文芸作品から最新のベストセラーまで、プロの俳優や声優が朗読する書籍や多彩なポッドキャストを楽しむことができるオーディオエンターテインメントサービスのAudibleで、湊かなえさんの短編集『サファイア』の朗読を収録した永作博美さん。インタビュー3回目の今回は永作さんの素顔に迫るべく、『サファイア』制作時の振り返りから美の秘訣まで、一問一答形式でうかがいました。

俳優の永作博美さん
ワンピース¥41,800(ハウス オブ ロータス 二子玉川店) ・ピアス¥33,000(ドゥエドンネ)
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永作博美 さん
俳優
(ながさく・ひろみ)1994年、ドラマ『陽の当たる場所』(CX)で女優デビュー。以降、映画、ドラマ、舞台で活躍中。映画『腑抜けども、悲しみの愛をみせろ』(07年/吉田大八監督/ファントム・フィルム)、映画『八日目の蝉』(11年/成島出監督/松竹)、映画『さいはてにて〜やさしい香りと待ちながら〜』(15年/チアン・ショウチョン監督/東映)、映画『朝が来る』(20年/河瀬直美監督/キノフィルムズ)、連続テレビ小説『舞いあがれ!』(22年/NHK)、Amazon プライム『モダンラブ・東京』(22年/黒沢清監督)などの作品に出演、多くの受賞歴がある。

「『サファイア』の朗読は、役者としての自分の引き出しも広げてくれました」永作博美さん

――演劇の世界をひもとくと、朗読とは第三者的な視点からセリフを読むものだとされていて、芝居の場合はその人物になりきってセリフをしゃべるものだとされています。今回の永作さんの朗読はその中間にあるような印象を受けました。

「そうですね。やはり朗読と芝居はまったく違いますし、振り返れば今回の『サファイア』の朗読ではさまざまなことに悩みながら、新しいトライをしてきた部分がありました。

湊かなえさんの小説は、声に出して読んでみると非常に読みやすい文章なので、音読を始めたときに、自分が本を読んで受け取った印象よりも何か少し薄まってしまうように感じたことがありました。そこでただ普通に朗読として読み上げるのではなく、アクティングにも軸足を置きながらトーンやバランスを微調整してみたことが思い出されます。

前回お話したように人ではないキャラクターを朗読することもできましたし、『サファイア』のレコーディングの行程を通じて私自身も、いくらでも世界を広げることができるのだという新しい楽しさを覚えたことがうれしかったですね」

俳優の永作博美さん
「レコーディングの行程を通じて私自身も、いくらでも世界を広げることができるのだという新しい楽しさを覚えたことがうれしかった」(永作さん)

――永作さんご自身のことについても教えてください。この仕事を始めて今年で35周年を迎えられ、プライベートでは50代を機に家を改装されたとお聞きします。そんな今の心境を教えてください。

「最近、年を重ねることは“こだわりがどんどん減っていくことかもしれない”と思っています。若い時期はモノを持つにしろ、ものの考え方にしろ、たくさん持っているほうがより豊かで自由に動けるように思っていました。

それが年を重ねるごとに“モノをたくさん持っていても重いだけだな”とか、“方策をたくさん知っていても迷うだけ”と考えるように変わってきたんですね。そしてあるときふっと、“なんだったんだろう、これまで自分がこだわってきたものは…?”みたいな心境に行き着いたんです。

こだわっていたのではなく、実は“こだわることが大事だと思っていた”だけ。そう気づいてからは、“こだわりがなくなるって、楽だなぁ”とその良さを感じています」

「モノも考え方も老廃物も、なにごとも“ため込まない”ようにしています」永作博美さん

「たとえば、知識を熱心に取り入れることによって構築した若干頭でっかちな固定観念は、1度全部取っ払ってしまおうと思っています。
モノでも考え方でも、何かにこだわる時間がもったいないですし、身の回りにたくさんのモノを置いたり、たくさんの考え方で自分を縛ってしまうと、そのぶん、気をとられたり時間がとられてしまいますよね。

 “じゃあこれを捨てよう”、“先ず「これから」やってしまおう”、“このやり方はいらないのかもしれない”という取捨選択は確実に、身軽に楽しく生きられる方向につながることを実感しています。おすすめします」

俳優の永作博美さん
知識を熱心に取り入れることによって構築した若干頭でっかちな固定観念は、1度全部取っ払ってしまおう(永作さん)

――最後に、永作さんが若々しさをキープするために意識していることがあったらぜひ教えてください。

「循環を良くすることですね。体や足を温めることもいいと思いますし、でもいちばん大切なのは“水を飲むこと”だと思います。

量はたくさん飲まなくてもいいと思うんですよ。それよりも、水を飲んだら体を動かしたりして汗を出すなど、きちんと排出させることのほうが大切です。いらないものはどんどん体の外に追い出して、体の中を巡っているものを新しく新陳代謝させるように心がけているんです。

なにごとにおいても“ため込まない”ことが良いのだと思います」


インタビューで語られる言葉から力強く男前なオーラが伝わってきた永作博美さん。永作さんのナレーションによる湊かなえさんの短編集『サファイア』をぜひAudibleでチェックしてみてください。

■オーディブルにて配信中!  湊かなえ・著『サファイア』朗読:永作博美

湊かなえ・著『サファイア』朗読:永作博美
湊かなえ・著『サファイア』朗読:永作博美
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2024年4月25日(木)よりAudibleで配信中。
人間の不思議で切ない出逢いと別れを、己の罪悪と愛と希望を描いた珠玉の物語。表題作他「真珠」「ルビー」「ダイヤモンド」「猫目石」「ムーンストーン」「ガーネット」全七篇。

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問い合わせ先

  • ハウス オブ ロータス 二子玉川店 TEL:03-6431-0917
  • ドゥエドンネ https://duedonne.net/

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