「その瞬間の特等席へ。」をコンセプトに、各施設が独創的なテーマで圧倒的⾮⽇常を提供している「星のや」。その始まりの地である、長野県・軽井沢の「星のや軽井沢」では、2024年6月に誕生したオールデイラウンジ「棚田ラウンジ」で、季節の恵みを堪能する「棚田アフタヌーンティー」を1日1組限定で提供しています。
星のや軽井沢を象徴する棚田の四季の移ろいを表現した本アフタヌーンティー。Precious.jpライターが、実食レポートでその魅力をお伝えします。
星のや軽井沢で提供中!信州の季節の味わいが楽しめる「棚田アフタヌーンティー」
「谷の集落に滞在する」がコンセプトの星のや軽井沢。「もっと日本らしさを大切にしながら近代化したとしたら」、「和の文化が熟成を重ねて今を迎えていたとしたら」という空想の「もう一つの日本」をテーマに、2005年に開業しました。
そして星のや軽井沢といえば、「もう一つの日本、谷の集落」における心の原風景として設計されたランドスケープである棚田の風景を思い起こす方も多いのではないでしょうか。その棚田を臨む特等席として2024年6月、オールデイラウンジ「棚田ラウンジ」が誕生しました。
こちらのラウンジにて、川のせせらぎを聴き、季節ごとに色を変える豊かな緑を目の前に、心地よい風を感じながら旬の恵みを堪能できるのが、棚田の季節の移ろいを表現した「棚田アフタヌーンティー」です。
棚田アフタヌーンティーでは、豊かな自然で育まれた四季折々の食材がふんだんに盛り込まれた料理や、清流で育まれた鯉や豊かな山々でとれたジビエなど、地域独自の食材を活かした食事が提供されます。
アフタヌーンティーは、棚田の情景をモチーフにした特別な三段重で提供されます。
外側と内側でがらりと印象が変わる三段重。山桜の樹皮を加工した「樺細工(かばざいく)」を用いて、棚田に立ち並ぶ樹木のようにひとつとして同じものがない唯一無二の姿に仕上げられた重箱のふたを開けると、「曲木細工(まげきざいく)」を施して棚田の流れるような曲線を表現した内側が現れます。
まず、三段重の一の重には、信州名産であるルバーブを使った「ルバーブの最中」、軽井沢エリアで親しまれている花豆を和の生菓子に仕立てた「花豆の練り切り」、ほどよい酸味とサクッと食感が心地よい「サワーチェリーの琥珀糖」が並びます。
二の重には「黒文字クッキー」、「熊笹クッキー」、「黒文字カステラ」、「そば粉のガトーショコラ」、「海老芋タルト」と、つまみやすい軽いひと口菓子が並びます。
三の重には三色の「信州マカロン」が配されています。お味は七味・山葵・味噌の三種。いずれも和の調味料でお菓子に用いるとひとくせありますが、マカロンの甘さを引き立てつつ、洋風の味わいにも見事に調和していました。
笹に巻かれているのは「熊笹のちまき」。うつわに入っているのは、鹿肉のレバーのコクを活かした「鹿レバーパテ」です。パテは、右隣の鯉カツサンドや鹿肉のきのこ糀炭火焼に付けていただくのがおすすめだそう。
鹿のレバーパテはくさみがなく、やや甘みすら感じるまろやかな味わい。熊笹に包まれていた餅は抹茶味です。
マイクロハーブのサラダや季節のフルーツもたっぷりと。手前はミニトマトの蜜煮。フルーツのように甘く、みずみずしいミニトマトに夏らしさを感じます。
川の水が美しい信州ならではの鯉もいただけます。くさみのない鯉だからこそ楽しめる鯉カツを挟んだサンドイッチ「鯉カツサンド」や、とても柔らかく旨みたっぷりの「鹿肉のきのこ糀炭火焼」、見た目の華やかさにも目を奪われる「花寿司」といったお食事メニューに、お腹も心も大満足。
グラスに入った赤いソースは、トマトのポン酢。マイクロハーブのサラダやミニトマトにつけていただくと合うとのこと。意外な楽しみ方として、マカロンをつけていただくのもおいしいと聞き試してみたところ、トマトの酸味がマカロンに入った和の甘さを引き立てていて大変おいしかったです。
そのお隣にある野沢菜のタルタルも、鹿レバーパテと同様サンドイッチやお肉に付けて味変しながら楽しめました。
アフタヌーンティーにあわせる乾杯酒として用意されているのは、長野県北部にある日本でも数少ないシードル専門醸造所「林檎学校醸造所」と星のや軽井沢が協力して限定醸造した、オリジナルのロゼシードル「プレミアムシードル POMME ROSE(ポム・ロゼ)」。
信州生まれの炎舞(えんぶ)とIHR17という希少な赤果肉りんご2種と、英国生まれの酸味が強いメイポール、計3種をブレンドして瓶内二次発酵で仕上げた甘酸っぱいロゼシードルです。
程よい甘みと爽やかな酸味が心地よく、棚田アフタヌーンティーの食事や菓子、何にでもよく合います。
ほかにも、紅茶やコーヒー、ハーブティーや水出し緑茶などが用意されていて、お好きなものをセレクトできます。ミントやレモングラス、黒文字を使った爽やかな「山のモヒート」や、“飲む伝統工芸”とも呼ばれる「桜樺茶」も。
桜樺茶は、お重の樺細工の素材となる大山桜の樹皮を使用したブレンドティー。さっぱりした後味で、アフタヌーンティーにぴったりでした。
「日本料理 嘉助」の夕食「山の懐石」で信州の夏を味わう
夕食は、1階の「日本料理 嘉助」にて、夕食「山の懐石」をいただきました。
まずは、夏らしく爽やかな「青梅甘露煮」から。ひんやりとして柔らかな果肉が美味です。
軽井沢の緑をイメージして仕上げられた先附「緑山水」は、おかひじきの食感とハムの旨みがマッチ。表面を炙った鱧は、中はややレアな食感が楽しめます。続く椀物はハタと白ずいき。出汁の旨みと温かさでほっと一息つける味わいです。
続いて、山と海のお造り。新鮮な鯉と、脂ののったまぐろのお刺身が登場しました。星のや軽井沢の敷地内に育つ季節の草花をあしらった盛りつけも美しい一皿は、谷の集落の情景を思い起こさせます。
白出汁をベースにはちみつやトマトジュースなどを入れたスープにマイクロハーブやクレソンを浮かべた鍋で、牛肉をくぐらせていただく「勧進帳 山渓」。マイクロハーブもお肉と一緒にいただきます。添えられた辛味噌を少し混ぜていただくと、また味わいに変化が。
お肉はもちろん、スープがとにかくおいしいので、それだけで飲めそうなほどでした。美容にいい食材がたっぷり入っているので、たくさんいただいても罪悪感がないのがうれしいですね。
実は「日本料理 嘉助」の料理長は強肴の料理名にいつも遊び心を入れているそうで、今回の料理名には歌舞伎の演目である「勧進帳」が用いられています。牛若丸が活躍する「勧進帳」ですが、こちらの料理には「牛」=牛肉、「若」=若返りの食材(はちみつなど)、「丸」=(丸い)トマト、が登場します。なんとも粋な名づけですよね。
八寸には、鹿肉の松風焼きと、とうもろこし豆腐、さっぱりとしたもずく。海老や枝豆、ほおずきの実ももちろんいただけます。季節感のある飾り付けも美しく、目を引きます。
焼物は、鮎の塩焼き。まるで川で泳いでいるところをそのまま焼き上げたような躍動感のある姿で登場しました。香ばしい骨はもちろん、頭からしっぽまでまるごと食べられます。鮎の塩焼きには欠かせない蓼酢も添えられています。
続いてさっぱりといただける冷鉢、「東西南北」ならぬ「東西南朴」です。東瓜(とうがん)を南瓜(かぼちゃ)のペーストと西瓜(スイカ)のペーストではさんでいます。料理名に入っている「朴」は「素朴な素材を使っている」という意味だそう。ここでも料理長のユーモアが光ります。
いよいよご飯もの。うなぎを山椒の実と共に炊き上げています。この時点で大分お腹いっぱいでしたが、土鍋のふたを開けて漂う香りで食欲が湧くから不思議。ミョウガをたっぷりとのせていただきました。途中で出汁をかけることで、お茶漬けとしても楽しめるのがうれしいですね。
デザートはスイカと葡萄、そして大吟醸のアイスクリームにはシードルをかけて。
信州の恵みと季節感を目でも舌でも感じられる、大満足の内容でした。
「棚田アフタヌーンティー」は宿泊者限定、1日1組(2~4名)限定での提供。公式サイトにて5日前24:00までの要予約です。
また、星野リゾート創業の地である「軽井沢星野エリア」は今年で110周年。2024年8月31日(土)までの「軽井沢高原教会 サマーキャンドルナイト」や、9月1日(日)までのクラフトビールイベント「軽井沢 Cheers to Nature」など、さまざまな催しが開催されています。
ぜひ、アフタヌーンティーとあわせてチェックしてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 星のや軽井沢
- 「棚田アフタヌーンティー」
期間/通年(除外日あり)
提供時間/12:00~15:00 - TEL:050-3134-8091(星のや総合予約)
- 住所/⻑野県軽井沢町星野
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 小林麻美