最近、下着に限らずファッションブランドでも取り扱いが増えているオーガニックコットン。その背景には、ニューノーマルの時代となりおうち時間が長くなったことで「肌触りの良い物を身に着け快適に過ごしたい」と思う方や、色々と不安が募る中「優しい肌触りに癒されたい」と思う方などが増えたことがあるようです。そもそも普通のコットンとオーガニックコットンの違いは何なのか? どんなブランドがあるのか? ランジェリーのプロである川原好恵さんに教えていただきましょう。
ついリピートしてしまう「オーガニックコットン素材」。では、普通のコットンとの違いって何?
まずは、オーガニックコットンの定義から確認しましょう。
「オーガニックコットンは、オーガニック農産物等の生産方法についての基準に従って2~3年以上のオーガニック農産物等の生産の実践を経て、認証機関に認められた農地で、栽培に使われる農薬・肥料の厳格な基準を守って育てられた綿花のことです。」
綿花という植物が原料となるのは普通のコットンもオーガニックコットンも同じですが、その綿花の育てられ方が大きく異なるということ。オーガニック農作物を育てられる環境に土が生まれ変わるまで2〜3年と長い年月がかかるため、その転換期、農家の収入が途絶えてしまっては農家の存続にもオーガニックコットンの広がりにも支障が出てしまいます。そのため、その転換期に栽培された綿花から作られるコットンを「プレオーガニックコットン」として販売する動きもあります。
着ている者に安らぎを与える、ふくよかな肌触り
また、効率を重視した大量の綿花栽培には多くの化学肥料と農薬を必要とするため、環境保全にも農家の人々の健康にも悪い影響を与えてしまいます。オーガニックコットン製品を購入する人が増えて需要が高まれば、そんな化学肥料や農薬を使わないオーガニック綿花を栽培する農家が増え、地球環境や農場で働く人々の健康を守るということにつながります。オーガニックコットンを愛用することは、そんなサステナブルな側面もあるのですね。
農薬や化学肥料を使わず育てられた綿花からつくられたオーガニックコットンの肌触りは、着ている者に安らぎを与えてくれるふくよかさ。オーガニックコットンのアイテムはリピートされる方が多いと聞きますが、きっとその感触の優しさが愛される理由なのでしょう。愛用することがひいては環境や人に優しいサステナブルな消費につながるというのも素敵ですね。
オーガニックコットンのインナーを展開するブランド5選
老舗のブランドから注目のファッションブランドまで、おすすめのオーガニックコットンブランドを川原さんがセレクト。デイリーインナーとして活躍する物からコーディネートのアクセントになりそうなアイテムまで、豊富なラインナップです。
■1:オーガニックコットン100%「プリスティン」のブラキャミソール
1996年にデビューし、オーガニックコットンのあるライフスタイルを世に広めてきた老舗「プリスティン」。糸から生地、製品になるまで、すべてメイド・イン・ジャパンを貫き、ランジェリーのほか、レディス&メンズウエアやベビー服、ライフグッズなど幅広く展開しています。春夏から続いて人気のブラジャー内蔵型のキャミソールとキャミワンピースは、強撚糸を使ったリネンのようなシャリ感。カップ下のゴム部分もオーガニックコットンで包んで優しい肌触りに。
■2:細やかなディティールにこだわった「スキンアウェア」のベロアシリーズ
おしゃれな女性達に人気のブランド「スキンアウェア」。温かみを感じるベロア素材のキャミソールとブラトップは、華奢なストラップやほどよく深く開いたVネックなど、細やかなディティールのこだわりにセンスを感じます。コレクションごとに様々な色で表現するボタニカルダイも「スキンアウェア」の魅力。このブラウンは、黒い花びらが印象的なマローブラックを使って染色。自然の色が生み出すニュアンスを楽しめます。
■3:「スープレルース」自慢の定番アイテムにマルベリー色が登場
肌触りにこだわり、シンプルなデザインのなかにそこはかとなくエレガンスと色っぽさが漂う「スープレルース」。内側にブラパットが出し入れできるキャミソール、かぶって着用するソフトブラ、優しい肌あたり設計のショーツの定番4アイテムは自慢のロングセラー。ボタニカルダイで染めた数量限定のシーズンカラーを展開しており、今シーズンは「マルベリー」が登場。スーピマオーガニックコットンの柔らかい肌触りと植物由来の美しい色が表現されています。
■4:日本を代表する肌着メーカー「グンゼ」のオーガニックコットンシリーズ
日本を代表する肌着メーカー「グンゼ」。オーガニクコットン100%、さらにその綿の性能をあげたグンゼオリジナルコットンで編み立てた肌着です。通常の綿より吸湿性も吸汗速度も高く、衣服内をムレにくくコントロール、汗のニオイの元となる成分に消臭効果(体質等により個人差はあります)を発揮するなど、機能面も優秀です。チクチク感じることもある洗濯タグをなくし転写プリントにするなど肌への優しさも追求。シンプルなデザインだからオールマイティに活躍します。
■5:気持ち良くて何枚もそろえたくなる「リグ」の天竺Tシャツ
ファッションブランドのパタンナーさんが、良い素材を作る生地屋さん、繊細な素材を巧みな技術で縫い上げる工場さんと共に作り上げる「リグ」。あえてシーズンごとのモデルチェンジはせず、愛されるデザインを作り続けています。1枚で着ても重ね着してもOKの天竺素材のTシャツは、その軽さと肌触りの心地良さが手放せなくなり、色違いで何枚もそろえたくなるほど。パッチはワンピースやチュニックに合わせ、コーディネートのアクセントにしてみては?
「気持ちいいから、ついオーガニックコットンのものを選んでしまう」とはよくお聞きする声。まだ、身に着けたことがない方は、その心地良さを実感できるインナー類からオーガニックコットンライフを初めてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- アバンティ TEL:03-3226-7789
- スキンアウェア TEL:03-6434-9005
- メイデンカンパニー(スープレルース) TEL:03-5410-8873
- グンゼ TEL:0120-167874
- リグ アンダーウエア TEL:042-518-7629
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- TEXT :
- 川原好恵さん ランジェリーライター
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- WRITING :
- 川原好恵
- EDIT :
- 石原あや乃