身長156cmのインテリアエディターDが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。前回取り上げた『FOUR チェア』に続き、北海道・旭川で道産の木材を用いながら国内外のデザイナーと協業する「カンディハウス」から、注目の新作ワークデスクについてお届けします。

北欧ヴィンテージ家具を思わせる軽やかなすっきりデザインなのに、実は使い勝手のいい機能が巧みに盛り込まれた『FOUR デスク』。こちらも『FOUR チェア』と同じく手持ちの家具と自然になじむ、自宅に置きたくなるワークデスクです。

オフィス家具の利便性と、自宅に合う佇まいを兼ね備える秀逸デザイン

自宅に仕事をするスペースをつくる、というのは意外に難しいものです。ともすれば机の上は書類や資料が溢れたり、PCに飲み物をこぼしてしまったり…。インテリア性を求めて機能性を手放すか、利便性を求めて異質なアイテムで我慢するかの二択しかないのでしょうか? そんな悩みを解決してくれるのが、今回ご紹介する『FOUR デスク』です。

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【商品名】FOUR デスク 【ブランド】カンディハウス 【写真仕様の価格】¥297,000 【サイズ】幅1400×奥行565×高さ720 もしくは740(mm)※注文時に高さを選択 【材質】天板/北海道産タモ材(無垢) 脚部/北海道産カバ材  ウレタン塗装仕上げ ※アクタスでも取り扱いあり

構築的なフォルムを成す水平の天板面と少し立ち上がった垂直の背板は、表情豊かな北海道産タモ無垢材。それに対して有機的な形状の脚は、塗装することでスチールのようにも見える平滑な北海道産カバ材を使用しています。

デスクの脚先のカーブは、同シリーズの『FOUR チェア』とも響き合い、素材の表情の緩急にも親和性があるので組み合わせることで完成度の高いワークコーナーをつくることができます。

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『FOUR デスク』と『FOUR チェア』の組み合わせでつくる、アナログなのに新しいワークコーナー。

後ほど詳しくお伝えしますが、奥行き狭めで横長の天板は、手前に引き出すことで収納スペースが現れる仕組みに。天板下の控えめな棚と合わせてサッと机の上のものを片付けることができます。

軽やかなデザインなので、壁際に置くのではなく空間の真ん中に向かって設置するような使い方もおすすめ。少しだけ立ち上がった小さな壁のような背板がデスクの向こうへ書類が落ちるのを防ぎ、ちょっとした境界線をつくってくれます。

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ディテールと素材感の効果で、冷たすぎない温度感を生み出します。

優れたデザイン力に脱帽!随所に施された見た目以上に高い機能性

『FOUR デスク』は、「木質の軽やかなデスク」といった見た目の印象をいい意味で裏切るような、機能美が散りばめられたデザインも魅力です。そのひとつが、天板下の棚板。書類を広げていてもさっとしまえ、お茶を飲んだりくつろいだりちょっとしたダイニングテーブルの延長のような使い方ができます。

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引出しよりも軽やかな印象の棚板仕様。

そして特筆すべきは、北欧のライティングビューローのように、簡単なアナログのシステムで手前にスライドできる天板。そこで生まれる背板側のスペースにはコード処理ができるようになっています。机の上の配線などを整理するだけでなく、タブレットや書類も立て掛けられ、使い勝手の工夫が凝らされています。

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天板の裏には手がけが彫り込まれているので楽に引き出すことができます。
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左/タブレットを立てかけたり資料を広げたまま置けたりと、見た目以上に広く使えるデザイン。右/引き出すことでできる隙間にはコードやケーブルの処理に便利な意匠が施されています。

今回は、北海道・旭川市の家具メーカー「カンディハウス」の新作『FOUR デスク』をご紹介しました。痒い所に手が届く機能が詰まった、美しさも兼ね備えたデスクですよね! 

前回の『FOUR チェア』にも通じる、ありそうでなかったデザインは、コロナ禍を経て生活スタイルが変わった今だからこそ生まれた未来の定番品なのかもしれません。ぜひ、実物を見て触って体験してみてください。

※掲載商品の価格は、税込みです。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM