雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。

今回は、「エコフォレスト」取締役、森 リカさんの活動をご紹介します。

森 リカさん
「エコフォレスト」取締役
「エコフォレスト」を創業した当時は、自身でトラックを運転、現場仕事も行っていた。解体工事や収集運搬、産業廃棄物処理、資源リサイクルやリユース品販売、終活トータルサービスなど事業内容を拡大。

「壊す+捨てる+売る」事業者として社員も地域も巻き込んでSDGsを実践

解体事業で「コワス」、廃棄物処理業で「ステル」、資源リサイクル業で「ウル」。これをワンストップでサポートする「コワステール・サポート」を展開する「エコフォレスト」。夫と共に同社を経営する森さんは、「事業内容そのものがSDGsなので、新たに何かをするというより、自分たちの仕事が17の目標(※)のどれに当たるのかを紐づけしていく感じです。社内にもSDGs委員会があり、定期的に勉強会を行い、社員ひとりひとりが意識を高めています」

倉庫の解体から生まれたかわいらしい製品がある。「おちょんドル」という名のキャンドルだ。解体時、大量の陶器のお猪口があるのを見つけて「かわいいのにもったいない」と感じた森さん。さらに依頼主も「廃棄されるのは悲しい」と言っていたと聞き、なんとかしたいと、地域の学校と協力して実現したプロジェクトである。

「再利用できないかと国内外に問い合わせたのですが、どこも引き取ってくれない。そこで思い出したのが、娘が通っていた学校で、SDGs的取り組みを熱心にやっていた先生のことでした。生徒たちから『キャンドルをつくっては』というアイディアが出て、それを社内に持ち帰り社員にも相談。最終的に、弊社の隣のローソク会社に声をかけて、商品にならないロウを提供してもらうことに」

陶業の盛んな、地元あま市の企業5社と連携し、「あま×SDGs」という団体を結成したのも、「地域に根ざした会社としてできることを」との想いから。学生や市民と一緒になって活動することを目指している。

「人が会社を、社会をつくるのだと実感する日々です。会社ぐるみで、持続可能な社会を目指したい」

【SDGsの現場から】

学生が考え、企業と連携して商品化した「おちょんドル」

インタビュー_1,サステナブル_1
「おちょんドル」はイベントで販売され話題に。’21年の「SDGs AICHIEXPO」でも紹介された。

地元企業と一緒になってSDGsを勉強中

インタビュー_2,サステナブル_2
社会貢献活動の一環として結成された「あま市×SDGs」の勉強会風景。定期的に開催されている。

17の目標とは…SDGsが掲げる17の目標のうち、エコフォレストが積極的に取り組む地域との協働は「パートナーシップで目標を達成しよう」にあたる。

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PHOTO :
若林聖人
WRITING :
剣持亜弥(HATSU)
EDIT :
正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
取材 :
河野好美