9月に訪れる秋のお彼岸。2020年の秋のお彼岸はいつからいつまでなのでしょうか。本記事では、秋のお彼岸の意味や由来、お彼岸とお盆の違い、秋のお彼岸の食べ物について解説します。また、お彼岸にお墓参りをする理由や、お墓参りの仕方、仏壇のお供え物についてもご紹介していきます。

■2020年の秋のお彼岸はいつからいつまで?

2020年の秋のお彼岸はいつからいつまで?
2020年の秋のお彼岸はいつからいつまで?

お彼岸の日にちは、毎年異なります。2020年の秋のお彼岸はいつからいつまでなのか、ご紹介していきましょう。

9月19日(土)から9月25日(金)までが2020年の秋のお彼岸

秋のお彼岸は全部で7日間あります。2020年の「秋分の日」は9月22日(火)です。よって、9月19日から9月25日までが秋のお彼岸となります。

「秋分の日」は秋のお彼岸の中日

秋のお彼岸の期間は、秋分の日を軸に決まります。秋分の日を中日とし、前後3日間が秋のお彼岸となるのです。

秋のお彼岸に、なぜ秋分の日が関係するのでしょうか? その理由は、のちほど説明します。

■秋のお彼岸とは

秋のお彼岸には、どのような意味があるのでしょうか。合わせて、由来も解説していきます。

秋のお彼岸の意味

中日となる秋分の日の前の3日間を「彼岸の入り」、中間となる秋分の日を「彼岸の中日」、残り3日間を「彼岸の明け」といいます。これらの7日間のことを秋のお彼岸といい、期間中には、お墓参りなどをして、故人を偲びます。

秋のお彼岸の由来

そもそも彼岸とは、仏教でいうところの「ご先祖様がいる極楽」のことを指します。そして、私たちがいる世界は此岸(しがん)と呼ばれています。彼岸は真西に、此岸は真東にあると考えられており、そのことと、太陽の動きが彼岸に深く関わってくるのです。

秋分の日は、太陽が真東からのぼり真西に沈む日です。そのことから、彼岸と此岸の距離が最も近くなり、あの世とこの世が通じやすい日と考えられ、ご先祖様を供養する日となったのがお彼岸の由来とされています。

■春のお彼岸とは

春の彼岸は、春分の日を中日とした前後3日間、計7日間の期間のことをいいます。秋のお彼岸同様、お墓参りや供養をし、ご先祖様に感謝する日です。

春にもお彼岸がある理由は、春分の日の太陽の動きによります。秋分の日同様、春分の日は、太陽が真東からのぼり真西に沈む日なので、彼岸と此岸の距離が最も近くなることから、ご先祖様と通じやすくなるといわれています。

■お彼岸とお盆の違いは?

お盆もご先祖様を供養する日ですが、お彼岸とはどのような違いがあるのでしょう。

お彼岸とお盆の違い1:時期、期間が違う

お彼岸は、春分の日、秋分の日の前後3日間を合わせた計7日間です。 一方お盆は、関東地方では新暦の7月13日〜16日、他の地域では新暦の8月13〜16日頃となります。

見比べてみると、お彼岸は1週間あるのに対し、お盆は4日間程度です。また、お彼岸は春分の日、秋分の日によって決まるため、年によって時期が変わりますが、お盆は毎年同じ時期になります。

お彼岸とお盆の違い2:由来

お彼岸は、彼岸と此岸の距離が最も近くなり、あの世とこの世が通じやすい日と考えられていることが由来です。一方お盆は、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といわれる仏教行事で、「盂蘭盆経(うらぼんきょう)」というお経が由来とされています。

お彼岸とお盆の違い3:目的

お彼岸は、ご先祖様や故人を供養するのが目的です。お盆のように、ご先祖様が家に帰ってくるわけではありません。また、お彼岸には、悟りの境地へ達するための修行期間という意味もあります。

■秋のお彼岸の食べ物

秋のお彼岸の食べ物
秋のお彼岸の食べ物

秋のお彼岸に食べる物にはどんなものがあるのでしょうか。見ていきましょう。

おはぎ

秋のお彼岸といえば、おはぎです。おはぎは、お餅を小豆と砂糖で煮たあんこで包んだ和菓子ですが、秋のお彼岸におはぎを食べる理由は、小豆に隠されています。古くから赤い色には魔除けの意味があると考えられており、おはぎをお供えしたり食べたりすることで、邪気を払っていたのだそうです。

ちなみに春のお彼岸に食べるのは、ぼたもちです。これは牡丹の花が咲く頃に食べるという意味があります。

精進料理

秋のお彼岸には、精進料理を食べることもあります。その理由は、ご先祖様を供養する意味と、この世に生きている人にとって、お彼岸の期間が修行期間であると考えられているためです。

精進料理は、仏教の教えに基づき、肉や魚介類を使わず、穀物、野菜、豆類などの食材だけでつくるため、下ごしらえに手間がかかったり、食材や調味料に制限があります。そのため、手間のかかる精進料理をつくってお供えすること、それを食すことが修行の一環になるともいわれているようです。

■お彼岸にお墓参りをするのはなぜ?

お彼岸になぜお墓参りをするのかご存知でしょうか。その理由を3つご紹介します。

お彼岸に墓参りをする理由1:中道の教え

仏教には、中道を大切にするという教えがあります。中道とは、極端に考えず、中性、中立であることを意味します。 お彼岸の中日にあたる、春分の日、秋分の日は、昼と夜の長さがほぼ等しい日です。そのことが中道の教えと合致するため、この日にお墓参りを行うといわれています。

お彼岸に墓参りをする理由2:八王日に善行を行うとよいから

八王日(はちおうび)をご存知でしょうか。これは、季節の変わり目である立春、春分、立夏、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至のことをいいます。この八王日に善行を行うとよいという考えがあるため、お彼岸である春分、秋分にお墓参りをするとよいと考えられています。

お彼岸に墓参りをする理由3:ご先祖様とつながりやすい日だから

前述したとおり、春分の日、秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈む日です。そのため、彼岸と此岸の距離が近くなることから、お墓参りでご先祖様とつながりやすくなるため、という説もあります。

■お彼岸の墓参りの仕方

お彼岸のお墓参りにルールはあるのでしょうか。いつ行けばいいのか、行けない場合はどうしたらよいのかを解説します。

お彼岸の墓参り、いつ行けばいい?

お彼岸のお墓参りは、お彼岸中であればいつでもかまいません。都合のいい日を選んで行くとよいでしょう。 お墓参りの時間帯は、基本的には午前中に行うとよいとされています。これは、お墓参りを優先させることがご先祖様を供養するうえで大切だと考えられているためです。

くれぐれも、日没以降にお墓参りをするのは避けましょう。

お彼岸の墓参りに行けない場合は?

お墓が遠い場所にあったり、時間が取れなくてお墓参りに行けないこともあるかもしれません。 お墓が遠い場所にある場合には、お墓の近くに住む親戚に自分の分もお参りしてもらうようにお願いしましょう。また、最近では、墓参り代行サービスを活用するという手段もあります。

お墓参りをする親戚がおらず、時間が取れない場合には、お仏壇に故人が生前好んでいた食べ物などをお供えしたり、それを食べたりして、供養するとよいでしょう。

お彼岸の墓参りに備える花は?

お彼岸の際にお墓にお供えする花は、タブーとされている棘がある花、ツルがある花、毒がある花以外ならどんなものでもよいでしょう。おすすめなのは、故人が好きだった花や、春のお彼岸ならカーネーション、秋のお彼岸ならリンドウなど、季節のお花もいいですね。

■お彼岸にやってはいけないこととは?

地域によってはお彼岸にやってはいけないしきたりがあるところも。具体的にどんなことをしてはいけないのか、ご紹介していきます。

お彼岸にやってはいけないこと1:お祝い事

お宮参りや結婚式などのお祝い事は、お彼岸期間には避けたほうがよいと考えている年配の方もいらっしゃいます。お彼岸の期間にはご先祖様を偲び、供養することが重要とされているからです。周りの方で気にする人がいるならば、日にちをずらすことをおすすめします。

お彼岸にやってはいけないこと2:お見舞い

お彼岸の時期にお見舞いに行くのはNGです。その理由は、見舞われる人が、「相手からすぐに亡くなると思われているのではないか」「相手に故人として扱われているように感じる」などが挙げられます。お彼岸中のお見舞いは不謹慎な行為と見なされるので、しないようにしてください。

■お彼岸の仏壇のお供え物とは?

仏壇があるお宅では、お彼岸のお供え物に悩むかもしれませんね。何をお供えするとよいのか、説明します。

おはぎや故人が好きだった食べ物を

お彼岸にお仏壇にお供えするものは、春ならぼたもち、秋ならおはぎが定番です。また、落雁もよくお供えされます。落雁なら日持ちしますし、色や形もさまざまあるので、お仏壇が華やかになります。

そのほか、故人が生前に好きだった食べ物や料理を供えるのも、供養になります。

花に決まりはない

仏壇に供える花にとくに決まりはありません。白や淡い色、明るい色合いの花が選ばれやすい傾向にあるようです。また、故人が好きだった花や故人をイメージさせるような花、季節の花をお供えするとよいでしょう。もちろん、お彼岸の時期に売られている仏花のアレンジメントでもかまいません。

■お彼岸のお供え物、のしはどうする?

意外と悩みどころなのがお彼岸のお供え物にかけるのし。その選び方、表書きの書き方を説明します。

のしの選び方

お供え物ののしは、正式には掛け紙といいます。 お彼岸のお供え物のときには、引が黒白・または双銀(銀色)、関西地方などなら黄白の結び切りを選ぶとよいでしょう。

のしの書き方

表書きには、「彼岸供養」「粗供養」「御供」「御仏前」などのいずれかを書きます。名前は、家族であれば苗字は不要で、名前のみ書き入れます。

秋のお彼岸はご先祖様を偲んで

秋のお彼岸には、お墓参りをしたり、故人が好きだった食べ物やゆかりのあるものなどをお供えして食べ、偲びましょう。また、お参りの際に、ご先祖様に感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

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