下駄の形…和装初心者でも疲れにくいものの名前をおさらい!
明日・7月22日は『下駄(げた)の日』です。下駄の寸法には、「七寸」「七分」など「7」がよく使われます。また、歯(下駄の接地する突起部のこと)の形の定番に「二本歯」があり、足跡の模様が「二二」と付いていくことなどから、7月22日に制定されました。下駄は夏の浴衣に合わせる履き物の定番、というイメージですが、実は、カジュアルな着物に合わせて、通年履ける履き物です。式典用など、フォーマルな和装に合わせるのは必ず草履(ぞうり)ですが、ドレスコードが「スマートカジュアル」程度の場であれば、紬の着物や小紋などの街着に、おしゃれなデザインの下駄を合わせて出かけてもOKです。というところで、本日は「下駄」をキーワードにした日本語クイズをお送りします。
【問題1】「駒下駄」ってどんな下駄?
「駒下駄(こまげた)」の説明として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:一片の木材から台と歯をくり抜いてつくった下駄
2:歯の形が二本歯の下駄
3:上から見て台の形が楕円の女性用下駄
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 1:一片の木材から台と歯をくりぬいてつくった下駄 です。
「駒下駄(こまげた)」とは、台と歯を別につくって、あとから差し込んだりして合体させたものではなく、「一片の木材から台と歯をくり抜いた下駄」を言います。昨今では「二本歯の昔ながらの形の下駄」を「駒下駄」と呼ぶ向きも出ているようですが、本来の「駒下駄」の名称は、その昔、自分で木をくり抜いて下駄をつくる際に、最も簡単にできる形が馬のひづめに似ていたことに由来します。江戸時代中期以降、専門店で売られる「駒下駄」に、形のバリエーションや、畳表を貼り付けたものが登場するなど、デザインが多様化していき、「一片の木から台と歯をくりぬいた下駄」の総称的に使われるようになりました。昨今でも、特殊なデザイン以外はほとんど「駒下駄」の製法でつくられています。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】下駄の形の名前、わかる?
次の画像の下駄の名称として正しいものを、選択肢の中から選んでください。
1:舟形下駄
2:千両下駄
3:右近下駄
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 3:右近下駄 です。
「右近下駄(うこんげた)」は、足の裏の形に沿ったカーブが付けられ、歯の形も靴に似ている、和装に不慣れな人でも疲れにくい形の、比較的歴史の新しい下駄です。昨今、浴衣とセット販売されている下駄などは、ほとんどがこの「右近下駄」です。量産用の安物というわけではなく、次の画像のように、台に塗りを施したものなど、おしゃれなバリエーションの「右近下駄」も多数ございます。
また、台が草履と同じような形の「舟形下駄(ふながたげた)」は、きちんとしたイメージと、歩くときの安定感もあり、初心者のスマートカジュアル用にも使いやすい下駄です。ほか、選択肢2で名称が登場した「千両下駄(せんりょうげた)」は、台に前のめりになるような傾斜がついている、やや上級者向けの粋な形状です。
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本日は、7月22日『下駄の日』にちなんで、
・駒下駄(こまげた)
・右近下駄(うこんげた)
・舟形下駄(ふながたげた)
・千両下駄(せんりょうげた)
などなど、下駄の種類にまつわる日本語をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/東京新聞ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)/photoAC
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱