話題沸騰中のレッドカード

定番ボトムとして、そして今年はトレンドとしても人気のアイテム、デニム。日本製からインポートまで、数多くのブランドがデニムを発売していますが、素材も価格帯もバラバラで、大人の女性にふさわしい良質なジーンズをいざ選ぼうとしても、迷ってしまいますよね。

そんななか、「伊勢丹新宿店で累計約3000枚売れているデニムブランドがある」という情報をキャッチしたPrecious.jp編集部。伊勢丹新宿店だけで約3000枚というのは、かなり売れているということです。その大ブレイク中のブランドの名は、「RED CARD(レッドカード)」。

価格帯は税抜¥19,000が中心、数千円で買えるデニムやデニム風素材のパンツよりは高く、インポートデニムよりはお手頃という微妙な価格帯のこのデニムが、一体なぜそんなに売れているのか? その秘密を探りに、レッドカードのプロデューサーを務める本澤裕治さんにお話を伺いました。

レッドカードのプロデューサーを務める、有限会社ドクターデニムホンザワ 代表取締役の本澤裕治さん

国内外問わず、数多くのブランドのコンサルティングを行っている本澤裕治さん。もともとは、リーバイスのジーンズをつくりたい一心で、当時は新卒採用を行っていなかったことから、エドウインで10年働いてジーンズづくりを学び、念願かなってリーバイ ストラウス ジャパンに転職して6年。リーバイス501を手掛けるなど、ジーンズづくりにおいては、右に並ぶ者がいないほどの研鑽を積みました。

その後、独立してコンサル業を営む傍ら、2009年に自身のブランドとして立ち上げたのが、レッドカードです。

きっかけはBEAUTY&YOUTHのボーイフレンドジーンズ

本澤さんは高価格のプレミアムジーンズからSPAの低価格ジーンズまで、あらゆるジーンズを手掛けてきたため、どんなジーンズも、つくろうと思えばつくれる。満を持して自身のブランドのジーンズを、と考えたとき、どういうジーンズをつくろうと思ったのでしょうか。 

「現在、6(ROKU)のブランドディレクターの吉田恵理子さんが、当時はBEAUTY&YOUTHのディレクターで、ボーイフレンドジーンズをつくってくれないか、と依頼されたのが始まりでした」(本澤さん)

一番売れているモデル「Anniversary 25th」

「レッドカードをつくろうと思ったとき、ちょうどアメリカのプレミアムジーンズの最盛期でした。AGさんやJ brandさんなどが、軒並み3万円を超えるくらいの価格設定で、どんどん売れていました。であれば、2万円を切るくらいの価格で、メイド・イン・ジャパンの日本品質を打ち出せるものをつくろう、というのがもともとのレッドカードのコンセプトと戦略ですね」(本澤さん)

ジーンズに詳しくない人にもウケた理由は?

「ジーンズについて語るとき、僕はいつも『3F』という言葉を使っています。フィット(FIT/はき心地、シルエット)、ファブリック(FABRIC/生地)、フィニッシュ(FINISH/加工)の『3F』です。この3つがうまく構成されないと、いいジーンズってつくれないんですね。レッドカードではそれを全部やっています」(本澤さん)

レッドカードを着用したときのはき心地、シルエットには定評がありますが…。

「アメリカのデニムは、アメリカの方の体型に合わせてつくられているので、日本人には本来合わないんですよ。日本人の体型が欧米に近づいているといっても、まだまだ遠い。なので、日本人の女性の身体にアジャストするようにつくることで、レッドカードにも勝ち目はあるのかなと考えました」(本澤さん)

この日本人に合ったフィットを実現するために、「他社さんの一番売れているジーンズをはき比べながら、自分たちのブランドとして最適なフィットを考えていくのが、僕のやり方」と本澤さんは言います。

また、レッドカードのジーンズは、リアルヴィンテージのように立体感が感じられるウォッシュ加工やユーズド加工がされていながら、ストレッチの効いた薄手の生地ではきやすさを両立しているのも人気の理由。

「僕はメンズ畑のジーンズをつくってきたので、レッドカードはメンズの(商品)企画なんです。メンズをやっていたチームが女性のものをつくることによって、本物感が出る。

あくまでも見え方は男性の硬派なジーンズのようで、はいてみると、やわらかい素材を使っていたり、加工でやわらかくしていたり、フィットがきれいだったりして、見た目とはき心地が相反している部分があります。それがレッドカードの新しさで、はいていただいた方に伝わったのだと思いますね」(本澤さん)

「リーバイス501越え」を目指すこだわり

薄手の生地なのに厚手のデニム生地に加工したような仕上がり

ヴィンテージジーンズの本物感は、しっかりした生地に洗いをかけたり、ユーズド加工をすることで生まれます。それを薄いストレッチ混のデニム生地で実現しようとすると、わざとらしさやペラペラ感が出て、安っぽくみえてしまいがち。本物感と生地の薄さを両立させるのは、言葉では簡単ですが、実際にはどのブランドもなしえなかったことです。これがレッドカードで実現できているのは、まさに、本澤さんが長年のジーンズづくりを通して、世界中のあらゆる素材や生産工場を見て培ってきたネットワークのたまものなのです。

「レッドカードに関しては、素材はカイハラさん(カイハラ株式会社)さん、クラボウ(倉敷紡績株式会社)さんに重きを置いています。基本的には、メンズのヴィンテージジーンズをつくっていた人たちが顔をつくっている、というのがレッドカードの強み」と本澤さん。

なんと、デニムを縫う糸ひとつをとっても、「UJコアーという糸を使っているのですが、この糸はもともと、ヴィンテージを再現したジーンズをつくるために開発された糸なんです」(本澤さん)。ちなみに、実際のデニムで、糸の違いはどういうところに現れるのでしょうか?

「レッドカードが、パッと見はヴィンテージジーンズのように見えるのは、この糸の役割が大きいんです。糸というのは、褪色することが大事なんですね。生地を色落ちさせたときに、一緒に糸も色が落ちていかないと、ヴィンテージっぽくならない。この糸は、デニムの色落ちに対して、ベストな色落ちをするようにつくられていて、それを縫製に使っていることも、レッドカードの本物感が出ている理由のひとつだと思います。ジーンズは単純なものなので、単純なものだからこそ、こだわらないといけないところがある。僕は、いつもリーバイス501を越えたい!と思ってデニムをつくっています」(本澤さん) 

ヴィンテージデニムの復刻版をつくるための糸を惜しみなく使用

素材も加工もこだわったうえで、2万円前後に収まる理由は?

素材、縫製、加工にこだわった日本製のジーンズをつくるだけでも大変なことですが、人件費が高いと言われている日本で、なぜレッドカードはそれを2万円前後の定価で提供できているのでしょうか。

「レッドカードをつくると、原価は高くなります。でも結局、僕がコンサルティングをしている会社をまとめ、グループで発注をしているので、大口の取引先をきちんと持ちながら、レッドカードでは最適な価格で出せるように、ぎりぎりのところまで詰めるコントロールをしています。レッドカード自体がジーンズ業界の中で突っ走っているブランドという位置づけがされていて、ほかのブランドさんもレッドカードが何をしているのか聞きたいとおっしゃいます。僕たちは相乗りすることで定価を詰めていきたい。業界内で、お互いが相乗効果を出しているような感じになっています」(本澤さん)

 定番からトレンドまで、きめ細かな商品企画

半年ごとの商品企画変えでリピートにつなげる

通常のジーンズの企画は1年間続けることが多いですが、レッドカードは半年ごとに企画を変えているのも特長です。

「我々のジーンズは、本当にいい素材を用い、いい縫製を行っていただいているので、洗濯してもヨレないんです。生地がへたるどころか、むしろふくらんでどんどん冴えてくる。デニムのうんちくに興味がない方でも、実際に何度も洗っていると、ジーンズが成長するのを実感できるはずです。商品企画が半年ごとに変わっていくので、ダメになって買い替えるのではなく、『よかったから違うフィットでもう1本』というリピートのお客さまが多いんです」(本澤さん)

初めてレッドカードを手にする人が最初に買うなら「アニバーサリー25th」

何をはいたらいいのかわからない、という人には、レッドカードの白い札がついた「Anniversary 25th(アニバーサリー25th)」というモデルを、まずはいてみてほしいと本澤さん。「伊勢丹さんで累計約3000枚売れたというのは、このモデルです。太くもなく細くもない中間のフィットで、レッドカードで一番のベストセラーです。これをまずはいていただいて、レッドカードのはき心地を体感してもらうとともに、次に選ぶときは、この『Anniversary 25th』より太いとか、よりスキニーとか、自分の好みを探すといいと思います」。

ちなみにこの「Anniversary 25th」は、ブランドのが25周年というわけではなく、本澤さんがデニム業界で働き始めて経過した年数のこと。前回は「Anniversary 20th」だったのをブラッシュアップさせ、2015年に「Anniversary 25th」が誕生。5年かけてそのときの『ベストジーンズ』をアップデートするアニバーサリー企画は、次の「Anniversary 30th」に向けて動き出しているところだそう。

見た目よし、はき心地よし、お値段よし!がレッドカードの強さ

「インポートデニムのような本物感伝わる加工や表情に加え、はいた時の『あっ』とするようなやわらかさ、はき心地のよさが魅力。また、日本人に多いO脚がきれいに見えるシルエットがお客様の心をつかむ決め手です」と話すのは、株式会社三越伊勢丹の、婦人・子供商品部アシスタントバイヤー・畑中鮎美さん。

はきこんだジーンズのように見えながら、はいたときの軽さ、やわらかさに驚く。美脚効果も抜群。

デニム風スパッツや、スキニージーンズをはきなれている人には、「Anniversary 25th」の同じサイズを選ぶと、少し大きめに感じられるかもしれません。「細くもなく太くもない」適度なフィットが「Anniversary 25th」の特徴ですが、ピタッとはきたい人や腰ではくのに慣れていない人は、ワンサイズ下を選ぶことも多いようです。自分の体型とあわせて、一番細見えするサイズを選んでみてくださいね。

レッドカードがこれだけ売れている理由は、本澤さんの培ってきた知識と人脈を総動員し、すべての人が前向きに関わることで、見た目もはき心地もそして価格も、すべてにおいてバリューの高いジーンズができあがっているからだということが、取材を通してわかりました。

1本はくと、もう1本欲しくなる、ジャパンメイドならではの奇跡のジーンズ。「デニムを新しくしたい」「手持ちのジーンズのサイズが変わってきた」「日本の製品を応援したい」「確かな目を持ったプロがつくった本物が欲しい」という方に、ぜひ店頭で手に取り、試着してみていただきたいです。

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この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2018.8.26 更新
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EDIT&WRITING :
安念美和子