肩コリや肌荒れ、便秘など、日常生活で感じるちょっとした身体の不調。実はこれらの症状は、「体の冷えをとれば9割は治る」と言われているのをご存知でしょうか?
寒くなると自覚をする人が多い冷え性ですが、実は夏こそ注意が必要。冷房のかかった部屋で長時間過ごしたり、冷たいものを摂りすぎたりと、知らぬ間に身体をどんどん冷やしてしまっている可能性があります。
そこで今回は、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)をはじめ、さまざまなメディアで活躍している「温活」のプロである医師の石原新菜さんに、夏の冷え性の脅威と、2週間で体温を1度上げる温活ルーティンを教えていただきました。
オフィシャルサイト
汗をかきやすい人こそ要注意! 自覚がない人も冷え性の可能性
今回は、温活グッズの専門ブランド「アルポカ」主催で行われた、石原新菜先生のイベント「#2週間で体温1度上げルーティン」にお邪魔して、お話を伺いました。
女性の8割が冷え性と言われている今、夏でも身体を冷やさないように気をつけている人も少なくないのでは。
とくにwithコロナ生活中に迎えた今年の夏は、リモートワークなどで自宅にいることが多く、冷房のかかった部屋で過ごす時間が長くなりがちです。屋内での熱中症対策にはクーラーが必須ですが、頻繁にあたっていると、必要以上に体が冷えてしまいます。
また、おうち時間が増えたことによる運動不足や、冷たい食べ物や飲み物の摂りすぎ、シャワーのみの入浴なども、夏の冷え性の原因となります。加えて、夏は汗をかきやすいので、身体が冷えていることを自覚しにくいのが盲点。むしろ、他人より汗をかきやすい人こそ冷え性の可能性があると、石原先生は言います。
「体の表面が温かくても、外出直後や食事をとり始めてすぐに汗をかきやすい人は『隠れ冷え性』の疑いがあります。とくに、大量に汗をかく人は注意が必要です。
隠れ冷え性の人は内臓が冷えてしまっているため、身体の表面に熱が出てしまうという特徴があります。手足がほてっている、お腹を触ると冷たい、下半身がむくみやすいといった症状が出ている人は隠れ冷え性かもしれません」(石原先生)
こうした夏の冷えを改善するのに有効なのが、温活。実は、石原先生ご自身も、かつては身体の冷えに悩んでいたひとり。激務が続く研修医時代に、肩コリや便秘、生理痛、肌荒れなどに頭を抱えていたところ、同じく医師であるお父様に「身体を温めれば、不調は治り痩せる」とアドバイスをもらったのだそう。
「父のアドバイスを基に温活を習慣化したことで、10キロの減量に成功しました。嘘みたいな話ですが、それまで抱えていた不調もすべて改善しました。今も温活ルーティンを続けていて、平熱は37.1度をキープしています」(石原先生)
温活は冷え性や体の不調の改善だけではなく、ダイエット効果も期待できるのは嬉しい限り。さらに、体温を1度上げると、代謝がよくなることから免疫力が30%も上がるといわれているのだとか。温活は、withコロナ生活中の今にぴったりの健康管理法でもあるのです。
2週間で体温が1度上がる!? 発熱ボディをつくる6つの温活ルーティーン
今回は、石原先生が日頃実践されている温活ルーティンの中から、温活初心者でも気軽に始められる習慣をピックアップしてご紹介します。
■1:お風呂で芯からあたたまる
「夏は暑いのでシャワーで済ませる人も多いと思いますが、シャワーで温まるのは身体の表面だけです。毎日40度の湯船に10分ほど浸かって、身体の内側までしっかり温めましょう。
湯船に浸かるのが苦手な人は、3分間でも構いません。汗がふつふつと出てくるまではがんばってみてください。10分間入ることより、毎日続けることが大切です」(石原先生)
ちなみに夏の長風呂は、浴室熱中症になる危険性があるのでご注意を。長く入れば入るほど、体が温まるというわけではなく、健康に一番いいのは10分程度の入浴なのだそう。
■2:適度な運動で筋肉量をUP!
「体温の4割は筋肉からつくられていて、筋肉量が増えると自然と体温が上がり、新陳代謝が活発になります。実は、男性より女性に冷え性が多いのは、筋肉量が関係しているのです。
筋肉を効率よくつける方法は、下半身を鍛えること。筋肉の約70%は下半身に集中しているので、基礎代謝がアップします。運動が苦手な方はまず、毎日30回を目標にスクワットに挑戦してみてください」(石原先生)
一度に30回続けるのではなく、1日の中で何度かに分けて行ってもOKです。
■3:ホットドリンクを飲む(生姜紅茶)
「冷房がかかった室内にいる時は、できるだけ温かい飲み物を飲むようにしましょう。体を芯から温めてくれる『生姜紅茶』がおすすめです。
私は生姜を蒸してから乾燥させたものをストックしておいて、紅茶に入れて飲んでいます。蒸して乾燥させると、生姜の辛味成分のショウガオールが10倍以上になります。生姜の効能は3時間程度しか持たないので、こまめに生姜紅茶を飲むと、冷え対策になりますよ」(石原先生)
手軽に生姜紅茶を楽しみたいという人には、市販されている蒸した生姜を粉末状にした「蒸し生姜パウダー」がおすすめ。Amazonなどの通販サイトで手に入ります。
■4:朝はにんじんリンゴジュースを一杯
「にんじんとリンゴは、体を温めてくれる陽性食品。代謝を上げ、免疫力を高めてくれます。このふたつでつくったジュースは腸を優しく温めてくれるので、朝食にぴったりです。1日に必要なビタミンとミネラルも補給できます。使用するにんじんは2本、リンゴは1個が目安です」(石原先生)
氷などはいれずに、丸ごとジューサーにかけるのがポイント。お好みでレモンを絞ってもおいしくいただけます。ジューサーで出た絞りかすは、カレーやケーキに再利用もできますよ。
■5:積極的に発酵食品を食べる
「味噌や納豆や漬物など、発酵食品に含まれている酵素には体温を上昇させる効果があります。とくに、味噌汁の塩分は血圧を上げにくいので、健康面を考えても安心。インスタントでも同様の効果があるので、ぜひ1日に2〜3杯、味噌汁を飲んでほしいです」(石原先生)
紅茶同様、お味噌汁に生姜をいれてもOK。タンパク質や鉄分が不足しても冷え性に繋がりやすいので、卵や豆腐、ほうれん草などの食材を使うと、よりパーフェクトな温活スープが完成します。
■6:腹巻きで体の真ん中からポカポカに
「腹巻きでお腹周りを温めると、全身の血流がよくなり、手足が冷えにくくなります。お腹周りを冷やしてしまうと、そこにある内臓の機能を守るため、体が末端の熱を中心部に集めようとして、手足の先が冷えてしまうのです。
とくに夏は、冷たい食べ物や飲み物を好んで内臓を冷やしがちになるので、冷房が効いた室内ではぜひ腹巻きを着用してほしいですね」(石原先生)
今回のイベントを主催した温活ブランドの「アルポカ」でも、遠赤外線効果のある繊維を使用した腹巻きを販売しているので、気になった人はぜひチェックしてみてくださいね。
夏の冷えを改善する6つの温活ルーティン。筆者は、お風呂、運動、生姜紅茶の3つを2週間実践してみましたが、それだけでも平熱が35.8度から36.1度にUPしました。心なしか腰回りもスッキリした気がします。
いきなりすべてを取り入れるのが難しいという人は、自分にできそうな温活習慣から少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。今年の夏は、9月半ば頃まで厳しい暑さが続くと予報が出ています。冷房が欠かせない日々がまだまだ続きそうなので、温活を上手に取り入れて夏冷えを乗り切っていきましょう。
- TEXT :
- 文 希紀さん 編集者・ライター
Twitter へのリンク
- WRITING :
- 文希紀
- EDIT :
- 小林麻美