空前絶後のダイヤモンド原石との出合いから誕生した新コレクション
ハイジュエリーメゾンが、ラグジュアリーという言葉では表現しきれないほどゴージャスなジュエリーコレクションを次々と発表しています。もはやアート作品といっても過言ではない極上ピースばかりです。目を見張る美しさに酔いしれましょう。
今回、取り上げるヴァン クリーフ&アーペルの新作コレクション「レジェンド オブ ダイヤモンド」は、並外れた大きさ、最高のカラー、美しい結晶をもつダイヤモンドの原石「レソト レジェンド」が発見されたことから始まりました。

メゾンは創業以来幾度となく、センセーショナルなジュエリーのニュースを届けています。それは、1921年、ヴァンドーム広場の本店のショーウインドウに展示したジュエリーであったり、1939年の王女のティアラであったり。また、1960年の34.64カラットのピンクダイヤモンドも大きな話題となりました。
しかし、2018年のニュースは別格。アフリカ、レツェン鉱山で採掘された910カラットの「レソト レジェンド」と名付けられたダイヤモンドの原石の発見です。「自然の状態でこれほど大きな原石を見つけることは感動以外の何ものでもない」とエキスパートであるヴァン クリーフ&アーペルの宝石ディレクターが口にするほどでした。
あれから約4年。今年ついに「レソト レジェンド」は、ハイジュエリーコレクション「レジェンド オブ ダイヤモンド」としてデビュー。同時に2ラインでのお披露目となりました。
ひとつは、ヴァン クリーフ&アーペルの代名詞ともいえる、石を留める爪が表に見えない“ミステリーセッティング”が用いられた「25 ミステリーセット ジュエルズ」。もうひとつはダイヤモンドにオマージュを捧げる「ホワイトダイヤモンド バリエーション」。絢爛たるジュエリーをそれぞれから一部セレクトし、ご紹介します。
「レジェンド オブ ダイヤモンド 25 ミステリーセット ジュエルズ」7選
■1:繊細な立体感と3石のペアシェイプダイヤモンドに見る熟練美

1.73、1.26、1.09カラット…3石のペアシェイプの透明感に満ちたダイヤモンドが揺れる「ドラペリィ ミステリユーズ」のクリップ。この煌めきを引き立てるのは、熟練の職人の手による精密なジュエリーワークの賜物です。
ミステリーセットされたエメラルドとサファイア、折れ曲がった部分にはスノーセットのダイヤモンドを配して遠近感を演出。1950年代にマダム・グレがデザインしたドレープガウンから布が柔らかく落ちる様子が再現されています。
■2・3:ペアシェイプのダイヤモンドが燦然と煌めくリング&イヤリング

「ティサージュ ミステリユー リング」には7.16カラット、「アシメトリィ ミステリユーズ イヤリング」には2.23カラットと2,04カラットのペアシェイプのダイヤモンドが配され、圧倒的な輝きを放ちます。
ミステリーセットされたエメラルドとサファイアの深く鮮やかな色彩とのコントラストが、それぞれのダイヤモンドの輝きを引き立てるアクセントに。アシメトリーに仕上げられたデザインにも、ヴァン クリーフ&アーペルならではの遊び心と矜持を感じます。
■4・5:細やかなセッティングがダイヤモンドの輝きを増幅!

ローズゴールドのレールの上をミステリーセットされたルビー、リボン飾りのようなピンクサファイア、そしてセンターにはダイヤモンドを光が通る精密なオープンワーク セッティング…と、異なる技術を巧みに散りばめた「ラシ ミステリユー」のブレスレットとリング。
ブレスレットは、センターの3.88カラットのダイヤモンドを挟むように1.17と1,19カラットのダイヤモンドをシンメトリーに配するデザイン。リングは、2.36カラットと1.54カラットのダイヤモンドを組み合わせています。曲線と直線、素材と技法。すべてがこのメゾンらしく融合し、柔らかさ、大胆さ、華やかさ、ゴージャス感、どこをとっても素晴らしい出来栄えのジュエリーです。
■6・7:クチュールのインスピレーションをジュエリーで表して

ヴァン クリーフ&アーペルは創業時よりパリの社交界と親密な関係にあり、クチュールドレスからインスピレーションを受けたジュエリーがメゾンの歴史を彩ってきました。「ドゥーブル リュバン ミステリユー」のクリップ、「パスマントリー ミステリユーズ」のリングも共に、ドレスの衣擦れが聞こえてきそうなほど、しなやかなラインを描いています。
クリップは3.08カラット、リングは5.23カラットの大きさを誇るエメラルドカットのダイヤモンドが、センターに君臨! まさに、鮮やかさとエレガンス、双方を象徴しているようです。
「レジェンド オブ ダイヤモンド-ホワイトダイヤモンド バリエーション」3選
■1:多彩な技法で紡ぐ、輝きに満ちたダイヤモンドブレスレット

ダイヤモンドがパヴェセッティングされたゴールドのリボンが重なり合うように並べられ、アール・デコ調の抽象的かつ幾何学的な魅力を描き出した「フロレゾン ドゥ ディアマン」のブレスレット。中央の一段高い位置には、ブリリアントカット ダイヤモンドの花が咲き誇ります。

スノー、レール、プロング、ファストゥーン、クローズドなどの多彩なセッティング技法やディテールが駆使され、それぞれのパーツをつなぐようにラウンドカットのダイヤモンドをセット。グラフィカルで、同時に立体感を出すシェイプを見事に仕上げるメゾンの力量と、ハイジュエリーの無限大の可能性がうかがえます。
■2・3:繊細なディテールを優雅に重ね合わせた2つのイヤリング

「ダイヤモンド シャンデリア」は、クリップへと形を変えることができるイヤリング。デザインの中核を担うのは、左右共にトリプルEX、1.88カラットのダイヤモンド。さらにラウンド、バケット、キャリブレーテッド、マーキースなどさまざまなカットのダイヤモンドが、クローズ、ハーフクローズ、プロング、グレイン、コーナーと異なる技術でセットされています。光の当たり方で、それぞれのダイヤモンドが極上の光を放つデザインです。
「ディア リズ」は、ジュエリーを生涯愛し続けた女優、エリザベス・テーラーが所有していたブローチから想を得たデザイン。煌めく2本のリボンの先に配された約2カラットのペアシェイプ ダイヤモンドが、視線を惹きつけて離しません。正面から見た姿が完璧になるように注意を払った配置にも、ジュエリーへの深い愛情が垣間見えます。
1906年、ヴァン クリーフ&アーペルは初めてダイヤモンド作品を発売しました。以降、さまざまな美の様式を取り入れながら、メゾンはさらなる高みへ突き進みます。2018年にダイヤモンド「レソト レジェンド」と出合ったことで、さらにギアをアップ。
そして4年後の今年、満を持して発表された2つのラインを備えたコレクション「レジェンド オブ ダイヤモンド」からは、起点となったダイヤモンドへの敬愛を感じずにはいられません。
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- WRITING :
- 菅野悦子
- EDIT :
- 谷 花生