雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。
今回は、ボディスーツブランド「Flair」デザイナー、クレモンス・ウーツさんの活動をご紹介します。
「メイド・イン・トロワ」を掲げるサステイナブルなボディスーツ
「フレア」はボディスーツのブランド。クレモンスさんが出身地であるトロワを拠点に立ち上げた。
「母がおしゃれな人で、パンツをはいたときは下着のラインが見えないようボディスーツを着ていて、私も愛用するようになりました。両親、祖父母とテキスタイルの仕事をしていたこともあり、裁縫が好きだったので、起業を考えたときに『若い世代向けの買いやすい価格帯のボディスーツをつくってみよう』と思ったのです」
試しにとサンプルをつくり、クラウドファンディングで購買者100名を募ったところ、2時間半で完売。こだわったのは「メイド・イン・フランス」(※)ならぬ「メイド・イン・トロワ」であること。ジャージー素材などの生地工場が数多くあるトロワで、糸から生地を織り、縫製まで行っている。
「今、フランスでは、職人仕事が軽視され、忘れ去られていっている現実があります。技術の継承もされず、それを教える学校もない。私たちのアトリエでは、技術研修をして、若い世代を積極的に育成していきたいと考えています」
加えて、ボディスーツをリサイクルする「フレア・リインカーネーション」システムを考案。
「ユーズドのボディスーツを送ってもらい、状態を見て、サイトで使える金券で買い取ります。そしてアトリエでほころびを直し、半額で提供。ブランド自体が新しいこともあり数はまだ多くはありませんが、毎月第一水曜日に販売し、数時間で売れてしまいます。特に若い学生さんなどに好評で、ブランドを知ってもらうことにもつながっていると思います」
今後はプレタポルテの服や水着も提案したいと語る。「メイド・イン・トロワ」が広がっていく。
【SDGsの現場から】
●フランス北部の街・トロワにアトリエが
●SNSも利用しボディスーツの敷居を下げる
※メイド・イン・フランスとは…国内産にこだわるフランスのブランドはまだ多いが、同時に職人の世界は後継者不足にもなっており、国を挙げて対策がされている。
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- PHOTO :
- Yusuke Kinaka
- WRITING :
- 剣持亜弥(HATSU)
- EDIT&WRITING :
- 正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
- 取材 :
- Noriko Ishizaka