東京・竹芝の複合施設「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」にあり、壮観な東京ベイエリアや歴史ある浜離宮恩賜庭園といった美しい眺望を楽しめるラグジュアリーホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」。

16Fにあるバー&ラウンジ「ウィスク(Whisk)」では、芸術家のアトリエ(工房)をテーマに、絵画をモチーフにした五感をくすぐるコンセプチュアルなオリジナルミクソロジーカクテル、自家製スイーツや軽食が提供されています。

中でも人気なのは、アートをテーマにしたオリジナルのアフタヌーンティー「アフタヌーンティー・エキシビション」。今まで数々の名画をテーマに展開していましたが、第10弾となる今回は、初めて彫刻作品をモチーフとして作られています。

メズム東京のアフタヌーンティー「アフロディーテ(APHRODITE)」

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“TOKYO WAVES”アフタヌーン・エキシビション チャプター10「アフロディーテ(APHRODITE)」¥6,500~(税・サービス料込み)

2024年5月2日(木)まで、平日24食限定(2月以降は土日も予約可能)で提供されているアフタヌーンティー「アフロディーテ(APHRODITE)」。

古代ギリシャ神話に登場する愛と美をつかさどる女神、アフロディーテ(英語名:ヴィーナス)を象った有名な彫刻「ミロのヴィーナス」は、エーゲ海があるギリシャの島で発見されました。海から誕生した恋多き女神アフロディーテは、古代から現代まで音楽、絵画、彫刻などさまざまなアート作品に取り上げられています。

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「ミロのヴィーナス」をモチーフにしたメインプレート

今回のプログラムでは、ミロのヴィーナスが発見されたギリシャにちなんだ8種のスイーツ&セイボリーが提供されます。ミロのヴィーナスをモチーフにしたメインプレートも、とってもユニークなんですよ。

今回、Precious.jpのライターが実際にアフタヌーンティーを試食。ペストリーシェフおよびクリエイティブディレクターから伺ったお話を交えながら、気になる詳細をご紹介します。

アフタヌーンティー「アフロディーテ」実食レポート

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アフタヌーンティー「アフロディーテ」

愛の女神をテーマにしたアフタヌーンティー・エキシビション。今回、特別に隣接のレストラン「Chef's Theatre(シェフズ・シアター)」でアフタヌーンティーをいただきました。用意される華やかなアフタヌーンティーに心躍ります。

まずはスイーツ&セイボリープレートから!

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「クラビエデス」

まずは8種のスイーツ&セイボリーが横に並んだ大きなプレートからいただきます。

一番左はギリシャのクリスマスの定番スイーツ「クラビエデス」。ほろほろとしたアーモンドクッキーで、レミーマルタンとローズで香りづけされています。

今回のスイーツ&セイボリーは、クリエイティブディレクターである小泉堅太郎氏の企画のもと、すべてメズム東京のキュリナリーアーティスト、ペストリーシェフの養父直人氏が手がけています。古くから伝わるギリシャのレシピを紐とき、味のバランスや日本人好みの味に調整しながらメニューを開発したのだそうです。

「クラビエデス」も現地のレシピだと、甘みが強めのサブレということですが、メズム東京でいただけるのは、塩味が効いていて甘さ控えめのひと品です。続くスイーツ&セイボリーに期待が持てるおいしさ!

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「テガナイト」

「テガナイト」というのはそもそも、小麦粉、はちみつ、オリーブオイルでできた、パンケーキの起原となった生地のこと。メズム東京ではそんな古いレシピをアレンジし、クレープ風に仕上げ、蒸し鶏を巻いたものが提供されます。

本来は分厚く焼き上げる生地をクレープ風にするまでの過程にも、多くの試行錯誤があったそうです。

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「バクラヴァ」

フィロという、ギリシャ語で「葉」を意味する薄いパイ生地に、ピスタチオ、くるみ、ヘーゼルナッツなどを入れたトルコ伝統のお菓子「バクラヴァ」。

今回8種類のスイーツ&セイボリーはそれぞれの味や食感の違いを楽しめるように、バランスを考えて作られているそう。バクラヴァはナッツのザクザク感と、中にしのばせたプルーンのペーストの酸味がとってもおいしいひと品でした。

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「ハルヴァ」

「ハルヴァ」は、アマレットで香りづけしたセモリナ粉とアーモンド、レーズンを使った、しっとりとした食感の中東のお菓子です。

パスタなどでよく耳にする「セモリナ粉」。お菓子に使われているのは珍しいそうで、独特の食感は、今まで食べたことのないような味わいのひと品。アーモンドとの相性もぴったりです。

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「ムサカ」

「ムサカ」は、ひき肉とナス、チーズを使ったグラタンで、ギリシャ料理の定番なのだそう。これは日本人にもなじみのある味です。

スイーツ&セイボリープレートの食べる順番は自由なのですが、「ムサカ」が唯一温かいお料理なので、冷めないうちにいただくのがおすすめとのこと。

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「クルーリ」

そんな「ムサカ」と合わせて食べたいのが、お隣のごまを使ったパン「クルーリ」。

ごまを使った料理が多いというギリシャ。「クルーリ」もギリシャで愛される伝統のパンで、リングの形状をしており、リングが「終わりのない永遠」を表すことから、縁起のよい食べ物とされています。

どちらかというとハード系のパンの食感に近く、しっかりとした噛みごたえとごまの風味が最高でした。

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「トリヨン」

お隣は、古代アスリートも食べたというチーズケーキ「トリヨン」。その歴史はギリシャで行われた紀元前776年の古代オリンピックまで遡るそう!

メズム東京では「トリヨン」のレシピを現代風にアレンジ。オリンピックにちなんでロリエ(月桂樹)を使い、リコッタチーズとミルクと合わせてアイスクリーム風の仕上げにしています。アイスクリームのようなチーズケーキのような新感覚のひと品で、スッと鼻に抜ける月桂樹の香りもアクセントになっています。

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「パステリ」

8品目は「パステリ」というお菓子。発祥は古代ギリシャまで遡り、結婚式の祭事などに用いられているそう。ごま、はちみつ、くるみを使ったフロランタンです。

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「レモンバームのハーブティー」

8種類のスイーツ&セイボリーと合わせるのは「レモンバームのハーブティー」。レモンバームをベースに、フレッシュのローズマリーとレモングラスを合わせた温かな一杯です。

アフタヌーンティーのペアリングとして出されるドリンクは、すべてバー&ラウンジ「ウィスク」のバーテンダーが考案したそう。一般的なレストランでのアフタヌーンティーとは異なる、バーならではのポイントもお楽しみください。

遂にメインディッシュへ

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「ギリシャヨーグルトピーチムースグラス」

そして遂にメインディッシュ「ギリシャヨーグルトピーチムースグラス」が登場!

濃厚な味わいのギリシャヨーグルトを使ったアイスクリームにピーチコンポートを詰めてアフロディーテをかたどり、ホワイトチョコを吹き付けて作られています。牧草地をイメージしたグリーンのローズマリーキウイソースとピーチコンポートにセルフィーユを添えた、アートなひと皿です。

まさに彫像そのもの……!

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メインディッシュ背面

正面だけでなく、ぜひ背面も見てみてください。ミロのヴィーナスの造形が細部に至るまで再現されています。

ちなみに実際のミロのヴィーナスはやや前かがみになっている彫像のため、実はこのスイーツ、再現するまでにとても時間がかかったのだとか。モデル通りにすれば倒れてしまうし、まっすぐ立てると“本物らしくない”ものができあがってしまう……そんな試行錯誤の末に生まれたひと皿です。

後ほど切り分けてみてわかったのですが、ピーチのコンポートも身体部分のほうに多く詰められており、頭に重さが出ない(崩れない)工夫がされています。

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アプリコットとラズベリーの2種類のソースをかけて

実はこのメインディッシュ、オレンジ色のアプリコットとレッドカラーのラズベリーの鮮やかな2種類のソースで、自身のアート作品を完成させることができる体験型スイーツなんです。

ヨーグルトを使ったさっぱりとした甘みのある“ヴィーナス像”に、酸味のある2種類のソースや、お皿のローズマリー香るソースを絡めて、味の変化も楽しめます。

“ヴィーナス像”の周りにはぽろぽろとホワイトチョコレートが配されているのですが、これは「石膏が崩れた様子をイメージ」しているのだそう。本当に芸が細かいですね。

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「梅とバラのモクテル」

そんなメインディッシュに合わせるのは、梅シロップにローズシロップを加えた華やかな「梅とバラのモクテル」。美の女神らしいベルローズやミントが飾られています。さっぱりとした口あたりで、スイーツとの相性もばっちりです。

最後にコーヒーか紅茶を選んでいただくことができます。アフタヌーンティーの〆に、優雅なひとときを楽しんで。


ディレクションを担当している小泉氏は、パリのルーブル美術館に個人的に足を運んでしまうほどの美術好きなのだそう。こだわりがたっぷりと詰まった「アフロディーテ」は、スイーツからセイボリーまで、メズム東京の「ウィスク」だからこそ、そして小泉氏だからこそ作れる、納得のメニューでした。

2か月以上かけて試行錯誤して作られるというメズム東京のアフタヌーンティー・エキシビション。見た目や由来はもちろん、味のバランスも熟考されており、食べ終わった暁には本当に「ひとつの作品」を堪能したような気分を味わえます。もちろん味はどれも抜群です。

季節感のあるお料理や、旬の食材を使ったメニューも素敵ですが、メズム東京では「美術館のアートを楽しむような感覚で、ゆったりとした気持ちでお食事を楽しんでほしい」という想いが一番にあるそうです。

ひとつひとつその場で手作りするからこそ、1日に24食しか提供できない至高のメニューを、ぜひみなさんも楽しんでみませんか?

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この記事の執筆者
フリーランスの編集者・ライター。グルメやスイーツ、ライフスタイル系の記事執筆・編集を中心として活動中。元システムエンジニア、プログラマの経験を持つ。二児の母。趣味は料理、SNS、写真を撮ること、美味しいものを食べること。麺類と辛いもの、自分のために買うご褒美スイーツが特に好き。
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EDIT :
小林麻美