大人の女性なら知っておきたい!本当においしい日本茶の淹れ方

慣れ親しんだ日本茶ですが、茶葉に合った正しい淹れ方で淹れたお茶は、香りや色はもちろんその奥深きおいしさに驚きます。そこで、今さら聞けない、本当においしい淹れ方を、日本茶インストラクターの市川雅恵さんに教えていただきました。

教えてくれたのは…

市川雅恵さん
日本茶インストラクター
(いちかわ まさえ)アパレル業界から茶の世界へ。日本茶ワークショップを開催するほか、日本茶と茶器を販売するオンラインストア「チャイチワークス」を運営。著書に『私を整えるお茶の時間』。

「まずは、おいしいお茶の味を体験することが大切です」(日本茶インストラクター 市川雅恵さん)

「実は、おいしいお茶の淹れ方に、正解はありません。茶葉によって特徴がありますし、飲む人がどう楽しみたいかによっても淹れ方は変わります。とはいえ、淹れ方のポイントはあります。茶葉の量、お湯の量、お湯の温度、浸出時間、そして注ぎ方。特にお湯の温度は重要です。

同じ茶葉でも、熱湯だと渋さが引き立ち、低温だと甘みが際立つ。まずは自分の好みを知るべく、おいしいお茶を多く体験することです。気が遠くなるくらいの工程と人の手を経てでき上がる日本茶は、丁寧に淹れてこそ価値があります。何度も温度を調整し、茶葉が開くのを静かに待つ。そのひと手間を楽しむ余裕こそが、おいしいお茶をさらにおいしくすると思います」

きちんと淹れるとこんなに違う!【本当においしい日本茶の淹れ方】

1.茶葉を量り、急須に入れる

茶葉を取り出す
 

今回の茶碗(約50ml)×3人分として、茶葉6g(ティースプーン2杯が目安)を量り、急須に入れて蓋をする。茶葉は光や湿気、酸素に弱いため、飲む直前に作業をすること。

2.湯冷ましで温度を下げる

ガラスピッチャーに湯を注ぐところ
 

沸騰したお湯を、湯冷まし(耐熱性で、注ぎ口がある容器ならなんでもOK)に入れ、温度を下げる。この作業で10℃下がるため、この時点で湯の温度は約90℃から80℃に。

3.湯の量を量り、さらに温度を下げる

茶器に湯を注ぐところ
 

湯冷ましから、湯呑みへ湯を注ぎ、正しい湯量を量ると同時に湯呑みを温める。茶葉が湯を吸うため、実際に飲む量よりも多めに。この工程で湯の温度は80℃から70℃に下がる。

4.急須に湯を入れる

急須に湯を入れるところ
 

3で入れた湯呑みの湯をそっと、急須の真ん中(茶葉が広がりやすいように)に注ぐ。湯は約70℃に。今回使用する茶葉(煎茶)には理想の湯温。蓋を閉めて、40秒待つ。

5.湯冷ましで温度と濃度を均一にする

急須を静かに揺らしながら(茶葉が急須の中で対流し抽出力が高まる)、少しずつ湯冷ましへ。最後の一滴まで入れ終わったら一杯ずつ湯呑みへ注ぐ。

急須から直接湯呑みに注ぐ場合は回し入れが必要だが、湯冷ましに一度入れることで、濃度と温度を均一にする効果がある。

日本茶を注ぐところ
 

今回使用したお茶は、鮮やかな緑色が美しく、さわやかな味わいの『知覧茶 永山さんのさえみどり』50g¥972(チャイチワークス)。

「耐熱ガラスの湯冷ましは、水色(すいしょく)もしっかりとわかるのでおすすめ」と先生。


まず揃えたい、理想の茶器とは?

「おいしいお茶を淹れるために最も大切な道具は急須です。注ぎ口の網目が細かく、急須の中で茶葉がゆらゆらと対流できる広いスペースがあるものが望ましいですね。次にもっておくといいのが湯冷まし(茶海)。湯の温度を下げたり、急須のお茶を注いで温度や濃度を均一にしたり。あると便利です。ほかには、湯呑み、茶筒(保存容器)、茶こし、茶さじ、茶托、箱や籠、布など。組み合わせを考えながら少しずつ集める楽しさもあります」(市川さん)

これぞ究極の味わい方!玉露の氷水出し

耐熱硝子の多用急須
耐熱硝子の多用急須[持手なし:直径10×H16×W11.7cm 570ml)¥28,600(中川政七商店)

「新緑の季節、究極に贅沢な飲み方です。写真のガラス急須(570ml)の場合、玉露(最高級のもの)を10gを使用。まず半分の茶葉を入れ、その上に氷をたっぷりと。氷の上に振りかけるように残りの茶葉を入れ、水70mlを注いで氷が溶けるまで待つ。うま味が凝縮した極上の味が楽しめます。

飲み終えた茶葉はキュッと絞って、塩とごま油、だし醤油、ポン酢などをかけてぜひ食べてみて。シャキシャキの高級おひたしです」(市川さん)

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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PHOTO :
川上輝明
STYLIST :
岩埼牧子
EDIT&WRITING :
田中美保、木村 晶(Precious)