【目次】

緊張しやすい人の特徴


三上ナナエさん
マナー講師
(みかみ ななえ)全日本空輸(株)にて、7年間客室乗務員として勤務。平成17年より研修講師、コンサルタントとして活動開始。年間100回の企業研修やコンサルティングを行っている。著書に『仕事も人間関係もうまくいく「気遣い」のキホン』(すばる舎)、『一生使える接客サービスの基本』(大和出版)などがある。

■真面目な人は緊張しやすい

登壇するときはゆるみすぎないことが大事
登壇するときはゆるみすぎないことが大事。

三上さんは「適度な緊張は、その場や人に対して、真摯に謙虚に向き合おうとするときにも起こるもの。相手に緊張しすぎているように見せなければ大丈夫です」と言います。「そのためは、しっかり事前準備をして何度も練習すること。また、多少緊張が相手に伝わっても『真面目な人だな』『◯◯さんも緊張するんだ』」と親近感にもつながります。深呼吸をする、挨拶のときはしっかりお辞儀をするなど、気持ちを落ち着かせる自分なりのルーティーンを持つことで舞い上がることも防げます」(三上さん)。

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緊張しやすい人の対処法【3選】


【1】緊張の原因を「自分の外」に見つける

大嶋信頼さん
心理カウンセラー/株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役
(おおしま のぶより)米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら東京都精神医学総合研究所の研修生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長を経て、株式会社アイエフエフ代表取締役として勤務。ブリーフ・セラピーのT.F.T.(Thought Field Therapy)を学び認定トレーナー資格取得。ブリーフ・セラピーのFAP療法(Free from Anxiety Program)を開発しトラウマのみならず多くの症例を治療している。カウンセラー歴24年、臨床件数、7万9千件以上。著書に、『支配されちゃう人たち』 『ミラーニューロンがあなたを救う!』(以上、青山ライフ出版)、『サクセス・セラピー』(小学館)ほか、著書多数。
緊張の原因はいつも自分にあるとは限らない
緊張の原因はいつも自分にあるとは限らない。

上司や取引先など、どうしても目の前にいると緊張してしまう相手っていますよね。そんなときに実践したいのが、緊張の原因を外に見つける習慣です。緊張していると感じたら、「緊張している人がほかにいるはず」と周囲を見渡してみましょう。相手と1対1でなければ、自分以外にも緊張した表情の人がいるはずです。もしそこにいなければ、環境やシチュエーションのせいにしてしまってください。そして、今の自分はその緊張が伝染している状態だと考えましょう。緊張の原因となるものを発見したら、「これは緊張が移っただけだから、私はもう大丈夫。緊張しない」と自己暗示をかけてリラックスすると、うまくいきます。

「緊張している人を見かけると、つられて緊張するということが実際に起こります。これは人間の脳に備わっている共感システムがそうさせています。つまり、相手の脳を真似してしまっているのです。しかし、みなさんはそんなことを知りませんので、『きっと私が自分に自信がないから、緊張しているんだ』と、緊張を自分のせいにして、ますます緊張を高めてしまうのです。こうした場合、緊張の本当の原因を見つけられないと、その場では緊張をほぐすことができません。そこで、上記の例のように周りを見て、緊張の原因を他の人や置かれている環境そのものに求め、自分をリラックスさせるのです。よく見渡せば、きっとあなたの緊張の原因があるはずですので、それを見つけられると『あ、楽になった!』と実感できるはずです」(大嶋さん)。

緊張の原因はいつも自分にあるとは限らない、というわけですね。もちろん時には自分の準備不足が緊張の原因ということもあるでしょう。ですが、準備は万全なのに緊張する、そんな際はぜひ周囲を見渡して、この習慣を実践してみましょう。

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【2】たえずリラックスする練習をする

石原加受子さん
心理カウンセラー
いしはら かずこ)心理カウンセラー。「自分中心心理学」を提唱する心理相談研究所オールイズワン代表。日本カウンセリング学会会員、日本学校メンタルヘルス学会会員、日本ヒーリングリラクセーション協会元理事、厚生労働省認定「健康・生きがいづくり」アドバイザー。思考・感情・五感・イメージ・呼吸・声などをトータルにとらえた独自の心理学をもとに、性格改善、親子関係、対人関係、健康に関するセミナー、グループ・ワーク、カウンセリング、講演等を行い、心が楽になる方法、自分の才能を活かす生き方を提案している。
 
 

「職場の困った人がターゲットに選ぶのは、びくびくおどおどしている人です。逆に、彼らがもっとも敬遠したくなるのは、堂々とした人だといえます。怒られたらどうしよう、あの人から目を付けられたくない…そんなふうに相手の顔色やご機嫌をうかがっている人ほど、職場の困った人のセンサーに引っかかってしまうのです。

では、びくびくおどおどした態度をしてしまう人は、どのように改めればよいのでしょうか?大切なのは、リラックスした状態でいること。たえずリラックスする練習を心がけましょう。びくびくおどおどしている人は、表情や態度から、相手の腹を探ろうと意識が他者に向きがちです。このように他者中心の考えにとらわれるのではなく、自分がどう感じているのか?に焦点を当ててみましょう。特に、リラックスという感覚を実感することは大切です。もっとも簡単な方法のひとつは、自分の全身に力を入れてから一気にゆるめること。肉体を緊張・弛緩させて、そのときの自分の感じ方に意識を向けるだけでも、リラックスの練習になります。

ほかにも、ゆっくりお風呂に入っているとき、大好きな人と何気ない会話をしているとき、おいしいものを食べているときなど、日常生活のさまざまな場面で、自分の気持ちよさに意識を向け、私は今リラックスしている、という感覚をつかむようにしましょう。リラックスという感覚を自分で実感できるようになれば、自然と表情もおだやかになり、態度も堂々としたものになります。リラックスする練習を積み重ねていけば、職場の困った人は徐々に、あなたから距離を置くようになるでしょう」(石原さん)

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【3】適度な緊張感を味方につける

三上ナナエさん
マナー講師
(みかみ ななえ)全日本空輸(株)にて、7年間客室乗務員として勤務。平成17年より研修講師、コンサルタントとして活動開始。年間100回の企業研修やコンサルティングを行っている。著書に『仕事も人間関係もうまくいく「気遣い」のキホン』(すばる舎)、『一生使える接客サービスの基本』(大和出版)などがある。

「プレゼンや会議の場で発言をするとき、誰だって緊張してしまうもの。そして、どうすれば緊張しないようになるかばかりを考えてしまいます。ところが、この緊張こそが、大切なこと。緊張感がない状態で話すと、つい気持ちよくなってしまい、予定外の発言や失言が増えてしまいます。それが結果的に信頼を失うことにもつながるのです。つまり、適度な緊張感こそが、自分自身を守ってくれるものということ。人前で話すときは、緊張しないようにではなく、自分の話に酔わないようにと意識するようにしましょう」(三上さん)。

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