毎日ジメジメした日が続きますが、梅雨といえば悩ましいのが、カビ。特にキッチンの壁などのカビ、気になっていませんか?

カビ専門家として知られる、千葉大学真菌医学研究センター准教授の矢口貴志先生も、「カビは温度20~30℃、湿度60%以上で発生しやすくなり、75~90%で最も増殖しやすくなります。梅雨時期はちょうどこの条件と一致します」とコメント。梅雨の今は、まさに家の中はカビが生えやすい状態です。

そこで本シリーズでは、家の中の各場所や家電の、カビ掃除のヒントを5回に渡ってご紹介。今回は「キッチンのカビ」について、生えやすい場所とお掃除のポイントを学んでいきましょう。

キッチンでカビが生えやすい場所はこの3か所!

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どこにカビが生えやすい?

家の中のうち、カビが気になるものといえば、キッチン。カビはどんなところに生えやすいのでしょう? 矢口先生にうかがいました。

■1:流しのシンク

「流しのシンクは、汚れが溜まり、水分が残るため、カビが発生しやすいです」

■2:水切かごの水受け

「水切かごの水受けは、ゴミや汚れが溜まり、水分がたまるため、カビが発生しやすい場所です」

■3:水道の蛇口の裏

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見逃しがちな蛇口裏

「水道の蛇口の裏は、気づきにくいですが、汚れが付きやすく、水分が残るため、特にシャワータイプはカビが発生しやすくなります」

家事研究家に聞くキッチンのお掃除術2つ

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見逃しがちな蛇口裏

キッチンのカビが気になるものの、なかなか掃除するチャンスがしなかったという場合には、ぜひ梅雨でカビが生えやすい今こそ、先回りしてお掃除を。

家事代行で知られるベアーズの取締役副社長で、家事研究家の髙橋ゆきさんに、キッチンのお掃除術を伝授してもらいました。

■1:排水口ストレーナーはポリ袋に入れて振って綺麗に!

「排水口ストレーナーはぬめりなどが気になるうえに、カビも生えやすいところです。しっかりと洗浄しておきましょう。まず手袋を装着し、ストレーナーに残っている食べ物のカスなど固形物を取り除きます。そして泡タイプの塩素系漂白剤を360度、全方位から吹きかけましょう。

そのままストレーナーをポリ袋の中に入れ、下から2~3センチくらいまで水を注入したら、口を縛ってしっかり振ります。水が黄色くなってきたら汚れている証拠。水圧が汚れを押し出してくれます。十分に振ったら、15分ほど放置し、洗剤を残さないように、水でしっかりと洗い流してください。」

■2:蛇口は三つ編みストッキングでピカピカに!

「キッチンには蛇口など、ステンレスが使われている場所が多いですね。キッチンペーパーにカビ取り剤を付けて、湿布をしましょう。汚れがゆるんで落ちやすくなります。またステンレスは傷つきやすいので、金タワシやスポンジの固い部分でこすってはいけません。

通常は、ふきんに中性洗剤をつけて磨いてください。その後、水で流せば普通の水垢はキレイに落ちます。最後に、必ず乾いたふきんで水気を全部取り除くことで、カビ予防になります」

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三つ編みストッキング

「最後に、磨き上げをしてピカピカにしておくと、さらに気持ちがいいですよ。私が考案した『三つ編みストッキング』なら、簡単にピカピカになります。つくり方は、伝線してしまった不要なストッキングなどを半分に折り、折った箇所を結んで、左足部分、右足部分、また上部分の3本にします。

その3本を三つ編みにしていきます。ゆるく編むと、縮み予防に。先端まで編んだら、端をダマにして結んで処理します。これを蛇口などにひっかけながら磨いていきましょう」


キッチンのような水まわりは、カビが発生しやすい場所。換気や除湿をしっかりしながら、カビの栄養分である埃や汚れを日ごろからしっかりと取り除いておきたいですね。

矢口 貴志さん
カビ専門家
(やぐち たかし)早稲田大学理工学研究科博士前期課程修了。 明治製菓(株)を経て現在、千葉大学真菌医学研究センター准教授。 生活環境のカビ、とくにヒトに病原性のあるカビを専門に研究している。身の回りのカビの危険性について、『世界一受けたい授業』『林修の今でしょ講座』など多くのテレビ番組、雑誌などで解説している。
髙橋 ゆきさん
株式会社ベアーズ 取締役副社長
(たかはし ゆき)香港で体験したメイドサービスを新しく日本に創り産業とするため、夫と共に、1999年に家事代行サービス株式会社ベアーズを創業。個人としては各種ビジネスコンテストの審査員や日本能率協会「経営・マーケティング戦略コース」のコメンテーターを務めるほか、家事研究家、日本の暮らし方研究家としても、テレビ・雑誌などで幅広働く活躍中。2016年のTBSドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』でも家事監修を担当。1男1女の母。https://www.happy-bears.com/

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WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、榊原淳
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