【目次】
ポニーテールに「後れ毛」はあり?なし?
■女性の魅力を何倍にも引き上げてくれる「後れ毛」
さまざまなアレンジによく登場する「結んだ髪から毛束を引き出す」というプロセス。みなさん正しくできていますか? 髪をきっちりとまとめるのではなく、結んだ後に髪を細かく引き出す。この工程が意外と難しい! MINX銀座店のスタイリスト高橋里奈さんによると、「年齢を問わず、髪を引き出すのが難しいという悩みをよく聞きます。とくに40代以降の方に多いのが、うなじやもみあげ部分の後れ毛の出し方がわからない、というお悩み。引き出す位置や量がわからない、疲れた印象になる、というお声が多いですね」だそう。
本来、後れ毛とは、髪をまとめたときに長さが足りず、結べなかった髪の毛のことを言うのですが、最近では、この後れ毛をあえて出すアレンジが40代を魅了しているんです!「頰やうなじでルーズに揺れる後れ毛は、女性の魅力を何倍にも引き上げてくれる大切な要素。大人の色気が高まるだけでなく、こなれ感やラフさも演出できます。髪をまとめたときに目立つフェースラインの寂しさもしっかりとカバーできますよ」(高橋さん)。
■「後れ毛」の出し方のポイント
女性の魅力を最大限に引き出してくれる後れ毛。引き出す時のポイントは?
「オススメの位置は前髪に近いこめかみ部分、もみあげ、耳後ろ、うなじの4箇所。お塩をひとつまみするような気持ちで、少しだけ毛束を引き出してみてください」(高橋さん)。髪全体の髪をしっかりと引き出すことも重要です。「きっちりとまとまった髪に後れ毛を出しても、魅力的にはなりません。髪全体の髪を引き出し、ラフに仕上げることで、より後れ毛の効果が発揮されます」(高橋さん)髪全体の髪をしっかりと引き出すことも重要です。
艶っぽく見える!40代の「後れ毛アレンジ」のやり方9ステップ
後れ毛×ミディアムポニーテール【2選】
【1】トップのボリュームをアップ! 束感のある後れ毛ポニーテール
\air-GINZAの長門政和さんがレクチャー!/
ペタンコになりがちなトップをふんわり見せるポニーテールを教えてくださったのは、air-GINZA店長の長門政和さん。「頭頂部の毛束をねじることで髪が根元から立ち上がったように見えるので、ボリューム不足が目立たなくなります。仕上げに結び目から髪を引き出して形を整えるとき、毛束を引っ張り出すから失敗するんです。ひとつまみ分の毛束をねじるだけで十分です」(長門さん)。必敗しないプロ技を教わります。髪が柔らかくボリュームも出にくいモデルさんの髪質。「ひとつまみの毛束を引き出すだけではボリューム感が出にくいので、束ねる毛束の数を増やして、根元から毛量を底上げするといいでしょう」(長門さん)
<アレンジ方法>
<STEP.1>耳から下、頭頂部の左右と3つにブロッキング
<STEP.2>耳から下の髪を1つに束ねる
<STEP.3>頭頂部の片側の毛束を1~2回ねじり、2の毛束と一緒に束ねる
<STEP.4>残った毛束も同様に1~2回ねじって束ねる
<STEP.5>束ねたゴムを抑えながら、毛束をひとつまみずつねじってボリュームを出す
<STEP.6>顔まわりの後れ毛はバームなどのスタイリング剤をなじませて束感を出す
「このアレンジは髪がうねって広がりやすい人にも向いています。毛先をカールアイロンなどで巻いておけば、華やかな雰囲気になるので、フォーマルなシーンにも活用できます」(長門さん)。
【2】狙うのは無造作なルーズ感。後れ毛をプラスした大人のポニーテール
\kakimoto arms LaLa terrace MUSASHIKOSUGI店の林麻美さんがレクチャー!/
ただひとつに束ねるだけなのに、おばさんっぽくなるか、抜け感のある上品スタイルになるか…。ガラッと印象が変わってしまう、大人の女性のポニーテール。その分かれ道を、kakimoto arms LaLa terrace MUSASHIKOSUGI店のディレクター・林 麻美さんに教わりました。「うねった髪をカールアイロンでカール感とツヤを出し、ギュッと束ねた部分から髪を引き出して後れ毛をつくります。“無造作”をつくるひと手間で、仕上がりに差が出ます」(林さん)このポニーテールは、髪にボリュームがなく、すぐにペタッとしてしまう人にもオススメだとか。「カールアイロンで髪を巻いたり、毛束から髪を引き出す分だけボリュームが出るので、髪が細い方や、頭頂部にボリュームが欲しい方にぴったりです」(林さん)やわらかく、うねりやすいモデルさんの髪。「やわらかい髪質にこそ、このスタイルがおすすめです。うねりを巻き込むようにカールアイロンで巻けば、ニュアンスのあるウェーブヘアになります」(林さん)。
<アレンジ方法>
<STEP.1>髪の中間から毛先にかけてカールアイロンで外巻きにする
<STEP.2>手のひらにワックスをのばし、髪をほぐしながらなじませる
<STEP.3>耳の先端よりもやや高めの位置に髪を束ねる
<STEP.4>結び目を抑えながら髪を引き出す
<STEP.5>ひとつまみの毛束で結び目を巻く
<STEP.6>巻き付けた毛先をアメピンで留める
<STEP.7>もみあげ部分の髪をカールアイロンで外巻きに
「ボリュームが欲しい人は、結び目から髪を引き出すときにちょっと多めにすると、ボリュームアップできます」(林さん)。
「艶の無いストレートヘア」でも、抜け感のあるポニーテールに変身!
後れ毛×ローポニーテール【4選】
【1】白髪を目立たせない、無造作風後れ毛のポニーテール
\FIX-UP銀座店の高橋紀衣さんがレクチャー!/
髪の広がりやうねりがきになるときは、サッと束ねてコンパクトにまとめたいもの。「でも、束ねると生え際の白髪が…」というときも。FIX-UP銀座店のヘア&メイクアップ アーティスト、高橋紀衣さんは「白髪が目立つ生え際や分け目を見せないように、後れ毛でひと工夫すれば大丈夫。ただし、何も手を加えない後れ毛は疲れた印象に見えてしまうので、カールアイロンやスタイリング剤で形を整えて『無造作風』に見せるのがポイントです」とアドバイス。
お疲れモードに見えない後れ毛テクニックを教わります。「生え際をカバーするように束ねた髪から後れ毛を引き出すと、結び目がゆるんでしまうことも。毛束を上下2つに分けてからひとつに束ねておくと、結び目がゆるみにくくなります」(高橋さん)。
<アレンジ方法>
<STEP.1>耳の先端より下の毛束をひとつに束ねる
<STEP.2>耳の先端より上の毛束と下の毛束をひとつにまとめる
<STEP.3>結び目を抑えながら、ひとつまみずつ毛束を引き出す
<STEP.4>生え際が隠れるように耳より前の髪を引き出す
<STEP.5>耳より前の髪は中間から毛先にかけて内巻きに
<STEP.6>巻いた毛束にヘアオイルをなじませる
<STEP.7>ゴムを隠すように結び目にヘアアクセサリーを装着
「顔周りの生え際を隠すだけで、白髪はまったく気にならなくなります。こめかみあたりを隠しておくと、白髪カバーだけでなくフェースラインをキュッと引き締める効果もあるので、ぜひお試しください!」(高橋さん)。
【2】ふんわりウェーブを効かせた後れ毛ポニーテール
\apish AOYAMAの黒山慶司さんがレクチャー!/
「大人のポニーテールと、おばさんの引っ詰め髪の違いは後れ毛にあります」と断言するのは、apish AOYAMA副店長の黒山慶司さん。うねりを巻き込むようにこめかみ部分の髪をカールアイロンで巻き、頭頂部を根元から立ち上げたら、あとはこめかみともみあげ部分の髪を後れ毛として残し、1つに束ねるだけ。うねりもトップのボリューム不足も一気に解決できるアレンジなのです。全体的にクセが強く、広がりやすいモデルさんの髪。「クセやうねりを伸ばすのではなく、そのまま生かしたアレンジにすると大人の可愛らしさもあるスタイルになります。そのためにもうねっている方向をカールアイロンで整える下準備が必要なんです」(黒山さん)。
<アレンジ方法>
<STEP.1>頭頂部の髪の根元を起こすように、カールアイロンで毛先から根元に向かって巻く
<STEP.2>こめかみ部分の毛束をカールアイロンでフォワード巻きに
<STEP.3>こめかみから前にある髪ともみあげを残してひとつに束ねる
<STEP.4>ひとつまみの毛束を取り、ゴムの上から巻き付ける
<STEP.5>結び目を押さえながら、ひとつまみずつ髪を引き出す
「毛束の根元から髪をひとつまみずつ引き出すときは正面から鏡を見て、頭頂部をふんわりボリュームアップさせるようにしてください。後頭部に丸みも出せるので、全体的に柔らかな雰囲気のまとめ髪になるはずです」(黒山さん)。
オバ見え引っ詰め髪から脱却!後れ毛プラスの大人ポニーテールのつくり方
【3】トップのボリュームと後れ毛で抜け感を表現したポニーテール
\ABBEYの小口瑛李奈さんがレクチャー!/
40代のロングヘア、アレンジで大切なことをABBEYスタイリスト・小口瑛李奈さんに聞くと「抜け感」だと断言します。「抜け感は、引き出した毛束のルーズ感や後れ毛で表現します。きっちりとまとめたアレンジは、一昔前の古い印象になるだけでなく、顔が大きく見えてしまう原因にも。トップはふんわり、後れ毛でゆるっと、このニュアンスが40代のアレンジには必須です」(小口さん)。今回、小口さんが提案してくれたアレンジは抜け感を意識したポニーテール。「髪を結ぶ」→「トップと後れ毛を引き出す」という簡単2ステップですが、大人の優雅さ、色気、可愛らしさがギュギュッと凝縮された、とっておきのポニーテールです。自宅でも簡単に再現できるので、ぜひトライしてみて!
<アレンジ方法>
40代に似合う大人のポニーテール。「髪を結ぶ」→「トップと後れ毛を引き出す」という簡単2ステップですが、大人の優雅さ、色気、可愛らしさがギュギュッと凝縮された、とっておきのポニーテールです。自宅でも簡単に再現できるので、ぜひトライしてみて!
<STEP.1>耳後ろでポニーテールをつくる
<STEP.2>結んだ毛束をゴムに巻きつけてピン留め
<STEP.3>3箇所だけ後れ毛をつくる
<STEP.4>頭頂部の毛束を引き出す
「後れ毛はこめかみ、耳裏、襟足の3箇所だけ!この3点ポイントを守っていただければ理想の抜け感をつくることができます。爪でつまんで細く引き出すのがポイント。後れ毛が多いと疲れた印象になるので気をつけてください。頭頂部も引き出しすぎると崩れてしまうので、ゆるっとさせるくらいを意識して。この一手間で抜け感だけでなく、頭の形も綺麗に見えます」(小口さん)。
「古臭い」「若つくり」と言わせない!40代からのポニーテールとは?
【4】後れ毛がルーズでアンニュイなポニーテール
\ZACC raffineの湯淺星悟さんがレクチャー!/
気温が高くなるこれからの季節。髪が長い女性は、まとめてポニーテールにする機会も多いのではないでしょうか? ただゴムで結ぶだけではつまらないポニーテールも、結ぶ位置や引き出す毛束の雰囲気によっては、ぐっとオシャレになります。今回は、ZACC raffine 店長の湯淺星悟さんに、40代以上の女性にふさわしい「上品なポニーテール」を教えていただきます。湯淺さんよれば、大人の女性に似合うポニーテールは「髪を結ぶ位置は高すぎないのがベスト。高い位置にしてしまうと若づくりに見えてしまうこともあるので、落ち着いた大人の女性にはお勧めしません。耳の裏側くらいの位置で結ぶといいですよ」とのこと。
髪をまとめるときは、キッチリとした印象にならないように、工夫することも必要なのだとか。「大人のポニーテールは、ルーズでアンニュイな印象に仕上げるのが基本です。顔を結んだら、毛束をつまんでしっかりと引き出してください。ベースの髪をアイロンで巻いておくと、引き出した髪にニュアンスが出てよりいい感じになります。とくに耳まわりのたるみは重要。耳に被せるようにたるませると、エレガントさが増します」(湯淺さん)。さらに、後れ毛も大人のポニーテールには必要なのだそう。「前髪やサイドの後れ毛も大切なパーツです。フェースラインに前髪や後れ毛があることで、毛先の動きがラフな印象になり、大人の余裕が生まれます。首元に陰影もできるので、小顔に見える効果も。また、毛束をしっかりと引き出すポニーテールなら、広がりやすい髪の癖をそのまま生かすことができます。癖が強い、うねるといった髪悩みの方にとくにお勧めですよ」(湯淺さん)。
<アレンジ方法>
<STEP.1>襟足の髪を毛先から根元まで巻く
<STEP.2>髪の表面と前髪もランダムに巻く
<STEP.3>髪をひとつにまとめてポニーテールに
<STEP.4>ポニーテールからランダムに髪を引き出す
<STEP.5>襟足、耳まわりは念入りに引き出す
<STEP.6>毛束の長い毛をゴムに巻きつける
<STEP.7>巻きつけた髪をピンで止める
「ボリュームの出にくい髪質の場合は、ドライヤーで髪を根元から立たせて。アイロンで巻くときは、毛束を細かく取り、根元までしっかりと巻きましょう」(湯淺さん)。
ラフだけど上品に見える「40代からのポニーテール」なら、フェイスラインも引き締まる
【5】巻き方で抜け感を出す大人のポニーテール
\KAYAK by HONEYの小室里奈さんがレクチャー!/
KAYAK by HONEYのデザイナー、小室里奈さんが提案するポニーテールなら、髪の量が多くても、髪が太くて硬くても、パサついて広がりやすい髪でも大丈夫。耳から下は毛先を内巻き、耳から上は根元から外巻き、顔周りは中間から毛先を内巻き、という具合にパーツごとに巻く方向を変えれば、広がりやすい髪もまとまりやすくなります。髪質が硬く、1本1本が太くて量も多いモデルさんの髪。「ただコンパクトにまとめるのでは面白くありません。カールアイロンがあれば、毛先の動きで顔を小さく見せたり、うねりを利用して顔周りを華やかに見せることができます」(小室さん)。
<アレンジ方法>
<STEP.1>耳から下の髪を毛先だけ内巻きに1カール
<STEP.2>耳から上の髪は外巻きに
<STEP.3>髪をひとつに束ねる
<STEP.4>顔周りともみあげは毛束の中間から毛先にかけて内巻きに
<STEP.5>結び目にヘアカフを引っかける
「結び目のゴムを隠すのに、毛束を巻き付けたりクルリンパをしたりしますよね? でもそのひと手間が意外と難しい。ヘアカフは毛束に引っかけるだけなので、ぶきっちょさんでも簡単にゴムを隠せます。毛量が少なくて寂しいポニーテールになってしまう方も、このヘアカフを使うと印象が変わりますよ」(KAYAK by HONEY デザイナー 小室里奈さん)。
【6】ロングヘアも後れ毛がポイントになるくるりんぱローポニー
\U-REALMの瓜生智咲さんがレクチャー!/
最近では、まとめ髪の定番テクニックになった「くるりんぱ」。結び目の上につくった穴へ毛先を通すだけと簡単にできることから、40代でも多くの人がデイリー使いしています。今回、U-REALMのスタイリスト・瓜生智咲さんが教えてくれるのは、このくるりんぱを応用した「大人のポニーテール」。結ぶ位置が下すぎると「疲れた野暮ったい印象」に、高すぎると“若づくりで頑張ってる風”になってしまうため、どの位置でまとめるかがとても重要なのだと言います。
「40代のポニーテールは、髪を結ぶ位置によって印象がガラッと変わります。オススメは、耳裏くらいの位置。相手の視線が引き上がり、小顔に見える効果もあります。少し高めに結ぶことで、襟足の後れ毛も色っぽい印象に。女性らしさと小顔効果、どちらも楽しむことができます」(瓜生さん)。アレンジの前に、髪の中間から毛先と髪の内側にオイルをなじませておくと、後れ毛がまとまり、より大人の色気が増すのだそう。
<アレンジ方法>
<STEP.1>耳上の毛束を後ろで結ぶ
<STEP.2>結んでいない襟足の毛束を1の上からひとつ結びにする
<STEP.3>STEP.2で結んだ毛束をくるりんぱする
<STEP.4>ねじりができた部分の表面をつまんで引き出す
<STEP.5>後頭部の毛束を指で引き出す
「毛先をひっぱりすぎると髪がつぶれてしまうので要注意。後頭部の髪を引き出すときは、頭の型が丸くなるように意識しましょう。後頭部が凹んでいるとバランスが悪いので、絶壁の場合は後頭部に丸みをプラスするような気持ちで引き出してみてください」(瓜生さん)。
脱地味!脱若つくり!40代ポニーテールは「くるりんぱ」と「後れ毛」が成功ポイント
- TEXT :
- Precious.jp編集部