単なる商品を超えて、アートピースのような美しさとクラフトマンシップが宿るオブジェを幅広く展開するHERMÈS(エルメス)。ちょっと意外な(?)灰皿も、実は隠れた人気を誇る存在。1950年代初頭に誕生して以来、その豊かな色彩と繊細な技術で、日々の暮らしを彩っています。
今回は、デザイナーやイラストレーターとしても活動するアーティストの野村大輔さんがデザインを担当した一品をご紹介します。
エルメスとアーティスト・野村大輔さんの魅力が融合した灰皿
野村大輔さんは、2009年にはエルメス主催のネクタイのデザインコンテストで審査員特別賞を受賞したほか、それ以降カレやオブジェなど様々なアイテムのデザインを手がける、エルメスと縁の深いアーティスト。今回の灰皿「メガ・シャリオ」は、2020年秋冬シーズンのメンズのカレでも発表された作品です。
ギリシャ神話などからヒントを得たデザイン
「メガ・シャリオ」は、3代目社長のエミール・エルメスが蒐集をスタートした「エミール・エルメスコレクション」に収められている子供用の馬型三輪車(なんと、ナポレオン三世が息子に贈ったといわれているものだとか)と、ギリシャ神話からヒントを得て誕生した作品。
それらに加えて、野村大輔さんが自身の幼少期を過ごした’80年代に人気だったアニメーションなど、記憶に残るパーツを組み合わせながら作品が完成したといいます。
ベースになった神話は、アポロンの戦車を無断で借用したとされる神、ヘルメスのストーリー。ここではロボットに姿を変えた三輪馬車が、ギリシャの神々が住むオリンポス山に向かって走り出そうとする姿が描かれています。
360度美しいディテールへのこだわりとは?
■1:カラーリトグラフによる絵付け
絵付けはカラーリトグラフによるもの。0.1mmも違わず転写する必要があるため、非常に高い技術を必要とします。エルメスの工房にもこれができる職人は数人しかいないという、クラフトマンシップを感じるアイテムです。
■2:ハンドペイントで描かれた縁のデザイン
また、クラフトマンシップといえばプラチナで着色された縁の部分にもご注目を。繊細で緻密な着色、なんとハンドペイントなのです。見れば見るほどため息がでる、正確無比な手しごとです。
■3:ベロア仕立ての裏面デザイン
裏部分はシェーヴル(山羊革)のベロア。置く際に音がしないように、また、テーブルなどに傷がつかないように配慮された、エルメスならではの細やかで上品なディテールです。
今回は、エルメスの灰皿のなかからアーティストの野村大輔さんが手がけた「メガ・シャリオ」をご紹介しました。本来の用途はもちろん、ジュエリーや小物用のトレイとしても、またアートピースとしても愛することができる逸品。
アートピースのような美しさと職人のクラフトマンシップが宿る、最上質なオブジェといえるでしょう。メカニックなタッチが魅力的な作品なので、メンズへのギフトにもぴったりです。
※掲載した商品は、すべて税込です。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 木村 慎
- WRITING :
- 門前直子
- EDIT :
- 石原あや乃