表紙キャラクター大政 絢さんの連載【日本に出逢う、12か月の季節心得「絢ごよみ」~霜月~】巻紙のお礼状で感謝の意を伝えて

雑誌『Precious』の連載【日本に出逢う、12か月の季節心得「絢ごよみ」】では、『Precious』表紙キャラクターの大政 絢さんが日本独自の季節感を学ぶべく、「日本雅藝倶楽部」主宰の川邊りえこさんのご指南のもと、繊細な美意識に触れていきます。

今回は、小筆で文字を綴り、お礼の手紙を送りたいという大政さん。時候の挨拶を交えた文章を、巻紙に書いていきます。

絢さんが教わったのは … 「日本雅藝倶楽部」主宰 川邊りえこさん
書道家・美術家。「日本雅藝倶楽部」の受講生には、財界人や経営者も多く、その人自身の個性を伸ばしながら、「書」の真髄を伝授。

「くずし文字でしたためた巻紙のお礼状で、感謝の意を伝えて」大政さん

大政さん:「手紙を送る機会が多いので、さらさらと筆で書けるようになれたら、これ以上素敵なことはないかもしれません。名前を書けるようになったばかりで、まだまだ筆の扱いに慣れていませんが、お礼状に挑戦することは可能でしょうか?」

川邊さん:「実際に、講座でお礼状に挑戦する方も、みなさんハードルが高いと感じられるようなのですが、必ず満足するものを書き上げることができるので安心してください。筆で書いた文字は、その人らしさが滲み出て、心のこもった印象を与えることができます。また、『巻紙』を用いるのもおすすめです。古より用いられていた巻紙は、敬意を伝えるかたちとして効果があります」

「一筆一筆集中しながら、巻紙に文章を書くことで味わえる心地よい緊張感。趣のある伝達スタイルで真心を込めていきます」(大政さん)

大政 絢_1,和文化_1
 

文字にとらわれるよりも、行間や余白の取り方が大切、という川邊さんからの指南のもと、お礼状を書き上げた大政さん。前号までの連載でデザインした名前や作成した落款がお礼状にも生かされて(記事末に前号までの連載記事あり)。

大政さん:「川邊先生のご指導のもと、余白や行間などの全体のバランスを意識しながら文章を書くと、自分でも信じられないほど上達していきました」

大政 絢_2,和文化_2
 

巻紙の扱いは難しくなく、文章を書いたら端を切り、軽く畳んで封筒に入れるだけ。切る際は、水を含ませた筆で縦に数回なぞり、濡れた部分を引っ張りながら行う。

「武将の手紙などに用いられた切紙を貼り継いだ巻紙を使うだけでいつもの手紙がサプライズ感のあるものに仕上がります」川邊りえこさん

川邊さん:「『美は空間』という意識が大切です。巻紙や封筒はシンプルなものに徹することで、のびやかな書や落款の存在感が引き立ちます。切手も、趣のある自分好みのデザインを選び、抜かりなく」

大政さん:「筆で書いた巻紙のお礼状を実際に送ったら、受け取った方からとても喜んでいただけたのも励みになりました」

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PHOTO :
長谷川潤
EDIT&WRITING :
川口夏希、遠藤智子(Precious)
撮影協力 :
日本雅藝倶楽部