雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。

今回は、ボディスーツブランド「Flair」デザイナー、クレモンス・ウーツさんの活動をご紹介します。

クレモンス・ウーツさん
「Flair」デザイナー
「Uber」のマーケティングで3年間働いた後、起業。テキスタイルやジャージー素材などの生産が盛んで、有名な工場もたくさんあるトロワで、生地づくりから縫製までを行うボディスーツブランド「Flair」を立ち上げ。

「メイド・イン・トロワ」を掲げるサステイナブルなボディスーツ

「フレア」はボディスーツのブランド。クレモンスさんが出身地であるトロワを拠点に立ち上げた。

「母がおしゃれな人で、パンツをはいたときは下着のラインが見えないようボディスーツを着ていて、私も愛用するようになりました。両親、祖父母とテキスタイルの仕事をしていたこともあり、裁縫が好きだったので、起業を考えたときに『若い世代向けの買いやすい価格帯のボディスーツをつくってみよう』と思ったのです」

試しにとサンプルをつくり、クラウドファンディングで購買者100名を募ったところ、2時間半で完売。こだわったのは「メイド・イン・フランス」(※)ならぬ「メイド・イン・トロワ」であること。ジャージー素材などの生地工場が数多くあるトロワで、糸から生地を織り、縫製まで行っている。

「今、フランスでは、職人仕事が軽視され、忘れ去られていっている現実があります。技術の継承もされず、それを教える学校もない。私たちのアトリエでは、技術研修をして、若い世代を積極的に育成していきたいと考えています」

加えて、ボディスーツをリサイクルする「フレア・リインカーネーション」システムを考案。

「ユーズドのボディスーツを送ってもらい、状態を見て、サイトで使える金券で買い取ります。そしてアトリエでほころびを直し、半額で提供。ブランド自体が新しいこともあり数はまだ多くはありませんが、毎月第一水曜日に販売し、数時間で売れてしまいます。特に若い学生さんなどに好評で、ブランドを知ってもらうことにもつながっていると思います」

今後はプレタポルテの服や水着も提案したいと語る。「メイド・イン・トロワ」が広がっていく。

【SDGsの現場から】

フランス北部の街・トロワにアトリエが

サステナブル_1,インタビュー_1
トロワは中世から続く歴史ある街。丁寧な仕事から生まれるボディスーツは着心地も抜群。

SNSも利用しボディスーツの敷居を下げる

インタビュー_2,サステナブル_2
ボディスーツを使った着こなしも提案し、若い層にもアピール。ユーザーの裾野を広げている。

メイド・イン・フランスとは…国内産にこだわるフランスのブランドはまだ多いが、同時に職人の世界は後継者不足にもなっており、国を挙げて対策がされている。

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PHOTO :
Yusuke Kinaka
WRITING :
剣持亜弥(HATSU)
EDIT&WRITING :
正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
取材 :
Noriko Ishizaka