三社祭や隅田川花火大会など四季折々の催しが行われ、今も粋な江戸の文化が息づいている街・浅草。中でも、昭和初期から映画館や寄席・劇場が立ち並び、東京随一の歓楽街として栄えたのが、日本の歴史ある伝統・芸能文化が色濃く残る「浅草六区」と呼ばれるエリアです。
そんな浅草六区エリアにこの3月オープンしたのが「浅草ビューホテル アネックス 六区」。歴史ある伝統・芸能文化の街に建つホテルとして、「文化発信・文化体験の拠点」をコンセプトに、和の伝統文化に触れる体験ができるホテルです。
「懐かしく新しい浅草」をテーマにした客室、檜舞台を併設するレストラン、その舞台で行われる浅草芸者の舞などの舞台興行、浅草の街を臨む宿泊者専用ラウンジなど、浅草六区という立地ならではの“本当の浅草”が体験できるのだそう。
本記事では、Precious.jpライターによる宿泊レポートで詳細をお届けします。
粋な遊び心が満載!「浅草ビューホテル アネックス 六区」宿泊レポート
エレベーターで2階フロントへと上がると、まず目に入るのが奥の赤い絵画。立体視で文字が浮かび上がる絵になっていて、寄り目気味にしてよく見ると、ある4文字熟語が見えてきます。
そうと知らなければ見過ごしてしまう仕掛けなので、訪れたらぜひ目をこらしてみてください。
観光客の多い立地であることから、フロント横には大きなロッカールームも設置しています。客室に立ち寄らずにまずは荷物を預けて身軽に観光したいときなど、便利に使えますよ。
フロント側のラウンジには、かつて東京随一の繁華街として隆盛を誇った「浅草六区興行街」を再現したジオラマや、昭和初期に実際に映画館で使用されていたミッチェル撮影機など、浅草の歴史と伝統が感じられる展示物にも注目。
ほかにも、館内の至るところに日本文化を表現したアートが施されているので、ぜひチェックしてみてください。
ホテル最上階の宿泊者専用プレミアムラウンジ「FURUMAI」
客室に行く前に、ホテル最上階の10階にある宿泊者専用プレミアムラウンジ「FURUMAI(ふるまい)」へ。
明示・大正・昭和初期の空気感を再現した空間で、カウンター席からは浅草の街や東京スカイツリー(R)を臨むことができます。
コーヒーや紅茶、ジュースなどのドリンクが自由に飲めるほか、舟和本店のあんこ玉、常盤堂本店の雷おこし、満願堂本店の芋きんどらやきなど、有名店の浅草銘菓がいただけるのもこのホテルならでは。
浅草の街を眺めながら、浅草銘菓に舌鼓を打つ優雅なティータイムを過ごすことができます。営業時間は15:00~22:00となっています。
江戸の伝統色で彩られた客室は全5タイプ
「懐かしく新しい浅草」をテーマにした客室は、江戸のスケールを「四十八茶百鼠(江戸の伝統色)」で表現しています。
「四十八茶百鼠」は、奢侈禁止令(贅沢禁止法)が発令された江戸時代後期、着る服の色まで限定された中で、江戸の町民たちが茶色や鼠色といった暗い色の中にも繊細なこだわりを取り入れ、多様な色を生み出したことから生まれました。
落ち着いた深みのある色合いで視覚的にもリラックスでき、ゆったりと過ごせる広さのある客室は、旅の疲れを十分に癒やしてくれます。
客室は、機能性を重視した「スタンダード」、ゆっくりとくつろげる畳敷きの「モデレート」、小上がりのリビングとビューバスを設けた「デラックス」、浅草・江戸・歌舞伎をテーマにした「コンセプト」、車いすの方などが快適に宿泊できるバリアフリーの「ユニバーサル」の5タイプ、計199室があります。
コンセプトルーム「歌舞伎」「江戸」を拝見
今回、3室限定のコンセプトルームのうち、「歌舞伎」「江戸」の2室を見せていただきました。
「歌舞伎」は、その名の通り歌舞伎にちなんだ絵が部屋をぐるりと囲むふすまにダイナミックに描かれた客室。窓側のふすまを開けるとスカイツリーが目の前に現れるので、絵画と共に浅草の景色も楽しめます。
ちなみに、ベッドの目の前に位置するふすまを開けると液晶テレビが現れますよ。
コンセプトルームの洗面所は広々とした空間で、洗面ボウルが2台の並びになっているので、余裕を持って使うことができます。灯りをつけると花開くように光がともるライトもおしゃれですよね。
続いて、「江戸」のコンセプトルームを拝見。
「歌舞伎」同様、四方のふすまに絵が描いてあります。何やら文字のようですが、近寄ってみると…。
重なり合う猫たちが描かれています!
そしてこれは、右から左へ読んで「たこ」という江戸文字になっています。よく見ると、猫たちもしっかりとたこを抱えていますね。
なお、このお部屋に描かれている文字は、「うなぎ」「ふぐ」など、浅草で新鮮な魚がとれていた時代の魚の名前を猫の絵で表現しています。
遠くから見ても、近くから見ても楽しい、遊び心あふれる絵ですよね。
3つめのコンセプトルーム「浅草」は、浅草を中心に東京の景色がぐるりと描かれ、こちらも見ごたえのある客室です。外国人観光客を中心に、特に人気のお部屋なのだそう。
3室ともまったく違う個性的な客室は、すべて宿泊してみたくなりますね。
レストラン「ブロードウェイ六区」で浅草の文化に触れる
1階のレストラン「ブロードウェイ六区」では、7:00~10:00の時間帯で朝食(大人¥3,080)、そして週末の夜、レストランにある檜舞台にて行われる公演の時間に合わせてディナーを提供しています。
朝食は「浅草バーガープレート」「おいものフレンチトースト」「深川めしの和食膳」といった7種類のメインプレートの中から1品を選び、あとはビュッフェスタイルで好きなものをいただくスタイル。
一番人気はやはり下町らしい「深川めしの和食膳」とのことですが、「オムレツ」「スクランブルエッグ」「フライドエッグ」「ポーチドエッグ」という、外国の方に親しまれる卵料理も人気が高いそうです。
ディナーは、興行に合わせて多彩なメニューを用意。もちろん、お酒も楽しめますよ。
レストラン「ブロードウェイ六区」の最大の特徴は、旧歌舞伎座で使用していた檜板を移築した舞台を併設しているところ。こちらの舞台では、週末を中心に浅草芸者の舞、無声映画と活弁士の掛け合い、サイレントフィルムの上映など、さまざまな舞台興行を行っています。今後は、三味線や邦楽演奏も予定しているそう。
この日は、東京浅草組合の芸者衆による公演が行われました。太鼓と三味線の演奏の中、着物姿で扇子を持って舞い踊る芸者さんを間近に見ることができる機会は、ふだんなかなかないですよね。
幇間衆による観客参加型で楽しむコーナーもあり、満席の会場は大盛り上がり。公演後には、芸者さんたちが各テーブルを回って挨拶しにきてくれるので、一緒に写真撮影もできました。
客室だけでなく、館内の随所から古きよき日本の伝統文化や粋な浅草らしさを感じられる「浅草ビューホテル アネックス 六区」。浅草観光の宿泊先として、“本当の浅草”を体験する場として、ぜひ訪れてみてくださいね。
問い合わせ先
- 浅草ビューホテル アネックス 六区
- TEL:03-3847-1111(代表)
- 住所/東京都台東区浅草2丁目9-10
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 小林麻美