表紙キャラクター大政 絢さんの連載【日本に出逢う、12か月の季節心得「絢ごよみ」~文月~】美しい名前のデザインで内なる個性を表現して

雑誌『Precious』の連載【日本に出逢う、12か月の季節心得「絢ごよみ」】では、『Precious』表紙キャラクターの大政 絢さんが日本独自の季節感を学ぶべく、「日本雅藝倶楽部」主宰の川邊りえこさんご指南のもと、繊細な美意識に触れていきます。

今回は、日本語の美しさを再認識しながら、絢さんが「書」と向き合い、自分の名前を美しく書くコツを川邊先生にレクチャーいただきました。

絢さんが教わったのは … 川邊りえこさん
「日本雅藝倶楽部」主宰
書道家、美術家として国内外問わず活躍。1995年に「日本雅藝倶楽部」を設立し、書の講座を指導。

「美しい名前のデザインで内なる個性を表現して」

大政 絢_1,和文化_1
筆ペン/絢さん私物

名前が美しく書けるようになると、イベントやパーティの芳名帳から祝儀袋の表書きまで、自信をもって臨めるもの。1時間ほどで、のびやかな書体で「大政絢」と書けるように変化。

「名前の文字は、書き手の個性を表すもの。中心線や間隔、強弱を意識することが第一歩です」川邊りえこさん

大政さん:「筆で文字を美しく書くことに憧れがあり、 “書” を嗜(たしな)みたいという願望があります。書道家として幅広く活躍されている川邊先生から直々に教えていただけて光栄です。書を始めるにあたり、最初に取り組むべきことはありますか?」

川邊さん:「私が主宰する、日本の美意識を総合的に学ぶ『日本雅藝倶楽部』の “書” の講座では、自分の名前をデザインすることから始めます。キャリアを積んだ方は自分の名前を記す機会も多いもの。美しいバランスで名前が書けるようになると、気後れすることなく臨めます」

大政さん:「名前は普遍のものですし、手紙やはがきなどに自筆で署名するだけで、心の温もりが伝わる気がします。伝統が感じられる筆を用いての署名は、海外を訪れる場面でも重宝しそうです」

川邊さん:「名前を美しく書く秘訣は、中心線を意識し、文字の間隔を均等にし、線に強弱をつけること。お手本どおりに書くという機械的な作業とは違い、署名デザインは自分の中に眠る個性を引き出す、クリエイティブな営みです」

大政さん:驚くほど短時間で美しい文字を書けるように。川邊先生から教わる “書” は、まるでアートのような感覚で、自由にのびのびと楽しめました」

「こんなにも自分の名前を筆でのびやかに書けるとは…みるみるうちに文化が変形し、自信をもって書けるように」大政 絢さん

大政 絢_2,和文化_2

右側の紙に書いた「大政絢」が、最初に書いた文字。川邊先生から行書体のデザインを教わり、美しいバランスを頭で思い描き、書くという工程を数回繰り返して。線の強弱や文字のフォルムを意識しながら、姿勢を整えて、ゆっくりと筆を動かすこともポイントに。

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PHOTO :
長谷川 潤
COOPERATION :
日本雅藝倶楽部
EDIT&WRITING :
川口夏希、遠藤智子(Precious)