「猫の楽園」と呼ばれ、島民15人と猫140匹が共存する島・青島(愛媛県大洲市)。今や日本だけでなく世界にも観光スポットとして知られるようになった、青島の猫たちをご紹介します。
今回は「子どもを守ろうとする親猫の写真」を厳選。猫の天敵がいないという青島でも、思わぬ伏兵が潜んでいるようで……。
『猫の楽園の島 青島』シリーズの著者であり、SNSを通じて青島の猫たちの魅力を紹介されている小野一幸さんに、写真とともに解説していただきました。必死な親猫の姿は、見ているだけで胸が張り裂けそうになります。
■1:見張っているから大丈夫
お乳を飲んでいる子猫。お母さんは厳しい目つきで周りを見渡しています。青島ではメス猫(推定55匹)の避妊手術が行われましたが、オス猫の去勢手術はまったく行われていません。
メス猫に相手をされなかったオス猫は、メス猫の産んだ子猫をかみ殺すことがあります。そのため、お母さんは我が子を守るために必死なのです。
■2:しっかり守る
子猫たちは一心不乱にお乳を飲んでいますが、お母さんはあたりを見渡して警戒。見慣れない観光客やオス猫からかわいい子猫を守るため、いつでも注意を怠りません。
■3:漁網干場にて
島の東側にある漁網干場は、猫たちが集まって昼寝をする場所です。真夏の暑い時期、親は涼しいところを見つけて子猫たちを呼びよせます。
■4:我が子を抱きかかえる
道端で休んでいたところに、1匹の子猫がやってきて甘えています。そこに観光客が近づいて写真を撮ろうとしました。その瞬間、危険を感じたのか子猫を抱きかかえたお母さん。母親の本能を感じます。
■5:体を寄せてあたたまる
秋になり、日中も少し肌寒くなってきたころ。子猫たちがお母さんにぴたりと体を寄せて丸くなっています。お母さんは子猫たちを抱きかかえ、温めています。
■6:ドキンちゃん母親になる
青島のアイドル猫No.1、ドキンちゃん。『アンパンマン』に出てくる「ドキンちゃん」に頭の毛並がそっくりなんです。ドキンちゃんも母親になりました。でもまだ母親として慣れていないドキンちゃんは、子猫のそばを離れず、じっと見守っています。
島の猫の中で、ドキンちゃんのように名前がついている猫は20~30匹ほど。ひと目でほかの猫と区別がつく猫の場合は名前をつけやすいのですが、双子猫、三つ子猫のように顔がそっくりな猫の場合、名前がつけづらいのです。
■7:お母さんが帰ってきた!
自分の栄養をとるために食事に出かけていたお母さん。その間、4匹の子猫は帰りをじっと待っていました。やっと自分たちの元に帰ってきたお母さんを見て、子猫たちはひと安心です。
■8:残暑が厳しい青島
9月になってもまだ暑さが残る青島。涼しい日陰に入ってお母さんが子どもにお乳を与えています。授乳中でも常に周囲に敏感なお母さんです。
■9:母の自覚
母親の自覚が出てきたドキンちゃん。子猫たちに危害を加えようとするオス猫がやってこないかどうか、やっぱり心配で見張っています。
■10:母親の威光
お母さんの体の下から顔を出した子猫。愛想がよく人なつこい青島の猫ですが、子猫たちはまだ観光客に慣れておらず、気の強いオス猫にも心を許しません。
以上、子猫をしっかり守ろうとする、強く美しいお母さん猫の1シーンをお届けしました。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- Kumi
- WRITING :
- 小野寺るりこ