【目次】
顔の毛穴の深刻度
20代のころから始まった頬に目立つ毛穴とのおつきあい。このおつきあい、なくなるどころか、年齢とともにどんどん厄介になっていて…。大人の毛穴悩みは、たるみからさらに深い悩みへと進行していたのです。
今こそ、真剣に向き合ってみませんか?
毛穴悩みといえば、多くの人が最初に向き合う肌トラブルといえるでしょう。若いころは皮脂分泌が多いTゾーンの部分にできる毛穴の黒ずみや角栓、開きなどが主な悩みでしたが、20代半ばのわりと早い段階からは、たるみによる毛穴悩みへと変化。
そこから大人世代まで長きにわたって毛穴とつきあってきたわけですが、実は毛穴はたるんで形状変化して終わりではなかったのです。
初期はたるんでしずく形になりますが、徐々に毛穴が連なってきて、キメが乱れてシワっぽく見えるようになっていきます。最終的には、完全に線状になってシワとなるのが、たるみ毛穴の終着点。
そのため、毛穴がどんな段階にあるかでケア法を変えていく必要性も出てくるのです。
「丸」じゃなくて「線」になっているかも!? 大人毛穴はこう変化していく
<STEP.1>「開く」
早い人で20代半ばくらいから気になりだす頬の毛穴。最初は毛穴が開き、その存在が浮き彫りに。
<STEP.2>「垂れる」
頬の毛穴がだんだんとしずく形になり、よりその存在感が増すように。ここでたるみを意識する。
<STEP.3>「連なる」
しずく形にたるんだ毛穴同士の距離がだんだんと縮まり、連なって見えるように。深刻度がアップ。
<STEP.4>「線になる」
たるんだ毛穴同士が完全につながると、小ジワのような線になっていく。これがたるみ毛穴の最終形。
そのシワの原因はたるみ毛穴かも!? 4段階で変化する「大人毛穴」の深刻度をチェック
顔の毛穴の目立ちを加速させる原因【8選】
「毛穴の開き」や「黒ずみ毛穴」、「たるみ毛穴」など毛穴に悩む女性は多いもの。毎日しっかりお手入れをしているのに、なかなか改善しない、逆に毛穴がより目立つようになってしまったという声も多く聞かれます。
そこで、大人の毛穴悩みを解消すべく、毛穴研究の第一人者である「青山ヒフ科クリニック」の亀山孝一郎先生に、毛穴を目立たせてしまう要因と、その改善策について、お話を伺いました。生活習慣や食事、スキンケアなど、毛穴にとって良くないこと、さらには見直すべきポイントを、早速ご紹介します。
【1】ストレスを溜め込んでしまう
「大人の毛穴には、ストレスが大きく関係しています。毛穴が目立ってしまうのは、皮脂量が多いことによるものですが、ストレスは皮脂の分泌を増加させるので、毛穴を目立たせる原因に。毛穴の出口がぽっかりと開いた『すり鉢毛穴』や、角栓が詰まった『詰まり毛穴』は、過剰な皮脂が原因で起こります。
また、ストレスを感じると交感神経が優位になり、毛細血管が収縮し、血流が低下。肌に栄養が行き渡らなくなることで、肌の弾力に欠かせないコラーゲンやエラスチンが減少し、『たるみ毛穴』を進行させます。40歳を過ぎると、加齢による肌のたるみはすでに始まっていますが、ストレスでさらに毛穴のゆるみを加速させないよう、できるだけストレスを減らすことを心がけましょう。
運動はストレス解消に役立つばかりか、体内でAMPKという美肌と若返りの酵素が増えるので、毛穴レスな肌はもちろん、エイジング対策にもおすすめです」(亀山先生)
【2】過食・食べ過ぎ
「健康維持のために、食事の量は『腹八分目』とよく言われますが、お肌のためにも、食べ過ぎは禁物。暴飲暴食や偏った食生活は、毛穴に悪影響を与えることが分かっています。お腹いっぱいに食べると、細胞内にあるミトコンドリアから皮脂の合成を促すシグナルが出され、毛穴の開きや炎症へとつながってしまうのです。
大切なのは、バランスのとれた食事を適量とること。ヘルシーな体や肌を維持するためには、野菜やタンパク質を多めにした食事を意識しましょう。
また、美肌やエイジング、健康に欠かせないビタミン類ですが、食事だけで補うのは難しいうえ、肌に行き渡るのはごくわずか。特に、美肌ビタミンでもあるビタミンB群やCは不足しがちなので、サプリメントを上手に活用するのがおすすめです」(亀山先生)
【3】高脂肪・高糖質な食事が好き
「脂身の多い肉や揚げ物、炭水化物、甘いものなど高脂肪&高糖質な食事は、皮脂腺に刺激を与え、皮脂分泌を増やします。さらには、腸内の悪玉菌を増やし、腸内環境を悪くすることも分かっています。悪玉菌が作り出す有害物質は、腸から吸収されて全身を巡り、過剰な皮脂やニキビ、毛穴の炎症を引き起こす原因にもなっています。
毛穴レスな美肌を目指すなら、納豆やヨーグルト、食物繊維が豊富な野菜など、善玉菌を増やす食事を心がけ、腸内環境を整えることも大切です」(亀山先生)
【4】生理前に甘いものを食べてしまう
「生理前になると、チョコレートやケーキ、アイスクリームなど、甘いものを食べたくなる人は多いと思いますが、控えるようにしましょう。排卵後から生理前は黄体ホルモンが優位になるため、皮脂の分泌が増え、肌がベタつき、毛穴も開きやすくなっています。甘いものは皮脂腺に刺激を与え、皮脂分泌を増やすため、さらに追い討ちをかけることになってしまうので要注意」(亀山先生)
【5】睡眠不足
「『成長ホルモン』は、睡眠中に多く分泌され、骨や筋肉の成長を促す他、代謝をコントロールしたり、女性ホルモンの分泌を促すなど、美肌に欠かせない重要なホルモンです。しかし、睡眠時間が短いと、成長ホルモンの分泌が少なくなり、代謝が低下。ホルモンバランスの乱れにより、皮脂分泌も活発になり、毛穴が開いてしまうのです。また、眠りが浅いなど、十分に疲れが取れていない状態が続くことでも、皮脂分泌は増加します。
『成長ホルモン』は、入眠30分から1時間の間に最も多く分泌されるので、睡眠時間を確保するだけでなく、この時間帯に深く眠っていることも毛穴レスな美肌にとって重要なポイントになります」(亀山先生)
【6】紫外線対策をしていない
「紫外線は皮膚に炎症を与えるだけでなく、皮脂の酸化を招きます。酸化した皮脂は毛穴を刺激し、炎症を悪化させるため、ぽっかりと開いた『すり鉢毛穴』の原因に。また、紫外線は肌のターンオーバーを乱すため、角質が厚くなり、『詰まり毛穴』を引き起こすことも。さらには、紫外線UV-Aは、肌の奥の真皮に到達し、コラーゲンやエラスチンを破壊するため、『たるみ毛穴』を進行させてしまいます。
日焼け止めを塗るのは外出する時や、日差しが強い夏場だけという方も多いですが、紫外線UV-Aは窓ガラスを通過して室内に入ってきますし、年間を通してほぼ量も変わりません。毛穴トラブルを防ぐためにも、1年365日、外出時だけでなく、部屋の中でも日焼け止めを塗ることを習慣にしましょう」(亀山先生)
【7】洗顔不足やメイクを落とさずに寝る
「メイク汚れを落とさずに寝てしまったり、洗顔不足による洗い残しは、あらゆる毛穴トラブルを引き起こします。皮脂や肌表面の角質、メイク汚れが混ざると、毛穴の出口をふさいでしまう『角栓』を形成。これが白くポツポツに見える『詰まり毛穴』といわれるものです。
詰まり毛穴をそのままにしておくと、皮脂が酸化し、鼻の頭によく見られる黒いポツポツの『黒ずみ毛穴』へと発展します。毛穴を押し広げ、大きく開かせてしてまうばかりか、毛穴周りの炎症を引き起こし『たるみ毛穴』『すり鉢毛穴』へとつながる危険も。あらゆる毛穴トラブルを阻止するためにも、クレンジングや洗顔は面倒がらず、きちんと行うことが大切です。
ただし、毛穴をキレイにしたいとばかりに、ゴシゴシと洗うのは毛穴を刺激し、角質肥大を招くなど、かえって逆効果。たっぷりの泡を転がすように優しく洗うように心がけましょう」(亀山先生)
【8】スクラブやピーリング、角栓パックのやりすぎ
「鼻の頭の気になる黒い角栓や、頬の毛穴詰まりを、角栓パックでむしり取ったり、指で押し出したりすることはやめましょう。毛穴の周りは、常に皮脂によって微弱な炎症が起きているため、刺激することで炎症が悪化。これにより、肌の防衛反応が起こり、皮脂分泌が盛んになったり、角質が厚くなったりと、より角栓ができやすくなってしまいます。
スクラブやピーリングも同様、肌がツルツルになるからとやりすぎると、毛穴が小さくなるどころか、摩擦による炎症で毛穴の開きが悪化することも」(亀山先生)
大人の毛穴悩みに皮膚科医が回答! 毛穴の目立ちを加速させる、8つのNG習慣とは?
「つまり毛穴・黒ずみ毛穴」の改善法
■肌状態を知って、スキンケアの油分調整することが大事!
「カバー力が高く密着性が強いファンデーションや、クリームファンデーションなどの油分の多いアイテムが、毛穴つまりの原因になることがあります。スキンケアも同じです。クリームをたっぷり1年中使っている方は、その油分が毛穴に残りやすくなる可能性が。毛穴に悩む方は、油分よりも水分を補給することを重視して、季節や肌状態に合わせて油分調整をするのがおすすめですよ」(タカミクリニック 医師 本田えりさん)
「そうですね。洗い方に関して言えば、強すぎないクレンジングを選び1分間以内に落とす、ということをおすすめしています。洗顔フォームは30秒以内に洗い流して、マッサージをしないことです」
■毛穴の奥まで上手にメイクを落とすクレンジング法
スキンケアのなかで、最も肌の負担となるのが、クレンジングと洗顔です。特にクレンジングは、落とし方によって、肌へのダメージが変わってくるもの。なので、正しい落とし方を今一度、ここでしっかり確認しておきましょう。落とし方の基本は、メイクをしっかり浮き上がらせることです。ゴシゴシするのではなく、桃の表面をなでるかのように優しく、肌に触れるか触れないかくらいの力加減で行います。
ここでもうひとつポイントとなるのが、なじませる時間です。短すぎてもメイクがきちんと浮き上がらないですし、長すぎてもメイク汚れがずっと肌上にあることになり、どちらも肌にとっては負担に。時間は1分くらいが目安です。
そのほか、洗い流すタイプは、しっかりと乳化させてから流すと、ベタつきがなく、すっきりと落とすことができます。拭き取りタイプは、こすらないように、優しく拭き取るように心がけましょう。上手にメイクが落とせると、それだけで透明感がアップしてきます。
\はじめに「アイメイクをオフ」/
<STEP.1>アイメイクをオフするためにパールひと粒分を手にとる
<STEP.2>指の第二関節までにのばし広げる
<STEP.3>目元にのせて優しくクルクルとなじませる
<STEP.4>濡れコットンでいったん、優しく拭き取る
\次に「顔全体をオフ」/
<STEP.5>全顔用にさくらんぼ大を手にとる
<STEP.6>目元以外の顔全体にのせる
<STEP.7>小さくクルクルさせながらメイクとよくなじませる
<STEP.8>小鼻は上下に小さくスライドさせる
<STEP.9>フェースラインも忘れずにのばしてなじませて
\最後は「クレンジングバームをオフ」/
<STEP.10a>[洗い流すタイプ]よく乳化させてから十分に洗い流して
<STEP.10b>[拭き取りタイプ]ホットタオルでこすらないように優しく拭き取る
肌がしっとり、くすみも解消!クレンジングバームの使いこなし術10ステップ
「たるみ毛穴」の改善法
年齢とともに、目立ち始める毛穴。見つけたときはつい「老化には抗えないのかも」と思いがちですが、実はトレーニング次第で引き締めることが可能。美容家の小林ひろ美さんにたるみ毛穴について話を伺うと、その原因は「毛穴が目立つのは、加齢とともに真皮がガタついて支えきれなくなることと、肌表面が硬くなってキメが乱れることのふたつの要因」があるとのこと。
このたるみ毛穴を解消したい場合、化粧品の使い方を見直すことも大事なのだそうです。
「真皮の衰えに対しては、アンチエイジングアイテムを使うのはもちろんですが、血流をよくすることも重要です。アンチエイジング成分や肌に必要な酸素を運ぶのは血流なので。それから、肌表面のキメに対しては保湿と角質ケアで対応すれば十分。そして大事なのが、なによりも化粧品の使い方。効果が出るトレーニングでしっかり使えば、たるみ毛穴の解消までがグッと近道になります」(小林さん)
それでは、一体どうすれば毛穴が目立たなくなるのか? 以下から小林さん直伝のメソッドをご紹介します。
■毛穴がたるむのは「真皮のへたり&ターンオーバーの乱れ」のせいだった
トレーニングの前に、まずは原因をしっかりおさらいしておきましょう。そもそも肌というものは加齢とともに、ハリや弾力に関係している真皮のコラーゲンなどが減ってくるため、中の柱がグラグラとし、たるんでいきます。
毛穴周りも例外ではなく、重力とともに楕円に変化。それ以外にも、冬は特に肌表面の水分も奪われてしまうことから、バリア機能が弱まり、ターンオーバーが乱れてしまいます。すると、キメが荒れて、たるんだ毛穴がより悪目立ちすることになってしまうというわけなのです。
■毛穴たるみ解消は保湿・角質除去・リフトアップのトレーニングが必須!
そのため、ターンオーバーの乱れによるキメの荒れに対しては、保湿が最も効果的です。しかしその前に、乱れた角層を一度クリーニングする角質除去を行っておくと、よりスムーズに整えることが可能になります。あとはアンチエイジングアイテムでのたるみケアをしっかりと。3つのケアを駆使して、さっそくトレーニングを始めていきましょう!
【1】ローションの3度づけでまずは水分補給
「冬の肌はとても乾燥し、カラカラの状態。なので、まずは肌の中までしっかり水分を入れ込んで、肌内を満タンにすることが先決です。ですが、1度つけただけではなかなか満タンにはならないもの。ローションの量を調節しながら、3回に分けてつけてみてください。しかも、水分が貯蓄されるだけで、毛穴周りもふっくらして目立ちにくくなりますよ」(小林さん)
<STEP.1>内側から外側に向かって「横づけ」
手のひらに500円玉大のローションをとり、両手に塗り広げます。その後、面積の広い頬の内側から輪郭へ向かってハンコを押すようにずらしてつけましょう。目の周りや額、あごも同様です。
<STEP.2>上から下へとタッピングで「縦づけ」
今度は100円玉大のローションを手のひらにとり、両手によくなじませます。両手を使って上から下へと縦方向にタッピングしてローションを押し込んでいきましょう。これでリンパの流れもUPします。
<STEP.3>乾きやすい部分を中心に「押しづけ」
最後に1円玉大のローションを手のひらにとり、両手に塗り広げます。それから、塗り忘れやすい額やあご、小鼻の周りのほか、乾燥しやすい目の周り、口の周りに押し込むようにつけましょう。
<STEP.4>水分がちゃんと入ったかの満タンチェック!
グーの形にした手の第一関節と第二関節の間あたりを、乾きやすい目元におき、ひんやりとしているかをチェックしてください。ひんやり、モッチリしていたら、水分が肌に入りきった証拠です。
【2】100たたきで毛穴ストレッチ!
「化粧水を浸透させた後、さらに肌内の血流を巡らせるために行ってみてください。ピアノを弾くような軽いタッチで、肌を指先で優しく刺激していきます。100回もタッチすると、血行が促進され、次に使うアイテムの吸収がよい土台に整う効果が。毛穴トレーニングの準備体操のようなものなので、心して行ってくださいね」(小林さん)
<STEP.1>額からあご先まで30回×3セット
ピアノを弾くようなタッチで肌を軽くたたきます。下の黒線のように、額から目の下へ10回、目の下から鼻の下へ10回、鼻の下からあご先へ10回ずつ行いましょう。これを3セット繰り返します。
<STEP.2>最後にフェースラインを10回たたいて計100回に
つぎに、フェースラインを額の中央からあご先に向かって、10回を目安に軽くたたいてください(白丸印参照)。顔中にある毛細血管がたたき起こされ、血流がよくなるので、血色のよい肌になります。
【3】美容液の○×づけで引き締めて上げる
「たるみ毛穴には2種類の美容液が必須です。ひとつは毛穴の表面をキュッと引き締めるビタミンC美容液。もうひとつはたるみを引き上げるリフトアップ美容液です。また、たるんだ毛穴は、一定方向を向いていないため、なんとなく美容液をつけてもちゃんと美容液が届いていない可能性が! くるくると○を描いたり、×を描くようにしてつけたりすると美容液の効果がより実感できるように」(小林さん)
<STEP.1>たるみ毛穴が目立つ頬は「○づけ」
こめかみを軽く押さえて少し引っ張り上げて毛穴を元の位置に戻した状態で、○を描くように美容液を塗っていきます。いろんな方向からマッサージするように塗り込むと効果的です。
<STEP.2>開き毛穴が気になる小鼻は「×づけ」
ここでもこめかみを軽く押さえた状態で、小さく×を描くようにして、小鼻の周りの毛穴が開きやすい部分に美容液を塗り込みましょう。
実際に小林さんは、艶やかでハリがあり、毛穴ひとつ見えない、なんともうらやましい美肌の持ち主。上記は、そんな小林さんが実際に行っているたるみ毛穴解消トレーニングなのです。簡単なのに高い効果が出るので、ぜひ毎日のスキンケアに取り入れてみてください。
肌老化ストップ!ファンデで隠しきれない「たるみ毛穴」を解消するお手入れ習慣
- TEXT :
- Precious.jp編集部