3月31日は、山菜の日。まさに山菜がおいしくいただける季節の真っ最中、山菜そばを取り扱うお店が増えてきました。山菜独特のほろ苦さを味わうには、揚げたての天ぷらがベストです。ほろ苦い香りや苦味とそばの相性は抜群! パリッとした山菜天ぷらを、この春はおそばといっしょに楽しんでみませんか?

東京都内でおいしい山菜天ぷらそばを食べるなら、一体どこに行けばいいのか? 今回、そば研究家の前島敏正さんに、実際に行って味に感動した、山菜天ぷらそばのお店を3軒、教えていただきました。前島さんは、ほぼ毎日のようにそばを食べ歩きながら、ブログやSNSでそば情報を発信し、そばに関するセミナーも主宰するほど。そんなそば通をうならせたそばは、味も香りも最高級。

場所はそれぞれ、奥多摩、深大寺、立川エリア。山菜も野菜や果物と同じく、採れたてが一番なのです。都心からは外れますが、どれも期間限定で今しか食べられないものばかり。ぜひ足を運んでみましょう!

■1:江戸時代にタイムスリップしたような気分になる「そば・うどん 丹三郎」(古里駅)

季節によっては、店主自らが山に入って摘んだ山菜がメニューにのぼることも!

東京都の西部にある奥多摩地域。都心からのアクセスもよく、四季折々の自然を楽しめるハイキングコースもある場所です。そんな里山の中に、まるで江戸時代にタイムスリップしたような建物が出現。それが、「そば・うどん 丹三郎」です。

東京都の歴史的建造物にも指定されている、長屋門や茅葺き屋根の母屋を見ながら、奥多摩の自然とともにじっくりとそばを楽しめます。

丹三郎のそばは、店主が日本各地にあるそばの中から独自にブレンドした「二八そば」。その日にお出しするものを毎日手打ちするので、そばにはコシがあり、喉越しもスッキリ。そばならではの風味と香りが楽しめます。もちろん鰹節と鯖節を使った、そばつゆとの相性も抜群。このおそばを食べたくて、遠方からわざわざ来るファンも多いのだそう。

また「季節の天ぷら」には、奥多摩の山々から採れた山菜も使用。ワラビやコシアブラなど、季節によって採れる山菜がちがうので、何が出るかはその日のお楽しみ。そばは、なくなりしだい終了となります。週末には、ランチタイムで完売になることもしばしば。あらかじめ予約をするのがおすすめです。

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■2:行列に並んでも行く価値がある「深大寺そば・甘味 多聞」(調布駅)

「冷やし山菜そば」にすればそばと山菜がたっぷり食べられる!

緑に囲まれた深大寺周辺は、古くから湧き水に恵まれているため、そばの名店が名を連ねる場所のひとつです。そんな武蔵野の自然とそばを満喫できるのが、「深大寺そば・甘味 多聞」です。

季節や天候にあわせて、その時期に一番おいしいそば粉を独自にブレンド。しかも強い風味をもつそば殻を取り除いているので、しっかりとしたコシがある細いそばにも関わらず、すがすがしいぐらい上品なそばの香りを楽しめます。

鰹節を使った濃いめそばつゆとの相性もよく、そばを一気にするりと食べられます。純粋にそばの香りが好きな人は、そばの実をそのまま使った「そば雑炊」もおすすめです。

また「野草の天ぷら」には、明日葉やせりなど、旬の山菜が盛りだくさん。パリッと揚げたての天ぷらが、種類豊富に楽しめます。もちろん、そばの後にちょっと食べたくなる甘味も充実。木の温もりが感じられる店内にいると、時が経つのも忘れて、うららかな春の午後を過ごせそうですね。

新緑の時期は、深大寺の境内や神代植物園の散策ついでに立ち寄る、女性客が多いのも納得です。なお、ランチタイムはおいしいそばを求める人の行列ができるので、早めの時間に並ぶのがベストですよ!

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■3:桜色のそばで春の訪れを実感できる「手打ち蕎麦 萱草庵」(西立川駅)

季節の変わりそば「桜切り」は桜の香りを思う存分楽しめる!
期間限定「山菜てんぷら盛り合わせ」はたらの芽、ふきのとう、わらびなど、春を代表する山菜がズラリ!

ちょっとオシャレな空間でそばを堪能したい時には、酒好きの友人を誘って「手打ち蕎麦 萱草庵」まで足を運ぶのはいかがでしょう。地酒はもちろん、そばとよくあう酒の肴まで揃う、まさにそば好きが通う名店です。

萱草庵の手打ちそばは、季節に応じて店主が吟味した国産のそばの実を使用。毎日、その日に打つ分だけ石臼を使って製粉し、店主自らそばを打つので、ふくよかなそばの香りがふわっと際立ちます。

旬の素材をそばに打ち込んだ季節の変りそばには、桜の葉を織り込んだ「桜切り」が期間限定で登場。ほんのりと桜色に染められたそばとともに、旬の山菜が入った「天ぷらの盛り合わせ」をいただくと、体の中から季節を感じることができます。

このほかにも、スピルリナを練りこんだ「そばサラダ」や、初夏には自家製バジルを使った「バジルそば」など、体を気づかう人にぴったりのメニューも勢ぞろい。そば前で一献楽しんでから、締めには手打ちそばを堪能。そんな、粋な食べ方もできそうですね。

ちなみに、店名にもある萱草(かんぞう)は、花の名前からとったもの。その花言葉には、「嫌なことを忘れさせてくれる」という意味もあるのだとか。日常の多忙や雑事を離れ、店主の心づくしの手打ちそばをジャズのBGMとともに堪能すれば、身も心も解きほぐれますよ!

問い合わせ先

  • 手打ち蕎麦 萱草庵
  • 営業時間/11:30~14:00、18:00~21:00
  • 定休日/火曜・水曜(昼のみ)
  • TEL:042-528-2424
  • 住所/東京都立川市富士見町1-15-7 メゾン ル・パルク 1F

■番外編:自宅にいながら天然の山菜を味わえる「あきた森の宅配便」

どうしても山菜そばを食べたいなら!

上記でご紹介したおいしい山菜天ぷらのお店はどれも遠めで、ランチタイムは並ばないといけません。遠出も行列も苦手な人は、山の名人たちが採った山菜をネットで注文するのもひとつです。前島さんオススメは、「あきた森の宅配便」。お取り寄せなら、秋田県の四季折々の豊かなおいしさを、自宅にいながら堪能することができます。季節によっては「山菜そばセット」なども注文できるので、要チェックです!

山菜てんぷらには、旬のおいしさがギュッと詰まっています。ひと口食べれば、日本に生まれた喜びを実感できるはず。とくに、東京近郊にあるそばの名店は、都会の喧騒とは打って変わった風景とともに、山菜と出合えるのも魅力。この週末、家族や友人と山菜との出会いを楽しむ「そば巡りの旅」をしてみませんか?

前島敏正さん
そば研究家
(まえじま としまさ)ほぼ毎日のように蕎麦を食べ歩く、そば研究家。ブログやSNSを通じて蕎麦情報を発信。蕎麦に関するセミナーも主宰する。蕎麦鑑定士、江戸ソバリエ・ルシック(ソバリエ上級者)でもある。
江戸ソバリエ
この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2018.3.30 更新
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
富田チヤコ