毎年3月20日ごろに迎える「春分の日」。この日は季節の節目で、ようやく暖かくなり、花や鳥たちのさえずりも聞こえ、春を感じられるようになってきます。
本記事では、2020年の春分の日はいつなのか、また、春分の日のスピリチュアル的解釈、春分の日の食べ物・旬の花・鳥の鳴き声などをご紹介します。
■春分の日はいつ? どうやって決めるの?
季節の節目である「春分の日」は国民の祝日で、会社は学校はお休みになります。春分の日は、日にちが固定されておらず、毎年同じではありません。それでは毎年、どのように決められているのかご存知でしょうか?
2020年は、3月20日が春分の日で、祝日・お休み
春分の日は、日本の国立天文台が計算し、翌年の暦が書かれた「暦要項(れきようこう)」というものが官報に掲載されることによって、発表となります。
2020年の春分の日は、3月20日です。春分の日は、二十四節気のひとつ。この日は、1年に2回ある昼と夜の長さがほぼ等しくなる日です。
天の赤道(地球の赤道面を天球にまで延ばし、天球上に交わることでできる大円)と、太陽の通り道である黄道の交わる点を「春分点」といいます。太陽が春分点を通過する瞬間を迎えた日が春分の日となるため、毎年日にちが変わります。
また、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」として、祝日と定められています。
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■春分の日のスピリチュアル的解釈
春分の日は、スピリチュアル的な観点からみると、「宇宙の元旦」「宇宙の新年」と解釈されているようです。
たとえば、占星術でいうと、春分の日は、12星座の始まりである牡羊座が太陽に入る日であることから、宇宙の暦はこの日から始まるとされています。
この日は、エネルギーが大きく入れ替わるタイミングといわれ、宇宙のパワーをしっかり受け取ることで運気が上がると考えられているようです。
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■春分の日に食べる「食べ物」とは
春分の日は、春のお彼岸のちょうど真ん中の日でもあります。春のお彼岸には「ぼたもち」を、秋のお彼岸には「おはぎ」を食べますが、この違いはどのようなところにあるのでしょうか? その理由を解説しましょう。
春分の日に食べるのは「ぼたもち」。「おはぎ」ではない
「ぼたもち」と「おはぎ」。基本的には、見た目も味も同じものです。しかし、春分の日には「ぼたもち」を食べ、秋分の日には「おはぎ」を食べます。この違いは、季節によるものです。
春分の日の「ぼたもち」
春に食べる「ぼたもち」は、季節の花である牡丹に見立てたことから「牡丹餅」と呼ばれ、のちに「ぼたもち」と言われるようになりました。牡丹は丸くて大きな花をつけるので、ぼたもちもそれに倣って丸く大きくつくります。
また、小豆の収穫時期は秋ですが、春のお彼岸まで保存された小豆は、どうしても固くなってしまいます。そのため、春に食べる「ぼたもち」には、固い小豆が食べやすくなるよう、潰したこしあんを使うのだそうです。
秋分の日の「おはぎ」
一方、秋に食べる「おはぎ」は、秋の花である萩に見立てて「おはぎ」と言われるようになりました。萩の花は小さいので、小ぶりの俵形につくります。そして、秋に収穫されたばかりのやわらか小豆を使い、豆のそのままのおいしさを味わうため、粒あんを使うといわれています。
「ぼたもち」を食べる由来
春分の日にぼたもちを食べる理由は、ぼたもちに使われている「小豆」がキーワードです。
古来から、日本では、小豆の色である「赤」には、魔よけの力があるとされていました。そのことから、邪気を払い、災難から身を守ってくれる食べ物として、小豆を使ったぼたもちがつくられました、そして、ご先祖さまのお供え物として、お彼岸に食べるようになったといわれています。
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■春分の日に食べるもの、旬の食べ物
ぼたもち以外にも、春分の日にちなんだ料理や、この時期に旬を迎える食べ物があります。それらをご紹介しましょう。
「精進料理」
春分の日は、春のお彼岸でもあるため、この日にいただく食べ物としては、精進料理が一般的です。
精進料理は、仏教の戒律である「不殺生戒」に基づき、肉や魚介類を使いません。穀物、野菜、豆類などの食材だけでつくる料理ですので、下ごしらえに手間がかかったり、使用できる食材や調味料にも制限があります。
そのように、つくるのが大変な精進料理をお彼岸に食べる由来には、生きる者にとって、この世は修行の期間であることから、手間のかかる精進料理をつくってお供えし、それを食すことが修行の一環になる、という説もあるようです。
「つくし」
3月上旬~4月中旬ごろまで採れる春の山菜、つくし。つくしはやや苦味がありますが、佃煮や煮物などにすると、おいしくいただけます。
つくしには、ビタミンやミネラル、β-カロテン、カリウムなど、栄養素が豊富に含まれています。そのため、エイジング予防や美肌、むくみの改善をサポートしてくれます。女性にはうれしい作用がたくさんあるので、春には積極的に食べるといいでしょう。
「八朔(はっさく)」
はっさくは、サクサクとした食感と、甘酸っぱさが特徴。12~2月ごろに収穫し、1、2か月ほど寝かせて、酸味を落ち着かせて出荷されます。ですので、食べごろとなるのは2〜3月です。
ビタミンC、葉酸、カリウム、食物繊維を多く含むため、風邪予防や疲労回復に役立ち、さらに美容作用も期待できます。
「真鯛」
縁起のいい食材で思い浮かべるのは鯛ではないでしょうか。鯛は、「めでたい」という語呂のよさから、お祝いごとでよく食卓にあがります。
また、旬である産卵期直前の時期は、桜の頃。そのことから、この時期の鯛を「桜鯛」といい、珍重されます。
「桜餅」
3月になると、和菓子店でも見かけるようになるのが「桜餅」です。桜餅には、関東風の「長命寺」と、関西風の「道明寺」の2種類あります。
「長命寺」は薄く伸ばした皮であんこを包んだもの、「道明寺」は、あんこを道明寺粉でまんじゅうのように包んだものです。 春分の日に食べて、春を感じてみてはいかがでしょうか。
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■春分の日に愛でたい旬の花
春分の日には「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という日だと、法律で定められています。そこで、春分の日に愛でたい花をご紹介します。
「ソメイヨシノ」
桜の品種のひとつ「ソメイヨシノ」は、春分のころから2週間程度咲きます。日本全国に植えられている桜の約8割は、このソメイヨシノなのだそうです。
花言葉には、「純潔」「優れた美人」があり、花の美しさをしとやかな女性になぞらえて付けられました。
ちなみに、着物などに使われる桜文様には、一斉に咲き誇る様から「繁栄」や「豊かさ」を表しているといわれています。
「桃」
ひなまつりのイメージがある桃の花ですが、開花のピークは春分の日のころ。桃色のかわいい花をたくさん咲かせます。
桃は古来から、邪気を払う、魔除けになる、不老長寿の薬になるなど、縁起のいい植物としてして知られています。お部屋に、縁起物の桃の花を飾るのもおすすめです。
「モクレン」
外側は美しい紅紫、内側は白い花を咲かせるモクレン。モクレンは、春分の日くらいから4月末ころまでが見ごろです。
モクレンには、その名前から縁起がいいと人気になっている品種があります。それが「金寿」です。この金寿は、緑色から黄色へと変化する花の色が美しく、大輪の花がたくさん咲き、長い期間楽しめます。
■春分の日に聞きたい鳥の鳴き声
春には、鳥たちの鳴き声が聞こえてきます。春分の日には、鳥の鳴き声に耳をすまし、緑の中を散策するのもいいですね。
「ウグイス」
初春から、「ホーホケキョ」という鳴きはじめるウグイス。日本三鳴鳥(にほんさんめいちょう)のひとつで、さえずりが美しい鳥です。春になると、森林や草地、市街でも見かけるようになります。
ウグイスの色は、緑がかった茶色で、メジロのように鮮やかな鶯色ではありません。間違えないように注意しましょう。
ウグイスの鳴き声を聞くと幸運が訪れるといわれています。その理由は、ウグイスの別名にあります。「春告げ鳥」と呼ばれることから、春を知らせることが、いいニュースを知らせることにつながるからなのだそうです。
「メジロ」
ウグイスに間違えられやすいメジロは、目の周りが白く縁取られているのが特徴です。また、さえずりが美しいことでも知られており、甘い感じの声で「チィチィチィチィチィ」と鳴きます。
メジロは花の蜜が好きなので、市街地や住宅街でも頻繁に見かけることができます。
「ツバメ」
「チュリチュリチュリチュリ」という鳴き声が聞こえてきたら、それはツバメです。ツバメは渡り鳥で、春になると日本にやってきます。
ツバメも縁起のいい鳥です。「ツバメが巣をつくると、そこに幸運を運んでくる」と聞いたことはありませんか。この巣づくりには、「ツバメが三度巣をかけると千万長者になる」、「ツバメが家の軒に巣をかけると豊作」、「ツバメの巣をつくるとお店が繁昌する」などの言い伝えがあります。
ツバメの鳴き声とともに、巣を探してみるのもいいかもしれません。
春分の日から、本格的な春到来!
当記事では、春分の日はいつで、どうやって決めるのか、春分の日のスピリチュアル的解釈をご紹介しました。
また、春分の日に食べるのは「ぼたもち」で「おはぎ」ではないこと、さらに、ぼたもち以外の春分の日の食べ物をチェックしています。重ねて、春分の日に愛でたい旬の花、春分の日に聞きたい鳥の鳴き声もまとめてみました。
春分の日は、桜や桃など、春を感じさせる花が一斉に咲き出し、ウグイスやメジロのさえずりが聞こえ出すころです。春分の日には、行事食であるぼたもちや、旬の食べ物をいただいて、春が来たことを喜びましょう!
- TEXT :
- Precious.jp編集部