力週2日未満の人は46%で7,698人)

続いてこちらは、アプリへの体重の入力頻度と体重の変動の相関関係を調査し、2019年と2020年のデータを比較したグラフです。

アプリへの体重入力が週に2回未満の人は、3月後半から他の人に比べて顕著に体重が増加しており、1か月弱で約1kgの体重増加がみられました。

体重を記録し、自分自身で体の状態を見える化することが、体重管理においてとても重要であることがグラフからわかります。

「コロナ太り」と聞いて「わたしのことかも!」とドキッとしている方は、まずは体重をこまめに記録していくことから始めてみるのがおすすめです。

■2:1日の歩数が約1,000歩ダウン!有酸素運動の減少で太りやすい状態に

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【図3】歩数の比較(2月以前に平均5,000歩以上だった人を対象に解析。n= 2020年 8,440人、2019年 4,871人)

こちらは、2月以前に1日平均5,000歩以上だった方を対象に、歩数の変化量を解析し、2019年と2020年のデータを比較したグラフです。

2020年は、2月1週目をピークに徐々に歩数が減少し、3月3週目でいったん歩数が増加したものの、4週目で再び減少傾向に。

自粛要請期間となった2月下旬から3月にかけては、2月上旬に比べて歩数が約1,000歩も減少しています。外出自粛をきっかけに、日常生活のなかでいかに歩くことが減ったかが明らかとなりました。

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【図4】運動の種類の比較(n= 2020年 14,383人、2019年 12,310人)

続いてこちらは、アプリへ入力された運動内容を種類別に調査し、2019年と2020年のデータを比較したグラフです。

自粛要請期間では、ランニングやスポーツ、スタジオプログラムなどの有酸素運動(図4・左)の大幅ダウンが一目瞭然! カロリーを消費しやすい有酸素運動を行う機会が減っているということは、体重や体脂肪が増えやすい状態になっているということ。

もちろん、アプリユーザーも危機感がないわけではなく、おうちのなかで実施可能な筋肉トレーニング(図4・中)や、ストレッチなどの軽い運動(図4・右)を行う方が急増している結果も!

「カラダかわるNavi」では、「自宅でできる運動メニュー」の動画配信も視聴できるそうなので、アプリやその他のWEBサービスをうまく活用して、運動不足を解消するようにしたいですね。

外出自粛による運動不足で健康格差が広がる恐れ【医師の見解】

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運動不足の「ツケ」がたまると、命にかかわる病気にかかる可能性も……。

では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出の自粛などからくる運動不足は、今後人々にどういった影響を及ぼすのでしょうか。東京大学大学院准教授・近藤尚己先生は、次のようにコメントしています。

「外出自粛によって身体活動が顕著に減れば、心筋梗塞や脳卒中の増加、うつ病の発症、認知機能の低下など、間接的な影響も重大になります。

今回、ビッグデータ解析により平均して約1,000歩も歩数が減っていることがわかりました。身体活動の減少を放置すれば、新型コロナ感染症が終息したあとの『ツケ』となって国民全体が不健康になってしまいます。自宅にいても身体活動を増やせるための工夫を、社会全体で考案して実践していくべきです。

また、経済的理由等により、自主的に活動を増やせる人と増やしにくい人がいます。健康格差が拡大しないように、このようなデータを活用した観察と取り組みの工夫も大切です」

外出自粛はもとより、フィットネスジムなどスポーツ関連施設の営業自粛の影響もあり、運動不足の解消や健康管理が困難になってきている今。工夫を凝らして、自宅でできることをひとつからでも始めたいですね。


新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、仕事、生活、家族、お金……と頭を抱える悩ましいことが少なくない毎日ですが、何より大事なのは健康を維持して無事でいること。

ウイルス感染を防ぐ生活スタイルを死守しつつ、しっかり健康管理もして、危機的状況が収束したあとに思いっきり人生を謳歌できるよう、今から少しずつ、おうちで準備しておきましょう!

■調査概要

新型コロナウイルス感染拡大による身体状態や健康行動の変化に関する調査分析

分析期間/2020年2月2日(日)~年3月28日(土)、2019年2月3日(日)~3月30日(土)の各8週間。(体重のみ、当該期間との差を比較するため各開始日の1週間前のデータも利用)
分析項目/体重、歩数、運動の種類。
分析対象者/アプリ「カラダかわるNavi」ユーザーで、分析・発表の許可をいただいた利用者のうち、
・体重は、分析期間内に2回以上の入力があった方。(n=2020年 16,857人、2019年 11,552人)
・歩数は、2月以前に平均5,000歩以上だった方。(n=2020年 8,440人、2019年 4,871人)
・運動は、分析期間内に2回以上の入力があった方。(n=2020年 14,383人、2019年 12,310人)

問い合わせ先

リンクアンドコミュニケーション

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