この微差からスタイルが生まれる!フランスの「赤」、イタリアの「赤」

原初的で、歴史を彩る力強い色だからこそ、美意識の違いで、こんなにも豊かな表情に!

モードな遊び心を宿す【French Red】

◇「プルーン  ゴールドシュミット」×「メゾン ミッシェル」のまろやかな赤

帽子_1
帽子¥116,600(メゾン・ディセット〈プルーン ゴールドシュミット〉)

パリの新進気鋭ブランド「プルーン ゴールドシュミット」が、オートクチュールの帽子も手掛ける「メゾン ミッシェル」に別注した帽子。完璧ともいえる真紅を、フェルトの質感がまろやかに見せて。


◇「シャネル」のモードな赤

ネイル_1
シャネル ヴェルニ 上から/155 ルージュ ヌワール(ブラックレッド)・153 ポンピエ(ラズベリーレッド)・151 ピラート(ブルーレッド) 各¥4,620

絶妙なモード感を表現できる「シャネル」のネイルカラーには赤の彩りが豊富。指先に塗るだけなのに着こなし全体の空気を決めてしまうほどの表現力。自分の選択に自信をもって語るパリジェンヌらしい「今」を感じる赤のカラーバリエーション。


◇「J.M.ウエストン」のマニッシュな赤

靴_1
靴[ヒール:2.5cm]¥137,500(J.M. WESTON 青山店)

ブランドを象徴する『シグニチャーローファー#180』には、鮮やかな赤のパテントカーフが。メンズ由来の靴だけれど、光沢のある華やかな赤は、フェミニンに履きこなせそう。黒スーツのアクセントにも。


赤はどうしてこんなにも気持ちを高揚させるのでしょうか。ゲーテは200年も前に、著書の『色彩論』の中で、色彩を光と闇の関係で捉え、古代からの「赤は闇を通して見る “光” 」という説を考察しています。例えば、朝日が地上を照らす前の美しい朝焼けの「赤」。闇である雲に太陽が映し出した光を見ているのだと。太陽と光に作用される「赤」のもつパワーを、古の人は知っていたのでしょう。ギリシャ神話の神々に始まり、中世の聖職者を経て、赤は権力者の色といわれてきました。

特にイタリアは古代ローマに由来する色が赤。「パオナッツォ・ローマ(ローマの赤)」があり、ルネサンス文化を育てたメディチ家の赤「ロッソ・メディーチェオ」という色名も。イタリアでは「ロッソ〜(〜の赤)」という色名が多く、現代でも「ロッソ・フェラーリ」など、赤がいかに象徴的であるかがわかります。イタリア人にとって、赤は最高に美しい色であり、その生命力、官能性の表現力、スタイルに私たちは魅了されてしまうのです。

対してフランスの赤。同様に赤は権力者、聖職者の色ではあるものの、自然界の動植物にまつわるユニークな色名が多いのがフランスらしいところ。私たちが愛するベージュ系の「トープ」がモグラ色だったりするように、「コクリコ(=ヒナゲシの赤)」や「クルヴェット(=小海老の赤)」など、そのままの色名が親しまれています。先ほどのゲーテの色彩の考察は、その後のフランス印象派絵画の光を描く画家たちに影響を与えたともいわれています。フランスの繊細なニュアンスが感じられる赤の表現には、そんな文化的背景もあるのでしょう。

モードの発信地であり、スタイルの違う両国の美意識は、赤だけをとってもこうした差があります。赤は原初的な色だけに、表情豊か。その微差に気付き、選び取るなかで、スタイルもまた育まれていくのです。

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PHOTO :
小池紀行(CASK)
STYLIST :
古田千晶
COOPERATION :
BACKGROUNDS FACTORY
EDIT&WRITING :
藤田由美、遠藤智子(Precious)