愛犬と一緒に生活している人にとって、できるだけ生活環境を整えて、愛犬の危険を遠ざけ、いつまでも健康でいられるようにしたいですよね。

その一つの方法が、家のエクステリアや庭空間を見直すこと。

今回は、その愛犬向けの家のエクステリアは、愛犬のことを考えて、どう工夫ができるのか、犬を飼う家庭の庭づくりのプロに聞きました。

熱中症を防ぐテラス屋根やサンルーム、水まわり、ドッグガーデンやドッグランなど愛犬のための庭づくりの種類をチェックしておきましょう!

愛犬と庭のお悩みランキング1位は?

愛犬の庭の悩みは…?
愛犬の庭の悩みは…?

京都にある、エクステリアと庭づくりの専門店「GARDEN ELEGANCE(ガーデンエレガンス)」小倉店店長の田崎大さんは、犬庭コーディネーターとして、多くのドッグガーデンを施工しています。

田崎さんによれば、「犬+庭」のお悩みランキングの上位5位は次の順だそうです。

1位「扉がない、すき間が多いなど、今の庭(家)では犬を出して遊ばせてやれない」
2位「滑りやすい床材や段差など、犬のケガや骨折が心配」
3位「夏場は熱中症ややけどが心配で外に出してやれない」
4位「庭で自由に運動、遊ばせてやりたい」
5位「園芸や菜園も楽しみたいけど、犬のいたずらや有害な植物などが無いか心配」

「近年は、外飼いよりも家飼いの犬が増えていますが、人間が暮らす環境はまだまだ危険がいっぱいなんです。愛犬が『敷地から飛び出して事故にあった』『滑りやすい舗装で足腰を痛めた』『人間には何とも無い段差で骨折した』『有毒な植物を口にして具合を悪くした』などのトラブルが実際に起きています。わんちゃんたちが毎日笑顔で、家族と幸せに暮らせるように、愛犬が過ごしやすく安全なエクステリアづくりをお手伝いしています」

飼い主も安心! 愛犬向けエクステリア3種

そこで田崎さんに、愛犬向けエクステリアの中から、主要な3つの種類を解説いただきました。

■1:テラス屋根・サンルームで愛犬を守る!

テラス屋根・オーニング
テラス屋根・オーニング

まずは愛犬たちが過ごせる、テラスやサンルーム。ただ居心地がよくくつろげる空間であるだけでなく、やけどや熱中症を防ぐことをねらいとしているそうです。

「わんちゃんは体温調節が難しいので、暑さ対策は万全にすることが重要です。特に夏場は熱中症予防のためにも、中高木の庭木、テラス屋根やオーニング、パラソルやターフなどで日陰をつくるのをおすすめします」(田崎さん)

最近では愛犬専用のスペースとして、ガーデンルームやサンルームの設置も人気だそう。

オプションで日よけやロールススクリーンも取り付けられるので、第2のリビング空間としても活用できるそうですよ。

サンルーム
サンルーム

■2:洗い場・水まわりを整備してお散歩後も快適に!

愛犬との生活に欠かせないのがお散歩。そのお散歩から帰ってきた後に、足を洗うシーンなどに不便を感じていませんか?

「お散歩帰りにすぐに使えるシャワーや水飲み場、プールなどを庭に作っておくと便利です。シャワーと水栓の2口がベストですね。ちなみに、水たまりは寄生虫や細菌の危険性、夏場はフィラリア症の原因となる蚊が発生することも多いので、水飲み場やプールは、使用後に必ず水を抜くことが大事です」

ステンレス製のガーデンパン
ステンレス製のガーデンパン

「こちらのお宅では、新鮮な地下水が湧き出ているのを利用し、わんちゃん専用の水飲み場を作りました。錆びにくいステンレス製のガーデンパンを使用し、水道管を下からつなげることで自噴式にしています。あふれた水は周りに敷き詰めた白玉石を通って排水され、いつでも新鮮な水を飲むことができるようにしています」(田崎さん)

大型犬に合わせたシャワースペース
大型犬に合わせたシャワースペース(画像提供:廣瀬造園)

「こちらのお宅では、大型のわんちゃんのサイズに合わせた、シャワースペースを設置。飼い主さんが両手を使ってシャンプーできるように、シャワーが立てられるスタンド式にしました」(田崎さん)

犬用プール
犬用プール(画像提供:廣瀬造園)

「こちらのお宅では、水遊びの好きなわんちゃんのために、サイズに合ったプールを設置しました。遊び場からプールへ直行できるよう、遊び場の近くに設置しています」(田崎さん)

■3:超巨大なドッグランも! ドッグガーデン・ドッグラン

犬と庭のお悩みの1位と4位に入っていた、庭で自由に遊ばせてあげたいという飼い主さんの願い。その願いをかなえてくれるのが、安心して愛犬が遊べる、ドッグガーデンやドッグランです。

10匹のチワワが走り回れるドッグガーデン

チワワ10頭が遊べるドッグガーデン
チワワ10頭が遊べるドッグガーデン(画像提供:廣瀬造園)

「チワワ10頭飼いの、こちらのお宅では、みんながケンカせず遊べる柵を活用したドッグガーデンを作りました。フェンスで区分けしたので、ケンカせず、みんな仲良く遊べます。ミストシャワーを設置し、舗装にはゴムチップを敷いているので、暑い夏場もしのげるようにしています」(田崎さん)

お友達が遊びに来ても仲良く遊べるドッグラン

広大なドッグラン
広大なドッグラン(画像提供:廣瀬造園)
自由に行き来できるウッドデッキ
自由に行き来できるウッドデッキ(画像提供:廣瀬造園)

「こちらのお宅では、お友達のわんちゃんも遊びに来るというので、広大なドッグランを作りました。家への出入り部には、わんちゃんたちが自由に行き来できるようウッドデッキを設置。外はフェンスで囲まれているので、のびのびと走り回ることができるようになっています」(田崎さん)

広大すぎるカリフォルニア風ドッグラン

そして、今回は、さらにビックなドッグランの事例を特別に見せてくれました。田崎さんの犬+庭づくりのお仲間、神奈川県のガーデンコンシェルジュの施工事例です。

なんと、愛犬が思いっきり走れるオンリーワンのカリフォルニア風 大型ドッグラン!!

広大なドッグラン!
広大なドッグラン!(画像提供:ガーデンコンシェルジュ)

お客さんからは、「カリフォルニア風で愛犬が走り回れるスペースを作って欲しい」「いつも立寄る東名高速サービスエリアの人工芝を使って欲しい」「人工芝の継ぎ目をなるべく目立たないようにして欲しい」という要望があったそう。

上から見ても…やっぱり広い!
上から見ても…やっぱり広い! (画像提供:ガーデンコンシェルジュ)
犬たちがうらやましすぎる!?
犬たちがうらやましすぎる!? (画像提供:ガーデンコンシェルジュ)

そうしてできあがったのが、約400平米の広大すぎるドッグラン。日本とは思えない世界です。それにしても、この家の犬たちは、まるで公園を貸し切っているかのようなドッグランを与えられて、うらやましい限りですね。


ドッグ向けエクステリアの主なものをご紹介してきました。中には、贅沢な広大なドッグランまで! どれも愛犬思いの温かい施工事例ばかりでしたね。

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WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、原田恵子(イクシアネクスト)
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