仕事をしっかり進められる自負をもったビジネスウーマンなら、業務を効率的に終わらせて、職場からさっそうと帰る姿も、印象づけたいもの。企業がサービス残業の問題に本格的に取り組み、残業に対する国の監視がいっそう厳しくなるこれからの時代は、限られた時間を有効活用できる人材が、より求められていくといえます。

それなのに、気がつけば残業ばかりの毎日を送っているとしたら? 周りからの評価も落ちて、自信もなくなってしまうことでしょう。そこで、コンサルタントとして100社以上のクライアントを持ち、さらに仕事術をはじめとする多数の著書を世に出している野呂エイシロウさんに、「実は時間を無駄にしてしまっている8つのよくない習慣」について、話を聞きました。

自分に思い当たることがあればしばらくの期間、気をつけてみて、今以上に充実したビジネスライフを実現しましょう。

■1:タラレバ話ばかりを口にする

「ビジネスで最も必要なのはスピードだと言われています」とは、野呂さん。

「職場の飲み会の席などでよく、『私がもう少し若かったら……』をはじめ、タラレバ話をする人がいます。ですが、変えられない物事を嘆いても時間をムダにするだけです。そこで、『ムダなことは考えない』と決めてしまえば、行動に移ることができます。考え続けていても失敗はしないかもしれませんが、考えているだけでは成功することもありません。やってみなければ何もわからないといえます」

確かに、「もし、〇〇なら……」と考えてしまうことはありますが、実はそう考える時間そのものを、無駄にしてしまっているのです。

■2:都度スマホに反応する

野呂さんは、「スマホにSNSのメッセージが表示されたり、着信があったりすると、つい反応してしまいがちです」と指摘します。

「しかし、スマホにその都度、反応していたら、目の前のタスクが進みません。資料を読むなら資料を読み、メールを書くならメールを書くことに集中し、できるだけ早く終わらせた方が効率的です。

複数の仕事を同時進行するマルチタスクは、生産性が下がるという脳医学の研究結果も出ています。集中するためには、スマホを机の上に置かないようにすることもひとつの方法では」

スマホは便利な道具ですが、かえって時間を浪費することもあるようです。

■3:いつでも電話にすぐ出る

電話に出ない時間も必要

さらに、「仕事を早く終わらせるには、自分の時間を確保して、邪魔が入らないようにすることも大切です」とも。

「インターネットの普及で以前よりも仕事で電話を使う機会は減りましたが、それでも電話がかかってくることがあります。自分宛ての電話にはひとまず出るという人も多いと思いますが、それはある意味、相手の都合にばかり合わせていることにもなります。自分の時間を取られてばかりでは仕事が進みません。

なので、いっそのこと、電話に『出ない』ということもひとつの方法です。たとえば、周りの人に『今日の11時から12時は集中したいので、電話は取り次がず、折り返しにしていただけませんか?』と、あらかじめお願いするようにしてみるのはいかがでしょうか。日ごろからがんばっている人なら、周りの人もきっと理解してくれるはずです」

一日の中で、「この時間は自分の中で絶対に譲れない」という時間を設けるようにすると、仕事が効率よく進むそうです。当然、周りの人の協力が必要になるだけに、毎日の仕事で成果をあげて、ぜひとも一度、“電話に出ない時間”を試してみたいですね。

■4:仕事をすべて自分ひとりでやろうとする

仕事を頼める力も能力

また、野呂さんによれば、仕事は自分ひとりで完結させるよりも、周りの人に協力してもらったほうが時間を有効活用できるとのこと。

「仕事ができる人の中には、全部自分でやってしまうタイプの人もいると思います。しかし、限られた時間を有効活用するには、自分だけで終わらせるのではなく、他の人の力を借りた方が、効率的かつ短時間で仕事を進めることができます。

普段から、『ここの部分だけやってもらえないでしょうか?』と、仕事を同僚にお願いする習慣をつけておきましょう。もちろん、自分も相手の仕事を手伝うことが必要になりますので、無理のない範囲で力になるようにしましょう。このサイクルが回りはじめると、仕事を頼む行為が日常になるため、仕事が進みやすくなります」

忙しいとかえって仕事を自分ひとりでやってしまうタイプの女性には、参考になりそうですね。

■5:仕事を後回しにする

野呂さんは、「時間を無駄にする原因のひとつに、来た仕事にすぐに取り組まないことがあります」とも。

「後になると『なんだっけ?』ともう一度考えることになり、考えるその時間がコストになります。納期を過ぎていたら、焦ってかえって収拾がつかなくなってしまうことも多々あります。手をつけていない仕事がたまっていくと、そのぶん心配事も増えるため、精神的にもきつくなります。

なので、後回しにせずに、仕事が来たら”ほんの少しでもよいので手をつけてしまう”ことが大事です。原稿を書く仕事なら、その場で『タイトルだけ書いてしまう』とか、『最初の3行だけ書いてしまう』など。そうすれは、その仕事は、『手をつけていない仕事』から、『やりかけの仕事』に移ります。『途中からなので後でまとめればいいわ』と思うこともでき、精神的に楽になります」

少しだけでもやり始めることで、精神的にも楽になるというのは、目からうろこですね。是非とも実践したいものです。

■6:いつまでもリセットしない

ひとつ前にご紹介した“仕事を後回しにする”の応用になりますが、野呂さんは「時間をムダにしないために何よりもいちばん大切なのは、どこかのタイミングで1回、手持ちの仕事をゼロにしてしまうことです」と提案します。

「手持ちの仕事をすべて終わらせて、いったんゼロにしてしまったら、来たものからどんどん片づけてしまえばよいという状態になります。心身ともにすっきりして、次からは、仕事が来るたびにどんどんこなしていくことができます」

「私はいつでも忙しい」と思っている人こそ一度、試してみる価値がありそうですね。

■7:スマホを有効活用しない

応用編でもうひとつ、野呂さんは「スマホを活用することでムダな時間をなくすことができます」とコツを教えてくれました。

「『パソコンがないから、今はこの仕事はできない』と思ってしまう人が多いのですが、インターネットが使えるスマホが手元にあるのですから、電車に乗っている最中でも、スマホを使ってその場で仕事をどんどんすませてしまうことが、自分の時間を増やすことにつながります。

例えば、『会社に帰ってからメールします』ではなくて、その場でスマホを使ってメールを送ってしまうとか。その方がスッキリしますし、人間は仕事が終わらないとストレスを感じてしまうものです」

ストレスを感じると、電車の中でゲームをしたりしてしまいます。ただ、そのゲームで負けてしまったら、よけいにストレスを生み出してしまいます。イライラは後を引いて、解消するまで仕事の効率が下がります。その時間は無駄となってしまいます。移動中にゲームをするくらいなら、たとえ10分でも、スマホで仕事をした方がムダを省けますし、10分でも意外と仕事はできるものです」

さらに野呂さんは、「実は、ストレス解消のためにやっていると思っていることで逆にストレスを生み出していることは多いのです」と警笛を鳴らします。気をつけたいですね。

■8:急な仕事より、現在進行形の仕事を優先する

急にやって来る仕事への対応が、周囲の評価を分ける

キャリアを積んだ女性こそ、見直したいのは、急にやってくる仕事への対応方法です。

野呂さんは「急な仕事を依頼されたときに、『今、Aという仕事とBという仕事があってすぐにはできません。Aが終わったら少しは時間ができるのですが……」などと答えてしまっていることはありませんか? しかし、これでは、仕事を頼まれているのにできるのかできないのか?の返事をしていることにはなりません。相手からも“めんどうな人”と思われてしまいます」と指摘します。

「逆に、『今週の金曜日の18時までの提出でよろしいでしょうか?」と納期をすぐに提案できれば、“頼りになる人”と思ってもらうことができます」とも。

「キャリアを積んでいくと1日の時間配分が重要になりますし、急な依頼やトラブル対応が割り込んでくることもしょっちゅう。しかし、いつかやらなければならない仕事なら、いつやろうかと悩むことは時間がもったいないので、『30分で終わらせよう』などと時間を決めて、すぐに済ませてしまえばよいのです。

急な依頼をすぐに済ませてしまう習慣を身につけてしまえば、相手にも喜ばれます。理想はその日のうちに終わらせてしまうことですが、たとえすぐに取りかかることができなくても、納期の提案をスムーズに行うことができ、相手からの信頼に繋がります」

“いつやろうかと悩む時間がもったいない”という発想を身につけてしまえば、仕事がどんどん進みそうですね。

以上、「実は時間を無駄にしている」8つの悪習慣をご紹介しました。

ご自身の姿を省みて、ひとつでも思い当たる節がある方は、仕事のやり方をまずはひとつ、見直してみてはいかがでしょうか。残業が減ればそのぶん、プライベートを充実させることができます。職場での姿が周りの人に好印象を与え、「あの人は輝いている」と言われるようになりたいものですね。

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PROFILE
野呂エイシロウ(のろ えいしろう)さん
放送作家・戦略的PRコンサルタント。1967年愛知県生まれ。愛知工業大学卒業。中学生の頃から放送部に所属してラジオに親しみ、「人が読みたくなる投稿」を追究していった結果、「オールナイトニッポン」などで連日投稿が読まれるようになる。大学時代には学生マーケターとして活躍。学生向け家電の企画立案・宣伝・PRに携わる。その後、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。30歳のとき、戦略的PRコンサルタントとしての活動もスタート。
『考えなくてもうまくいく人の習慣』野呂エイシロウ・著 ワニブックス刊
この記事の執筆者
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WRITING :
竹内みちまろ