「予備費」の「予」には要注意?間違えやすい日本語表現をおさらいします!

新型コロナウイルス対策の第2次補正予算案に、「予備費」の名目で10兆円もの大金が計上されたことが、物議をかもしていますね。

コロナ禍以前は5000億円であった今年度の予備費が、コロナ後の第1次補正予算では1兆5000億円と3倍…というところまでは、急を要する未曽有の有事であることも踏まえると、納得の範疇ですが、10兆円を「予備」という名目で計上するには、いささか大きすぎる気がいたします。

大切な税金の使い道、クリーンに、クリアーにお願いをしたいものですね。

というところで1問目です。

【問題1】「予め」ってなんと読む?

「予め」という日本語の読み仮名をお答えください。

ヒント:「前もって」「事が起こる前から」という意味の日本語です。

<使用例>「予備費とは、予め備える、つまり、現状では予測できない出費のために用意しておく予算のことです」

「○○○○め」と読み仮名4文字です。
「○○○○め」と読み仮名4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 予(あらかじ)め です。

「予定」の「予」でもあります。
「予定」の「予」でもあります。

「予備費」の一般的な考え方は、ヒントの例文に示した通りですが、国家予算における「予備費」については、憲法87条で「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任で支出することができる」と定義されています。

この「内閣の責任」で使える、というところが、争点になっているようです。

内閣側は「一般の予備費とは異なり、使途は国会の議決をいただいた範囲に限定する」「新型コロナウイルス感染症に関わる緊急を要する経費に限る」と説明しているようですが、その説明が受け入れられずに議論を呼んでしまうのは、これまでの経緯ゆえ、というところでしょう。

さて、2問目に参りましょう。

【問題2】「予て」ってなんと読む?

「予て」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「前もって」「あらかじめ」という意味の日本語です。

<使用例>「予て信頼に値する姿勢を示して下さらなければ、新たな難しい提案を簡単に受け入れることはできません!」

「○○て」と読み仮名2文字です。
「○○て」と読み仮名2文字です。

さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 予(かね)て です。

「予(かね)てから」という表現には要注意です!

「予て」という日本語を使う時には、ちょっとした注意が必要です。「予(かね)てから言われていたことですが」という言い回し、皆さまも耳にしたことがあるのではないでしょうか?

特に問題はないように感じてしまいがちですが、「予て」という言葉自体に「前もって」言いかえると「以前から」という意味が含まれているので、そこに更に「から」をつけて「予てから」とするのは、文法的に重複表現になり、誤用では?とも言われています。

言葉は生き物ですので、すでに浸透しつつある「予てから」という表現を、話し言葉で使う程度では、大きな問題にはならないかもしれませんが、オフィシャルな場での発言や文書などに「予てから」を用いると、見とがめる方が出るかもしれません。

大人の女性としては、留意しておきたい日本語です。

本日は「予備費」の話題にちなんで、

・予(あらかじ)め

・予(かね)て

という「予」という漢字の入った難読表現をおさらいしました。

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小出 真朱